車の最新技術
更新日:2022.01.26 / 掲載日:2022.01.26
鳥取砂丘エリア 期間限定で自動運転専用EV車両の実証実験を開始

日ノ丸自動車(本社:鳥取県鳥取市)と日本交通(本社:鳥取県鳥取市)、一般社団法人麒麟のまち観光局とWILLER(本社:大阪府大阪市)はこのほど、鳥取市と鳥取砂丘会館、チュウブ鳥取砂丘こどもの国とAGC協力のもと、鳥取市にある観光地「鳥取砂丘」周辺の公道にて、自動運転の実証実験を実施すると発表した。実験期間は2022年2月17日~20日・23日、3月1日・2日・4日~6日の計10日間となっている。
関連記事:日産&ドコモ 自動運転車両使ったオンデマンド配車サービスの実証実験開始
片道約2キロを1日4往復運行!将来的な無人自動運転サービスの実現を目指した実験
今回の実験期間中は、自動運転サービスによる持続可能な地域公共交通及び周遊観光サービスの構築をテーマに、鳥取を代表する観光地「鳥取砂丘」の東西をつなぐ片道約2キロを1日4往復運行。2月中はNAVYA ARMAでは日本初となる、事業用の緑ナンバーで運行する。
また、車窓に特殊な加工を施して砂丘や市内観光地の映像を投影しながら運行することで、付加価値の高い移動体験を提供。乗るだけではない楽しさを兼ねた、アトラクション型自動運転サービスによる受容性向上についても検証する。
鳥取砂丘の西側エリアは、ビジターセンターや既存のキャンプ場、サイクリングターミナルの再整備や、民間企業によるワークプレイス拠点施設および高級リゾートホテルの開業などを予定。砂丘観光の中心である東側エリアと西側エリアをつなぐ、持続可能な利便性の高い2次交通の確保が課題となっており、今回の実証を通して将来的な無人自動運転サービスの実現に向けて環境を整えていく。
付加価値の高い移動体験提供 自動運転車両活用した観光コンテンツ確立めざす
今回の実証実験を通じて、自動運転を活用することによる実用性や事業性の向上を検証。将来的なサービスモデルを検討することで、運転手不足や環境問題といった社会課題を解決し、さらなるQOL向上を目指す。詳細の特徴については以下の3点となっている。
・観光地におけるエリア内の回遊性を向上させる自動運転車両を活用した周遊観光コンテンツの検証
・将来的な無人自動走行に向けた運行技術検証(降雪時の路面状態の変化等における走行性能や、円滑な運行のための道路構造の要件)およびオペレーター教育(自動運転知識・操作技術)の実施
・車窓に砂丘や市内観光地の映像を投影してアトラクション自動運転サービスとして運行し、付加価値の高い移動体験の提供による受容性向上の検証
「鳥取砂丘エリア」自動運転の実証実験 概要

<実施日程>
・2022年2月17日~20日・23日、3月1日・2日・4日~6日
・1日4便※天候により変更する場合有り。
<試乗者>
・2月17日~2月18日:関係者/2月19日・20日・23日、3月1日・2日・4日~6日:一般試乗モニター
・一般試乗モニターの募集は2月1日より先着順で行う。乗車時刻の2時間前までに特設サイトにて申込み。
・特設サイトURL:https://travel.willer.co.jp/maas/autonomousdriving-tottori/
自動運転車両「ARMA」について

一般的な車両にある運転席やハンドル、アクセル及びブレーキペダルがない自動運転専用のEV車両で運行。車窓には、映像が投影可能な特殊なフィルム加工を施している。
〈メーカー〉NAVYA SAS
〈車両名称〉ARMA
〈最高速度〉19km/h
〈車体寸法〉全長:4770mm/全幅:2100mm/全高:2610mm
〈位置把握〉RTK GNSS測位、LiDAR測位、オドメトリ
〈定員〉14名(着席7名、立席5名、セーフティオペレーター1名、補助員席1名)
〈航続時間〉約9時間(エアコン使用時約5時間)
〈充電時間〉急速充電:約5.5時間/通常充電:約12.5時間
〈安全性〉
・前方約3m以内に障害物を検知した場合は自動で緊急停止
・常にセーフティオペレーターが監視し、危険察知時はスムーズに手動運転モードに切り替え走行を続行
・緊急時、車内外のドアリリースレバー手動操作でドア開錠、緊急脱出ハンマーで窓ガラスを割って脱出可能
運行エリアについて

今回の実証エリアとなる国立公園「鳥取砂丘」は、世界で唯一の砂の彫刻を展示する「砂の美術館」やサンドボード、砂丘ヨガなど砂丘ならではのアクティビティが楽しめる世界が注目している観光地となっており、梨狩りや星空観測、キャンプや大型遊具で遊べる「こどもの国」など、四季を通じて子どもから大人まで楽しめるスポットを兼ね揃えている。