車種別・最新情報
更新日:2022.05.18 / 掲載日:2022.05.05

マツダ・CX-60日本仕様公開!

初代CX-5の登場から10年が経過した今年、マツダSUVは新たなステージに突入する。昨年6月に発表された「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」で公開されたラージ商品群技術を搭載した新型SUVのCX-60がいよいよ登場する。4月7日はその日本仕様が公開され、今年初秋の販売開始もアナウンス。欧州向けプロトタイプの試乗も合わせてその詳細をお届けしよう。
※写真は欧州仕様を含む

●文:山本シンヤ ●写真:マツダ(株)

遂に日本仕様公開! マツダの未来がここに!!

主要メカニズムをすべて刷新
縦置きFRレイアウトを採用

 グローバルでCX-5の販売が好調だが、その上のセグメントをカバーする商品がなくビジネスチャンスを逃していたマツダ。そんな経緯から生まれたのがラージ商品群である。その第一弾となるのがCX-60だが、欧州での世界初公開に続いて、日本でも正式発表。発売は今秋を予定している。このほど詳細が公開されたので紹介していこう。
 開発コンセプトは「ドライビングエンターテイメントSUV」。つまり、マツダが目指す「走る喜び/操る楽しさ」を、より高いレベルに引き上げた一台と言える。
 エクステリアはマツダの魂動デザインを踏襲するが、新たなフェイズに進化。FRレイアウトを活かしたショートオーバーハング、フロントアクスルto Aピラーのバランス、ロングホイールベースなどにより、伸びやかさが更に強まったように感じる。かなり大柄に見えるが、全長4740×全幅1890×全高1685㎜、ホイールベース2870㎜と、サイズ的にはマツダ車で言うとCX-5以上CX-8以下、ライバルで言えば全幅以外はハリアーが近い。
 インテリアの基本レイアウトは他のマツダ車と共通で横基調のシンプルなレイアウトを踏襲するが、より高品質、よりスマートなデザインに仕上がっている。もちろん、フル液晶メーターやエアコン操作系、MX-30から採用の新シフトレバーなど先進性も高められている。ちなみにインテリアコーディネートにもこだわり、日本を表現した「プレミアムモダン」、大胆なラグジュアリーを表現した「プレミアムスポーツ」を設定する。
 自然で正しい運転姿勢へのこだわりは不変だが、新たに体格に合わせて最適なドライビングポジションを提供する「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」も設定される。
 ラージ商品群は縦置きFRレイアウトを採用するために、主要のメカニズムは全て刷新されている。
 日本向けのパワートレーンは4種類。ガソリンは2.5ℓ-NA(188PS/25・0㎏・m)、ディーゼルは直列6気筒3.3ℓターボ(231PS/51・0㎏・m)を設定。もちろん電動化モデルも用意されており、ディーゼル車には48Vマイルドハイブリッド(254PS/56・0㎏・m)、ガソリンにはマツダ初となるPHEV(323PS/51・0㎏・m)を設定。特にPHEVのシステム出力は歴代マツダ車最強のパフォーマンスを誇る。トランスミッションは全て8速ATだが、ダイレクト感とリズミカルな走りのために動力伝達はトルクコンバーターではなくクラッチ機構が採用される。
 プラットフォームは新規開発となる「縦置きレイアウト+後輪駆動ベースAWD」を採用。一から開発するメリットを活かした最適設計が行なわれており、慣性質量配分(重量物をセンターに集約/曲がりやすさ)、エネルギーコントロールボディ(剛性の連続性/力の伝達/減衰構造など)、サスペンションの最適設計(作動軸を揃える/バウンス挙動/KPC効果を最大限発揮できるジオメトリー)などが盛り込まれる。
 この辺りはマツダが目指す「人間中心の走り」をピュアに実現させるべく、飛び道具に頼るのではなく基本に忠実な”オーガニック“なボディ/シャシーに仕上げた上で、ロードスターで採用されたKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)、進化版i-ACTIV AWDなどの制御デバイスが組み合わされる。CX-5で採用のMIドライブは、PHEV車では5モードへと拡大。走行シーンに応じた最適制御が可能となっている。
 安全系デバイスも抜かりなしで、ドライバーモニタリングと連動してドライバー異常を検知する「DEA(ドライバー異常時対応システム)」を採用。これは先日公開されたプロパイロット・コンセプトの市販版となる。
 このように全てが新しくなったCX-60。多くの人が気になるのは価格だろう。風のウワサではガソリン車は300万円から、ディーゼル車は320万円からと言われている。つまり、現在発売中のCX-5と価格がラップしており、想像よりもリーズナブルな設定のようだ。

CX-60に搭載されるラージ商品群技術は、今後ワールドワイドで販売されるSUVに順次採用される。日本・欧州向けとして3列シートのCX-80。北米向けに2列シートのCX-70。同じく北米向け3列シートのCX-90の登場がアナウンスされている。
CX-5やCX-8では狙えなかったプレミアムクラスに打って出るCX-60。アウディQ3/Q5やBMW X3/X4、メルセデス・ベンツGLC/GLEなどがライバルとなる。現時点ではPHEVやマイルドハイブリッドをラインナップしつつ、2025年にEV専用車の投入を目指し、着実に階段を上る。
FRレイアウトらしいロングノーズのサイドビュー。あたかも生き物が疾走するような造形を創造することを目指してデザインされたという。写真のボディカラーは第三の匠塗カラーである「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」。
現在公表されているホイールサイズは235/50R20のみ。ホイールデザインもいくつかあり、写真のアルミホイールは、シルバーとブラック塗装を組み合わせた10本スポーク。
左右フェンダー部にエアアウトレット形状のアクセントを装着。e-SKYACTIV PHEV搭載車には「PHEV」のロゴが入る。
e-SKYACTIV PHEVはAC充電が行える。コネクターは車両の右側にあり、欧州仕様プロトタイプのスペックで0%−満充電で2時間20分。20%−80%で1時間30分の充電時間。EV走行航続距離は61〜63㎞とアナウンスされている。
幅950㎜×長さ1021㎜のパノラマサンルーフを採用。後方乗員の視界範囲まで視界・明かり範囲を拡大。また加飾照明として前後ドアトリムにアンビエントライトを採用している。
センターディスプレイに12インチの大型ディスプレイを設定。メーターもフル液晶の12.3インチTFTとなり、視認性はいっそう向上している。
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ