ホンダ　「Honda e」と双方向充電器を活用した実証実験開始へ

　ホンダの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは現地時間の1月19日、スイス国内でV2G（Vehicle to Grid）エネルギーマネジメント実証プロジェクトを行うコンソーシアム「V2X Suisse（スイス）」に参画すると発表。EV（電気自動車）「Honda e（ホンダ イー）」50台をカーシェアリング用に提供するとともに、V2G実証用に提供する双方向充電器「Honda Power Manager（パワーマネージャー）」35台を用い、Honda eを移動に使わない時は蓄電池として活用することで電力の安定供給を目指す実証実験を2022年9月に開始することを明らかにした。

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欧州のEV充電規格に対応　双方向充電が可能な欧州唯一のEVとして実験活用

　今回の実証実験では、スイスの大手カーシェアリング企業Mobility社を中心に、カーシェアリング車両を使ったV2Gの実証を実施。ホンダは欧州のEV充電規格「CCS」に対応し双方向充電を可能にした欧州唯一のEVとなる「Honda e」を50台提供する。提供車両はMobility社によりスイス国内40か所の充電ステーションに配備され、カーシェアリング車両として地域住民の移動に使用されるとともに、移動に使わない時には蓄電池としての役割も果たしていく。
　また、ホンダは実証用のHonda Power Manager 35台も提供。これらはコンソーシアムメンバーであるEVTEC社の双方向充電器とともに実証実験に使用される。「Honda e」を双方向充電器に接続することで、1台あたり最大20キロワットの電力を電力系統に供給することが可能としており、電力の安定供給への貢献を図る。なお、今回の実証実験はCCSに対応し、双方向充電を可能にした量産車を導入する世界初の取り組みとなる（2022年1月時点、ホンダ調べ）。

　ホンダでは、電動モビリティとエネルギーサービスをつなぐことで「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献し、環境負荷ゼロの循環型社会実現に向けた取り組みを展開。V2Gについては、天候や気候、昼夜など自然条件に合わせて発電量が変動する再生可能エネルギーの電源化に対し、EVのバッテリーを蓄電池として活用して電力を一時的に溜め、必要に応じて電力系統へ供給する役割を担う技術に位置付けしており、研究・開発を進めている。今回の実証実験では実環境でのデータ収集・分析を行い、カーシェアリングとV2Gの運用時間や頻度、ユーザーの利便性などを検証し、今後のエネルギーサービス開発に繋げるものとしている。

V2X Suisse 実証実験概要

期間：2022年9月～2023年12月
実施場所：スイス国内 約40か所
コンソーシアムメンバーと各社の役割：
●Mobility：EV及びV2G運用
●EVTEC：新型20kW双方向充電器開発と供給
●Sun2wheel：ソフトウエア開発及びプラットフォーム運用
●Honda：「Honda e」と「Honda Power Manager」の提供、データ収集・解析
●Tiko：ビジネスアグリゲーター。電力会社と共同で系統電力調整を実施
●Novatlantis：プロジェクトコーディネーター
●ETH Zurich：基礎研究
※ スイス連邦エネルギー局（SFOE）の支援を受けて実施。

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