新型車比較・ライバル車対決
更新日:2021.07.21 / 掲載日:2021.07.20

新型ヴェゼル完全解析【2】格上ライバルに挑戦! vs RAV4 対決試乗

新型ヴェゼルの最上級グレードの価格は車格が上回るRAV4のガソリン車とも競合する。格上の人気SUVを向こうに回し、下剋上に挑むロングラン試乗を敢行した。

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ほぼ同価格の2台は満足度も同等なのか!?

【左】
TOYOTA
RAV4 アドベンチャー

●車両本体価格:331万円
●ボディカラー:アッシュグレーメタリック×アーバンカーキ(有料色5万5000円高)
■主要諸元(アドベンチャー・4WD) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm): 4610×1865×1690 ●ホイールベース(mm):2690 ●最低地上高(mm):200 ●最小回転半径(m):5.7 ●車両重量(kg):1630 ●パワーユニット:1986cc直列4気筒(171PS/21.1kg・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:15.2km/L ●タイヤ:235/55R19

【右】
HONDA
ヴェゼル e:HEV PLaY

●車両本体価格:329万8900円
●ボディカラー:サンドカーキ・パール&ブラック(有料色2万7500円高)
■主要諸元(e:HEV PLaY・FF) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm): 4330×1790×1590 ●ホイールベース(mm):2610 ●最低地上高(mm):195 ●最小回転半径(m):5.5 ●車両重量(kg):1400 ●パワーユニット:1496cc直列4気筒(106PS/13.0kg・m)+交流同期モーター(131PS/25.8kg・m) ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●WLTCモード総合燃費:24.8km/L ●タイヤ:225/50R18

車格だけでは決まらない。優先事項との相性が肝心

 ヴェゼルの全長は約4.3m、RAV4は約4.6mであり、車格はRAV4が1ランク上。また、乗用車系車体のクロスオーバーSUVとしては悪路性能にこだわった設計でもあり、カテゴリーや適応用途ではヴェゼルと真っ向からぶつかるモデルではないが、価格基準にするとヴェゼルのe:HEV車とRAV4のガソリン車が横並びになってしまう。

 2車を比較すればキャビンスペースと悪路踏破性は言うまでもなくRAV4に分があり、取り回しや燃費ではヴェゼルにアドバンテージというごく当たり前の結論になってしまうのだが、例えばヴェゼルの荷室は高さ方向のゆとりと積み降ろししやすい床面高、多彩な後席格納により扱いやすさではRAV4を上回る。ひと回りコンパクトと言っても車内の開放感や乗降性も含めた使い勝手なら負けていない。逆に燃費でe:HEVには及ばないにしても今回の燃費テストではRAV4の健闘が光る。ガソリンの4WD車ながら巡航で20km/L超、総合でもe:HEVのFF車の18%減でしかない。RAV4が同クラスSUVのガソリン車でトップクラスなのは分かっていたが、予想以上の好結果である。

 車格やイメージで選ぶのは禁物。必要要件の優先順位を見定めて優劣を判断するのが肝要だ。

icon 【格上ライバル】 TOYOTA RAV4

装備最新、悪路も得意、燃費だって自信あり

 トヨタの数多いクロスオーバーSUVの中でもラフロード性能を売りとするモデル。TNGAに基づく最新アーキテクチャーを採用し、搭載エンジンは2L直4と2.5Lハイブリッド。悪路走破性に優れた4WDシステムを搭載しながら好燃費も達成。アドベンチャーは特に悪路向きのグレードだ。

【CHECK!!】価格レンジ

ガソリン車同士、ハイブリッド同士なら、価格差は歴然。ただしヴェゼルのe:HEVの価格だとRAV4のガソリン車も射程範囲に入る。

【CHECK!!】約200km実走燃費

緩加速と巡航で伸びが良好なRAV4が予想以上の好燃費を示したが、発進停止や速度変化が頻繁な状況になると落ち込みが激しく、ヴェゼルとの差が拡大。RAV4はアイドリングストップを採用していないのも厳しく、停車時間が長くなるほどヴェゼルが優位に。

■走行条件:房総半島横断コースを2台が連なって走行。オートエアコンは外気導入で25℃設定、ドライブモードはECO、ACCは使用せず、オートライトをON。出発時の外気温は27℃で、その後30℃近くまで上昇した。

【比較1】走行性能

ヴェゼルは場面を選ばず安定した走り

 安全&運転支援ではACC(追従式クルコン)やLKA(車線維持走行支援)の基本機能は同等。ヴェゼルは操舵支援機能を備えた路外逸脱抑制や衝突回避がアドバンテージ。車載 ITは共通する機能が大半だが、車内WiFiやデジタルキーはRAV4には設定されない。

icon RAV4

モーターによるアシストこそないが、通常走行時は問題なし。1.6t超の4WDとしては驚異的な好燃費が光る。

icon ヴェゼル

FFのe:HEVはヴェゼルのラインナップの中でパワーも燃費も良好な組み合わせで、実際、期待を裏切らなかった。

【比較2】機能&装備

先進安全運転支援や車載 ITに大差はない

 安全&運転支援ではACC(追従式クルコン)やLKA(車線維持走行支援)の基本機能は同等。ヴェゼルは操舵支援機能を備えた路外逸脱抑制や衝突回避がアドバンテージ。車載 ITは共通する機能が大半だが、車内WiFiやスマホでエンジン始動まで可能なデジタルキーはRAV4には設定されない。

icon RAV4

トヨタセーフティセンスが標準。全車速追従機能付ACCやLKA(車線維持アシスト)の制御も優秀だ。

icon ヴェゼル

より広画角のカメラを搭載した最新のホンダセンシングを標準装備。歩行者との衝突回避も操舵で支援。

【下剋上判定】

SUVとしての実力は敵わないが、タウン&レジャーカーとしては逆転

「戦場が舗装路なら下剋上も可能だ!」

 ヴェゼルの試乗車がFFのPLaYでないとしても、一般的なSUV用途ではRAV4が圧倒的にメリットが多い。RAV4はSUVの中心的なクラスの基準器的存在であり、コンパクトサイズに効率良く機能や性能を織り込んだヴェゼルが劣るのは当然だ。

 しかし、ヴェゼルと比較すればRAV4にはSUVの基準器だからこその弱点も見えてくる。狭い場所での取り回しや燃費も含めた都市部での使い勝手だ。レジャー専用として選ぶならともかく、日常用途の頻度が高まるほどにヴェゼルに有利。タウン&レジャーを軸にしたSUV選びでヴェゼルは最有力なのだ。

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●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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