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掲載日:2022.12.01 / 更新日:2022.12.14
ホンダ 次世代の安全運転支援技術発表 ホンダセンシング360/エリート


ホンダは12月1日、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)」および、ホンダセンシングのフラッグシップである「Honda SENSING Elite(エリート)」の次世代技術を公開した。
今回発表した技術は、「ホンダセンシング360」ではドライバー異常や周辺環境を検知し事故を未然に防ぐことで、ドライバー運転負荷をさらに軽減する新機能を提供するもので、2024年以降に従来の同システムに追加し、順次グローバルでの適用開始予定。
また、「ホンダセンシングエリート」では、ホンダ独自のAI技術を活用した認知・理解技術により、従来の高速道路に加え一般道路も含めた自宅から目的地までシームレスな移動を支援する機能を新開発している。
2050年の交通事故死者ゼロへ向けて 段階的に次世代技術の適用範囲拡大を目指す

ホンダでは「Safety for Everyone」をスローガンに掲げ、道を使う誰もが事故に遭わない社会の実現を目指してハード・ソフトの両面で安全技術の研究開発を推進。2022年9月現在、量産車で展開している安全運転支援システム「ホンダセンシング」は、日米で99%、グローバルで86%の新車に搭載され、累計販売台数は1,400万台に上るという。
2021年には、自動運転レベル3に適合する「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」を搭載したホンダセンシングエリートを発売。
翌年の2022年には、この技術の研究開発で培った知見を活かし、車両周辺の死角をカバーして交通事故の回避やドライバーの運転負荷軽減をサポートする全方位安全運転支援システム「ホンダセンシング360」をリリース、中国から展開をスタートしている。
ホンダでは2030年までに、グローバルにおける二輪検知機能付ホンダセンシングの四輪車全機種への適用するとともに、先進国にてホンダセンシング360を四輪車全機種に適用することを目指し、全世界でホンダの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減の実現を目指すという。
さらに、2050年に全世界でホンダの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロの実現を目指すとしている。
【ホンダセンシング360】ドライバーの異常や周辺環境を的確に検知して運転負荷の軽減図る

ホンダセンシング360では、現在搭載している事故回避支援技術に加えて、ドライバーの異常や周辺環境を的確に検知して事故のリスクを減らし、ドライバーの運転負荷を軽減する技術を追加。これによって健康起因やヒューマンエラーで発生する事故の削減を図るという。
ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能



システムがアクセル・ブレーキ・ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を放しても、車速や車線内の走行を維持できるよう支援、ドライバーの運転負荷を図る機能。
先行車がいない場合は設定された車速を保ちながら車線中央に沿うように走行し、先行車がいる場合は適切な車間距離を保ちながら追従を支援。カーブでは曲率を前もって読み取り、曲率に応じた減速でスムーズなコーナリングを支援する。
ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能



ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能で走行中に使える機能で、ONにすると一定の条件下でシステムが状況を判断し、自ら車線変更や追い越しなどの操作を支援。
車速の遅い先行車を検知した場合には、ドライバーに告知したうえで、追い越しや車線復帰などを支援する。
ドライバー異常時対応システム




システムからの操作要求に対してドライバーの反応が無い場合、同一車線で減速・停車を支援する機能。
ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合、警告音を強めてドライバーに操作要求に応じるよう促す。それでもドライバーが操作要求に応じなかった場合、ドライバーや同乗者、他の道路ユーザーを車両衝突による危険から遠ざけるため、ハザードランプとホーンで周辺車両への注意喚起を行いながら減速・停車を支援する。
降車時車両接近警報



駐停車中、後側方に接近する車両を検知すると、フロントピラーもしくはサイドミラー上のインジケーターを点灯させて認知を支援。
乗員が降車のために開けたドアが、自車側方を通過する車両と衝突するおそれがある場合には、インジケーターを点滅させると同時に警報音で注意を喚起し、ドアを開けることを留まるよう促す。
ドライバーの状態と前方リスクを検知 回避支援を行う技術


1.注意喚起、衝突注意警報
ドライバーの状態を検知して注意力低下時や漫然運転時に、歩行者、自転車、停車中のクルマや前走車などに衝突の可能性がある場合、減速し、未然に注意喚起するとともに、車線をはみ出さないようにステアリング操作支援を行う。
2.車線内回避支援技術
歩行者、自転車、停車中のクルマなどに衝突する恐れがあり、同じ車線内に十分な回避スペースがあるとシステムが判断した場合、車線内で減速し続けながら衝突回避を支援。
3.緊急回避操舵支援技術
歩行者、自転車、停車中のクルマなどに衝突する恐れがある状況で、ドライバーによるステアリング操作があった場合、減速し続けながらステアリング操作を支援する。
【ホンダセンシングエリート】独自のAI技術で一般道路のような複雑な環境への対応を可能に

ホンダセンシングエリートでは独自のAI技術を用い、複雑なシーンの認識や一般道路のような複雑な環境への対応を可能とすることで、一般道路も含めた安全・安心でシームレスな移動を支援する技術の開発を推進。
特に、幹線道路での渋滞時のハンズオフ機能など一般道路での運転支援、高速道路のジャンクションなどでの合流・分岐シーンのハンズオフ機能対応、自宅での入庫・出庫時の自動駐車支援などの開発が進められており、2020年代半ばから順次適用を開始する予定としている。