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更新日:2023.11.02 / 掲載日:2023.11.02

電脳SUV・トヨタ「FT-3e」降臨!

Japan Mobility Show 2023 注目出展モデルガイド

新しい名称になって初開催となるジャパンモビリティショー2023。例年通り、各メーカーの最新モデルや技術がお披露目されるが、その中でも特に躍進が目立つのが電動車たちだ。各メーカーからBEVやPHEVが多数展示される。ここでは注目すべきモデルの情報を、いち早くお届けしよう。

●文:横田 晃/月刊自家用車編集部

TOYOTA FT-3e 《World Premiere》

主要諸元 全長:4860㎜ 全幅:1955㎜ 全高:1595㎜ ホイールベース:3000㎜ 乗車定員:5名 タイヤ:255/45R22(F) 285/40R22(R)

未来的なシルエットに最新電脳技術をプラス

ボディ各所に配置される
電動&電脳技術に注目

 トヨタが出展するバッテリーEVコンセプトカーのもう一台は、世界的な売れ筋商品カテゴリーであるSUVのFT-3e。そもそも今日の世界的なオンロードSUVの人気は、トヨタ自身が1994年に生み出したRAV4が起源だ。
 SUVとはフレーム付きの頑丈なクルマというそれまでの常識を覆し、乗用車のプラットフォームを使って誕生したモノコックボディのRAV4と同様に、FT-3eはスポーツカーのFT-Seと主要コンポーネンツを可能な限り共有しながら、明確な個性を作り分けている。
 それができるのも、同じハードウェアを使っていても、制御プログラム次第で乗り味を自在にセッティングすることができるEVならではの特徴だろう。
 路面への動力の伝え方ひとつでも、高速域でコーナリング中にテールを振り出さず、かつ最大限にパワーを伝えるアクセルワークを求められるスポーツカーと、極低速で大きな障害物をホイールスピンさせずに乗り越える、絶妙なパワーコントロールが必要なSUVでは、制御の仕方はまったく違う。
 エンジン車ではそのために専用のハードウェアから開発していく必要があるが、電動車両なら、起動時に最大トルクを発揮し、入力に対する出力の特性が完全にリニアなモーターの特性を活かしてプログラムを書き分けるだけで、まったく同じメカニズムが別物の性能を発揮するのだ。
 もちろん、SUVのFT-3eも乗り方や積極的なセッティングで、ユーザーの使い方に合う相棒へと進化していく。良く検索する言葉や場所によってスマホに表示されるメニューが変わっていくのと同じように、このクルマもオーナー次第で変わるのだ。
 変わるのは走りだけではない。FT-3eにはサイドボディの下部からドア上部に沿ってデジタルサイネージが配置されており、ドライバーがクルマに近づくと、バッテリー残量や車内温度、車内の空気の質などを表示する。そこに表示されるメニューも、使い込むうちにオーナーのライフスタイルに合わせて変化していくはずだ。
 もちろん、乗車後にインパネに表示されるメニューやナビに表示されるお勧めスポットなども同様。使い込むうちに、オーナーがクルマに人臭さを感じるようになる、というのはエンジン車でよく言われたことだが、EVでもそんな感覚が味わえるだろう。
 クルマはただの移動の道具ではなく、一人ひとりの価値観に寄り添う生活のパートナーになっていく。それがトヨタのメッセージだ。

ドアヒンジ付近には、縦型のデジタルサイネージ、ドアパネル下にはインジケーターを配置。充電量が数値、もしくはバーグラフで表示されるほか、室内の温度や空気の品質を確認することが可能。
BピラーとCピラー付近には、カメラユニットを配置。車両に近づく人物を判別してドアロックを解除する機能が備わる。こんなところでも、電脳技術の進化ぶりを実感できる。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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