車のニュース
更新日:2021.06.30 / 掲載日:2021.06.30

MINIの新コンセプトカー発表 くつろぎ、旅、Vibe。運転にとどまらないモビリティの未来

MINI Vision Urbanaut 1

 MINIは、2020年11月に発表していたビジョンに基づいて物理的なコンセプトカーを制作、6月30日に発表した。全く新しいモビリティの形は「MINI Vision Urbanaut」と題し、革新的な空間のビジョンを示している。このモデルは、2021年7月1日にミュンヘンの夏のDLDでデビューを飾る。

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モビリティを運転の先まで考える - MINI モーメント

  • MINI Vision Urbanaut 2

  • MINI Vision Urbanaut 3

 ブランドが「MINIモーメント」と呼ぶモビリティ体験。それは「車で何を体験したいか?」を考えることから生まれ、具体的には、3つのMINIモーメント「Chill(くつろぎ)」、「Wanderlust(旅への憧れ)」、「Vibe(雰囲気)」の例を挙げる。

・「Chill」モーメントでは、休息し、「今ここ」にとどまることができる。車は隠れ家になり、リラックスの場になるほか、集中的な作業のためにも利用できる。リヤ・シート(Cosy Corner)は座るためにも横になるためにも様々な位置をとらせることができ、更にバックライト付きのループが天井に緑の葉のイメージを投影し、調光も可能。中央部では丸型計器が折り畳まれてディスプレイもスイッチも隠れ、自動車の中にいることを忘れさせる。

・「Wanderlust」モーメントでは、室内空間は運転または同乗のための理想的な場所となり、旅のロマンを再発見することができる。自分で運転したいときは、MINIロゴに指を触れるだけでステアリング・ホイールとペダルが現れる。中央の丸形計器が姿を変え、道路のアニメーションが表示されるほか、付近の旧跡や到着予想時刻などの情報を乗員全員が見ることができる。

・「Vibe」モーメントは、すべての側面で時間を共有することを強調する。側面のドアを開け、フロント・ウィンドウを跳ね上げることで開放的な雰囲気が作り出され、内と外との境界が消失する。中央の丸形計器はメディアの操作盤となり、再生される音楽に合わせてイコライザーで操作されるアニメーションがフロント、リヤ、フェンダーの平面やループに投影されてクラブ風の快適な雰囲気を作り出す。必要に応じて車を「ラジカセ」にすることもできる。

 更に「マイモーメント」機能により第4のモーメントを自由に構成して、希望と必要性に適合する形を得ることができる。

  • MINI Vision Urbanaut 11

  • MINI Vision Urbanaut 12

さまざまな側面でサステナビリティを実現

MINI Vision Urbanaut 13

 多くの分野と同じくMINI Vision Urbanautもサステナビリティを重視している。この車ではいろいろな面でサステナビリティを直接理解し経験することができる。このコンセプトの出発点は、MINIの特質である「空間の賢明な利用」にある。すなわち可能な限り小さい占有面積で最大の容積を提供する。MINI Vision Urbanautは車高を高くとっているため、全長わずか4.46 mの中に多様な使い方のできる容積をとることができ、全く新しい動きの自由を確保している。また電気駆動によって、ローカルにはゼロ・エミッション・モビリティが実現している。また別の局面として、車両をモビリティ以外にも活用できることが挙げられる。停車中の車両を都会的なスペースとして利用することができるため、滞在時間・利用時間が大きく延びる可能性がある。

 更に、MINI Vision Urbanautは資源の責任ある取扱いをも重視している。そのためコンセプトの段階から一貫して、コンポーネントを減らすこと、無用な資源消費を避けることを主眼としている。これに沿って実現したのが、たとえばダッシュボードに二重の機能を持たせてデイベッド兼用にしたこと、あるいはOLEDを使用した円形のセンターディスプレイをテーブルに載せ、「Chill」モーメントではスタイリッシュなランプに変身させることなどだ。同様に、カバー類を交換可能とすることなどにより使用寿命を長くすることも重視している。またインテリアにはクロムメッキやレザーを使用しない方針で、MINIの次世代モデル・シリーズではこれを実現する予定という。

高品質とサステナビリティを目指す素材の革新

MINI Vision Urbanaut 14

 MINI Vision Urbanautの室内にはリサイクル素材が多く用いられ、またほとんどが再生ないし再利用可能な素材となっている。インテリアに用いられる主な素材はウール、ポリエステル、テンセルなどのリサイクルされた繊維製品である。これらは快適さ、高品質、柔らかさを兼ね備えている。また、デザイナーは特に単一の素材からなるソリューションを重視した。単一素材から成る製品は後日の再利用が容易であるためである。ステアリング・ホイールおよびフロアの一部には再生・再利用可能な材料であるコルクが用いられており、自然な手触りによって特別なアクセントを形成するとともに、空間に快適な自然感を持たせる一助ともなっている。全体としてMINI Vision Urbanautの素材コンセプトは、サステナブルに設計されたインテリアが持ち得る最高の視覚的・触覚的品質を示している。

香りとサウンド、感覚による経験

MINI Vision Urbanaut 15

 MINI Vision Urbanautでは、香りとサウンドの演出もインテリア形成の本質的な一部となっている。BMW グループのアロマデザインを担当するアナベル・コフィネは「五感すべてに訴えることを目指していて、香りの個人的な体験は文字どおり体に記憶され、ポジティブな雰囲気や体験を後から思い出すきっかけにもなり得るものだ。MINIブランドの個性を香りの記憶に結び付けたい。このブランドのメッセージは思いがけず感情をゆさぶるもの、決して刺激的ではなく、ウェルカム・シナリオと感じられるものになるはず」と説明している。

 感覚的経験を一層調和的なものにするため、サウンド・クリエイティブ・ディレクターのレンツォ・ヴィターレがウェルカム・シナリオの香りの様々な調合を音響に翻訳した。彼はウェルカム・サウンドを構成したほか、「Chill」、「Vibe」、「Wanderlust」の各モーメントのための音楽も作曲している。たとえば「Chill」モーメントでは、天井に木の葉を投影する光の演出と共に、インテリアを満たす森の葉ずれや小川の流れの穏やかなサウンドスケープに包まれるなど、音響によってリラックス体験が完全なものになる。「Wanderlust」と「Vibe」モーメントのためにもそれぞれの音楽が用意されており、室内でも野外でも再生することができる。

Analogue Love, Digital Connection

 MINIのモーメントの今ひとつの特徴は、統合的デジタル技術でアナログ的な体験を強化し、あるいは豊かにすることである。「Analogue Love, Digital Connection」のコンセプトが車両全体に現れている。たとえば、いくつかのアナログ面に追加的なデジタル面が組み込まれている。MINIトークンを置いてMINIモーメントを開始できるテーブル、OLEDディスプレイ付きランプ、室内の布の下またはフロントとリヤのLEDマトリックスなど、いずれもアナログ世界とデジタル世界を融合させて新しい没入型体験をもたらすものだ。BMWグループのモデル製作によって、これらすべてが現実の車両モデルで体験できることになった。

BMW グループの総合的なモデル製作能力

MINI Vision Urbanaut in modelmaking

 MINI Vision Urbanautは革新的な空間コンセプトとして、文字どおり内から外へ向かって作り上げられた。エクステリアの開発以前からデザイナーは平面図、家具、寸法の参考のための木製模型などを用いて広い室内空間を構想していた。プロジェクトの過程で拡張現実によるデジタルモデルが作成され、系統的に最適化が進められた。MINI Vision Urbanautの物理的モデルはミュンヘンのMINIデザインスタジオで完成された。ここではバーチャルなビジョンを物理的実体に転化するためBMWグループの総力を結集している。

 すなわちビジョンに具体的な形を与え、プロトタイプとして通用する品質を持たせるために、デザイナーと共に内装、モデル製作、メカトロニクス、プログラミング、塗装などの専門技術者が協働している。こうしてMINI Vision Urbanautは静的なモデルではなく、走行し操作できるモデルとなっている。各コンポーネントは新たに設計され、最新の工作機械を用いて精密に製作され、手作業で組付けられている。MINI Vision Urbanautが高度な職人的技術の表れであることは、現代的な住宅を思わせるインテリア・デザインだけでなく、従来の車両製造から家具製造、プログラミング、スマート技術の統合までを含めたモデル製作そのものが示している。

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グーネットマガジン編集部

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