新型車比較・ライバル車対決
更新日:2024.01.07 / 掲載日:2023.12.31

コンパクトSUVガチンコ比較! 有力6車のキャラはどう違う?

コンパクトSUV見くらべカタログ

ヤリス クロス/カローラ クロス/キックス/ヴェゼル/CX-30/クロストレック

コンパクトSUVは、いま最も旬なモデルが揃っているカテゴリーのひとつ。どれを選んでもハイレベルな実力派が揃うのだが、どれがベストチョイスかはユーザー次第。そこで有力モデル6台を比べることで、ベストモデル選びをお助けしましょう。

●文:川島 茂夫

コンパクトSUV《コンセプト&プロフィール》

個性の主張も積極的
必ずしも機能優先にあらず

 コンパクトSUVの中でも、上級コンパクトをベースに開発されたモデルは、車体のサイズアップは控えめ。今回オススメする6モデルの中では、カローラクロス、クロストレック、CX-30の3つがそんなモデルだ。
 まずカローラクロスは、大径タイヤの採用や、全幅もカローラスポーツ(5ドア)より一回り拡大しているが、より注目したいのは全高。なんと160mmも増加している。リヤオーバーハングも含めてキャビンスペースは一回り以上大きくなっている。
 逆にベース車とあまり変わらないのがクロストレックだ。デビュー時期からすると「ベース」という表現には引っかかるところもあるが、基本ボディシェルはインプレッサと共用のもの。インプレッサに比べて高くなった全高と最低地上高は悪路対応を目的としたもので、パッケージングは上級コンパクトのショートワゴンと同等クラス。キャビンの余裕や高い見晴らし感をアドバンテージにしていない。目線を変えれば、SUVらしさを意識しないで運転できるタイプだ。
 マツダ3のハッチバックとプラットフォームを共用するCX-30は、全高は100mm高くなるものの全長はベース車よりも短い。これは魂動デザインへのこだわりの結果。同じマツダ車との比較では最も実用的なモデルだが、このカテゴリーのライバル車と比べた場合では、スペース効率やキャビン実用性はあまり評価できない。ただ、このデザイン優先のパッケージング設計は、マツダ車らしいアイデンティといえる。
 残る3モデルはひとつ下のクラスのスモール2BOXをベースに開発されている。ベース車から大きく変化しているのはヤリスクロス。ヤリスがスポーティ&パーソナルに振ったスタイルとしたこともあるが、平面寸法は一回り以上大きく、ヤリスの面影はほとんど残っていない。
 キックスもヤリスクロスに近いタイプだが、後席居住性への配慮も効いているノート(先代)をベースにしているせいか、キャビンはエクステリアほどの印象の違いを感じない。シート格納などのアレンジ性は平凡だが、キャビン設計は無難にまとめている。
 比較6モデル中、ベース車との全長の差が最も大きいのはヴェゼルで、フィットより335mm拡大している。全高はほとんど変わっていないが、これはフィットはハイトワゴンに近いパッケージングを採用しているためで、全長の拡大分の多くはリヤオーバーハング、つまり荷室部の拡大に振り向けられている。

TOYOTA ヤリス クロス

価格:189万6000〜293万6000円 発売年月(最新改良): 2020年8月(2022年7月)

ヤリスの弱点を克服した実用性に注目。悪路走破性はガソリン車が上
ヤリスのプラットフォームをベースに開発。後席ヘッドルームや荷室容量を拡大することでキャビン実用性を向上させている。1.5ℓガソリン車と1.5ℓのHEVが選べるが、HEVの4WD車のE-Fourは後輪駆動に誘導モーターを用いた簡易型なので生活四駆レベルだ。悪路踏破性に関しては、機械式電子制御4WDを採用するガソリン車が有利だ。

TOYOTA カローラ クロス

価格:218万4000〜345万9000円 発売年月(最新改良): 2021年9月(2023年10月)

最新改良でガソリン車が2ℓ級にパワーアップ
 シリーズ4番目の「カローラ」として誕生。開発時はカローラの価格に収まるように考慮され、FF車のリヤサスはトーションビーム式と、コストを意識した設計も見受けられる。この10月の最新改良でガソリン車が2Lのダイナミックフォースエンジンにパワーアップ。HEVの4WD車は、30kWの後輪駆動用モーターを用いたE-Fourを採用している。

NISSAN キックス

価格:299万8600〜348万1500円 発売年月(最新改良): 2020年6月(2022年7月)

マイナーチェンジ時にパワートレーンを大幅強化
 先代ノートから発展したモデルだが、2022年のマイナーチェンジ時にパワートレーンを現行オーラと同じ第二世代e-POWERに変更。同時に後輪を電動駆動化した4WD車も追加している。プラットフォームは一世代前のものだが、シリーズ式HEVの特徴を活かした力強い走りが見どころ。特に後輪駆動に高出力モーターを採用した4WD車のパワーフィールは特筆だ。

HONDA ヴェゼル

価格:239万9100〜341万8800円 発売年月(最新改良): 2021年4月(-/-)

フィット譲りの実用性能が光る、このクラスの優等生モデル
 フィットをベースに開発されたコンパクトSUV。流麗なスタイリングが採用されたことで、フィットとは異なる印象だが、キャビン&荷室設計、走行メカニズムは共通点が多く、フィットの悪路対応型モデルとも解釈できる。パワートレーンは1.5ℓのe:HEVと1.5ℓのガソリン車を設定。共にFF車と4WD車を選べるが、e:HEVの4WDも機械式を採用する。

MAZDA CX-30

価格:255万6400〜:367万8400円 発売年月(最新改良): 2019年9月(2023年9月)

走り&上質感の魅力に加えて居住性能向上も図られている
 CX-3の上位モデルとして居住性の改善が図られたコンパクトSUV。ベース車も1クラス上のマツダ3で、改良前はSPCCIエンジン車もラインナップしていたが、現在は2ℓガソリンと1.8ℓディーゼルターボの設定になっている。SUVらしさよりもマツダ車らしさを重視した設計思想が特徴で、プレミアム感漂う内外装やファントゥドライブの走りをアピールする。

SUBARU クロストレック

価格:266万2000〜328万9000円 発売年月(最新改良): 2022年9月(-/-)

インプレッサベースのSUV。初のFF車も設定されている
 現行世代はクロストレックが先に登場しているが、インプレッサの悪路対応仕様という立ち位置は変わっていない。ただし、車体骨格は共用するものの、サスは専用設計となり、パワートレーンもe-BOXERのみとなっている。また、現行型はFF車も設定。高い悪路性能は求めないが、ちょっと嗜好を変えたいというユーザーニーズにも対応している。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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