車の最新技術
更新日:2022.05.31 / 掲載日:2022.05.31
トヨタの水素自動車×イオン東北 双葉町と浪江町で移動販売を実施

トヨタとイオン東北(秋田県秋田市)、および福島県双葉町と同浪江町の4者は5月31日、「特定復興再生拠点区域等における水素燃料電池自動車を活用した移動販売事業に関する基本協定」(以下 同協定)を締結した。
世界初の「燃料電池(FC)移動販売車」車両をトヨタが提供


同協定の取り組みの一環として、2自治体と2企業が協働して移動販売事業を実施する。その念頭に置くのは、東日本大震災からの復興と「持続可能なまちづくり」の実現だ。買い物環境に困難を感じている町民を支援し、地域の課題解決や行政サービスの向上等を図るとしている。
事業主体となるのはイオン東北で、同協定に基づき6月10日(金)より双葉町と浪江町において、買い物支援の需要が高い地域を対象に移動販売事業を実施。東日本大震災以降、帰還困難区域となった両町における「特定復興再生拠点区域」の避難指示解除に向け、イオン浪江店を拠点として買い物環境の充実・整備を通じて町民を支援するという。
この事業に使用される車両は、水素を燃料とした世界初(2022年4月現在トヨタ調べ)となる燃料電池(FC)移動販売車を導入する。
これまでイオン東北は、東日本大震災及び原子力災害により被害を受けた福島県浜通り地域を支援するためイオン浪江店をオープンするなど、ライフラインである買い物環境の整備に取り組んできた。
また、福島県では「水素」という新たなエネルギーに着目し、水素社会を先取りするモデル構築に取り組んできた。トヨタは、その中で浪江町に立地する「福島水素エネルギー研究フィールド」発の水素技術を活用し、社会実装の検討を進めているという背景がある。
この事業で2つの自治体は、住民からの要望や店舗の立地、高齢者の居住状況など買い物支援の必要性が高い地域の情報を提供。イオン東北はそれらの地域において移動販売事業を実施し、トヨタは水素燃料電池移動販売車の車両提供を行う。今後も4者は連携を深め、地域の活性化や新しいサービスの創出に取り組むとしている。