新型車比較・ライバル車対決
更新日:2021.07.01 / 掲載日:2021.06.23

2021注目SUVバトル【2】ハリアー vs RAV4「実力姉妹車対決」

SUV市場は、未だかってないほどの実力モデルが集う超激戦区。それゆえどれを選んでもハズレはないが、できれば大当たりを引きたいのは人情だろう。ここでは気になる対決の行方に迫ってみる。

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icon TOYOTA ハリアー

価格帯:299万~504万円

icon TOYOTA RAV4

価格帯:274万3000~402万9000円

ハードウェアはほぼ同じだが味付けは明確に異なる

 カタログを見比べると、ハリアーの雰囲気写真はすべてオンロード、しかも洒落た都会の風景が多い。対照的にRAV4はほとんどが荒野と悪路で、オンロード写真は走行性能や運転支援等の解説くらい。ハードウェア面では姉妹車となるが、コンセプトやキャラクターは大きく異なっている。

 RAV4はアウトドア趣味を楽しむための乗用車、つまりSUVの本質に沿ったモデルだが、ハリアーはSUVをベースに都会的な雰囲気とプレミアム感を前面に出したポスト高級ワゴンという位置付けだ。

 その志向の違いは外観の印象どおり。ハリアーは現行型でラフロード性能も高めたが、RAV4とは悪路対応力が異なることも、この2車の選び分けの要点になっている。

チェックポイント1/走行性能

  • 最新パワートレーン&4WDシステムの採用もあって、オフロードを得意とするレジャーSUVと思われがちだが、街乗りや高速走行といったオンロード走行性能もクラス最高水準だ。

  • ハイブリッド車の4WDはリヤモーター式のE-Fourだが、強力なトルクを発揮する強化モーターを採用しているため、ある程度のラフロードならば難なくこなせてしまう実力だ。

基本性能とパワートレーンはほぼ共通。走破機能に違いあり

 ハリアーのほうがオンロード志向が強いが、スポーティと言う意味ではない。むしろ乗り心地の硬柔ではRAV4が硬めである。最低地上高は共通設定だが、鼻打ちを減少させるフロント周りのデザインや沈み込みを抑えたサスチューンもあって悪路対応力はRAV4が勝る。

 ラフロード走行の質感を大きく左右する4WDシステムは、RAV4には悪路性能に優れたダイナミックトルクベクタリングAWDが用意されるが、ハリアーに設定されていない。その他の走破支援機能もRAV4のみという設定も多い。

 要するに走りの志向は外観の印象そのまま。スペック以上の力感を備えた2L車、プレミアム感と俊足のハイブリッド車といったキャラ付けは共通なので、一般用途で決定的な差になるような違いはないと考えていい。

icon ハリアー

ハイブリッド車は実質1ランク上。走りの質感も大きな武器

パワートレーンやシャシーといった基本メカニズムはRAV4と共通だが、サス周りは油圧減衰と摺動摩擦を組み合わせた専用ショックを採用することで、より穏やかな乗り心地を手に入れている。

ハイブリッド車には、2.5Lエンジンと組み合わされる最新THS IIを搭載。エンジンは178PS/22.5kg・m、モーターは88kW/202N・mとクラストップのハイパワーが与えられている。

icon RAV4

実はオンロードも得意。PHVモデルも選択可能

歴代のキャラもあってオフロードが得意と思われがちだが、最新GA-Kプラットフォームや高剛性ボディの採用により、オンロード性能もかなり優秀。一般路から高速道路まで走るステージを選ばない実力を持つ。

ガソリン上級グレードの4WD車には、後輪側の左右両輪のトルク制御まで行うトルクベクタリングAWDが採用されている。不安定なダート路でより安定した走りを披露する。

通常のハイブリッド車よりも大容量バッテリー&大出力モーターを搭載するRAV4 PHV(プラグインハイブリッド)もラインナップ。ハイパワーな高性能モデルとしての役割も担っている。

チェックポイント2/キャビン&ユーティリティ

ボディ寸法は共通だが、デザイン&加飾で差別化

 外観の印象は大きく異なるが、フロントオーバーハング周りを除けばプロポーションはほぼ等しく、キャビンと荷室のスペースも変わらない。後席機能は両車とも6対4分割のシングルフォールディングを採用している。計器盤周りや操作系、小物収納のレイアウトも共通しているのだが、小物収納の形状が異なり、RAV4は機能を重視した多用性、ハリアーは整然としたデザイン性を優先した意匠がそれぞれ採用されている。

 ハンズフリーのパワーリヤゲートは両車ともに採用するが、パワーシートはRAV4が運転席限定設定になるのに対して、ハリアーはレザー仕様限定ながら助手席にも設定される。居住性や積載性は同等ながら、内装関連はハリアーのほうがプレミアム性の高い設定になっている。

icon ハリアー

プレミアムを上手に表現したキャビンスペース

上質感を巧みに演出するインテリアに加えて、静粛性の向上もハリアーのこだわりの一つ。車室内の各所に吸音材を配置したほか、ボディ設計に遮音構造を加える工夫も盛り込まれる。

  • 全グレードにハリアー専用の車載システムが標準採用。最上位のZ系は12.3インチモニター+SDナビ(写真)、SとG系は8インチモニター+ディスプレイオーディオが装着される。

  • 車両後方カメラの映像をインナーミラー内に表示するデジタルインナーミラーやガラス自体に調光・透過機能を持たせた調光パノラマルーフなど、ハリアー独自の装備も魅力十分。

icon RAV4

派手な加飾は控えめだが、良質なキャビン空間を実現

ハリアーと同じく中央にディスプレイオーディオを配置する、トヨタらしい完成度の高いキャビン空間。機能面はほぼ同等だが、加飾の雰囲気はかなり異なる。

  • 扱いやすい分割格納式のシートバックや泥汚れなどを落としやすい専用トレイ、OPでアクセサリーコンセントも設置できるなど、ラゲッジユーティリティにもこだわった設定だ。

  • RAV4に搭載されるトヨタセーフティセンスは、車線維持支援機能もLTAまでカバーするフル機能版。ハリアーにも同等のシステムが搭載されている。

【最終ジャッジメント】ズバリ、ベストバイは?

  • TOYOTA ハリアー

  • TOYOTA RAV4

キャラの違いは明確だが、性能面は大差なし。お好みで選んでOK

 価格帯も近いだけに、基本のハードウェアだけ見ていると相当悩ましく感じるが、カタログに示されたイメージのとおり、キャラの違いは歴然。駆動方式やグレード設定も両車の適応用途の違いが反映されている。両モデルとともに苦手という苦手がなく、レジャー感覚を求めてRAV4を選んだユーザーは、意外とオンロードの快適性が高いことに驚くだろうし、プレミアム性でハリアーを選んだユーザーは、ハリアーがラフロードを苦にしないことにびっくりするはずだ。この2台に限ってしまえば、見た目で気に入った方を選んでまったく問題ないはずだ。

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●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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