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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2019.01.06

新車情報超先取り!MAZDAアクセラ新旧比較

LAショーで公開された、新型Mazda3。日本においてはおそらく今まで通り、アクセラの名で販売されるはず。ここでは現行型と、超先取り比較!その進化・深化点とは。
●文:山本シンヤ ●写真:マツダ/奥隅圭之(現行型)

ハッチバックとセダンどちらも「本命」モデル

次世代マツダ「第7世代」のトップバッターとして登場したマツダ3。4代目となる新型もハッチバック/セダンの二本立てある。パッと見た印象からキープコンセプトに見えるが、実はかなり攻めたデザインを採用している。

現行モデルもデザインにはこだわっていたが、新型はそれ以上だ。

ハッチバックはFRを思わせる長いノーズ、クーペのような小さなキャビンと角度が寝かされたリヤゲートなど、エモーショナルで凝縮感のあるプロポーションでスペシャリティ感満点。個人的には4代目ファミリア(FR最終のモデル)のプロポーションバランスとランティスの造形を思い出した。

逆にセダンの歴代モデルではCピラー以降の長さが短めかつハイデッキ処理で、セダンというよりリフトバック的な印象が強かった。新型は「ザ・セダン」と言いたくなる3BOXらしいフォーマルかつ伸びやかなプロポーションだ。

ちなみにボディサイズはハッチバックが全長4459×全幅1797×全高1440mm、セダンは全長4662×全幅1797×全高1445mm、ホイールベースは2725mmとセダンの全長(+82mm)とホイールベース(+25mm)以外は現行モデルと大差はない。

チーフデザイナーの土田康剛さんは「クロスオーバー人気の中、ハッチバック/セダン市場は縮小傾向ですが、デザインでその魅力を取り戻したいと考えました。『ハッチバックはハッチバックらしく』、『セダンはセダンらしく』を愚直に表現しました」と語る。

ちなみにハッチバックとセダン、エクステリアで共通しているのはボンネット/シグネチャーウイング/ヘッドライト/フロントガラスのみで、他はほぼ専用設計と言っていいだろう。ちなみにランティスもハッチバック/セダンで別デザインを採用……やはり時代は繰り返すのである(笑)。

主査の別府耕太さんは「ハッチバックとセダンのユーザーは異なります。これまでは作り手の都合もありましたが、新型は二通りのユーザーをシッカリと頷かせるようなデザインをチーフデザイナーの土田にお願いしました。つまり、新型はハッチバックもセダン、どちらも本命なのです」と語る。

新型スポーツ

  • ハッチバックは「色気のある塊」がデザインコンセプト。

  • 人間の特性に基づきピラーの細さや形状を最適化。

  • 死角が広がらないピラー妨害角を実現したという。

新型セダン

  • 一方のセダンは成熟した、大人のセダンを表現しており「凜とした伸びやかさ」がコンセプト。

  • 3BOXの伝統的セダンの様式に則りつつ、マツダらしい美しさを追求した。

現行型セダン

現行型スポーツ

新型と比較すると、現行型ハッチバック(スポーツ)とセダンのデザインはよく似ている。新型は大部分のパーツをそれぞれの専用品とすることで、デザインを差別化。

インテリアのシンプルかつ上質な仕上がりに驚いた

エクステリア以上に驚いたのはインテリア。現行も機能的だったが、新型はよりシンプルかつ高品質。インパネ周りは大幅改良されたアテンザと共通イメージで、全てがドライバー中心の左右対称レイアウト。無駄な要素は極力排除、より運転に集中できる空間に。

デザイナーの土田耕剛さんは「現行はドライビングポジションの適正化はできましたが、残念ながら空間は歪んでいたという反省がありました。インテリアは極端に言えばリビングであり、まず意心地がよくないとダメ。そこでチームには『デザインをするな』と(笑)。マツダが目指す人間中心とは『人とクルマがいかに一体になれるか』ですが、違和感を無くし自然に見せるためにデザインも整え、その上でスタイリングを行ないました」と語る。現行は「プロポーションはいいけどディテールは……」と思う部分もあったが、今回はスイッチ類やコマンダー、更にステアリングも刷新と抜かりなし。ステアリングはデザインだけでなく断面形状もこだわりで、目をつぶって握っても「これはマツダ」と分かるような形状に仕上げたそう。その結果、デザインの精緻さ、質感も含めて上級のアテンザを超える最良の仕上がりと言っていいだろう。

ボディサイズは現行から大きな変化はないが、居住性に関してはどうか? セダンは全長が伸びたことでトランクスペースが拡大されているはずだが、室内スペースに関しては数値的な差はないと思う。ただ、ハッチバックはガラスエリアがかなり狭く太いCピラーも相まって閉塞感は強いかも 後方視界は、直接視界でも要件を満たすようにmm単位で調整しBSM/360度モニターなどの支援デバイスのサポートでカバー。

このように、八方美人ではなく「マツダとして何が重要か?」という割り切りの良さも、最新のマツダらしさの一つだと思う。

新型

「引き算の美学」のもと、エアコンなどを目立たせずすっきりしたインパネに。カラーはブラック、バーガンディ(ハッチバック専用)、ホワイトの内装が確認できた。

シフト位置を変更、ステアリングのテレスコピック量を前後10mmずつ拡大。フロントシートのチルト調節機構を標準装備するなどポジションへのこだわりも進化。

現行型

マツダらしくデザイン性・質感の高いインテリアだが、新型と比べるとごちゃっとしていて、当然ではあるが古さを感じてしまう。

リヤサスはスペックダウンだが走りはレベルアップ

新型のパワートレーンは豊富にラインナップ。ガソリンの「スカイアクティブG」は1.5/2.0/2.5Lの3タイプ、ディーゼルのスカイアクティブDは1.8Lターボ、そして注目の圧縮着火エンジン「スカイアクティブX」は2.0Lで小型&効率的なハイブリッドシステム「M Hybrid」を組み合わせるという。

日本仕様はどのようなラインナップになるかを主査の別府耕太さんに聞いてみると、「現時点ではお答えすることはできませんが、現行モデルから大きく崩すことはないと思います」と。ちなみに現行はガソリンが1.5L、ディーゼルは1.5/2.2L、ハイブリッドというラインナップを考えると……答えは自ずと分かる

シャシーは次世代車両構造技術「スカイアクティブ・ビークルアーキテクチャ」を全面採用。気になるのは、リヤサスペンションが現行のマルチリンクからトーションビームに変更されている点。形式的にはスペックダウンだが、その心配はいらない。実は筆者はスカイアクティブ・ビークルアーキテクチャの試験車に試乗済みだが、落ち着きがあるのにキビキビ曲がる、しなやかなのにシッカリしている乗り味を実現しており、試乗後に下回りを覗くまでトーションビーム式だと思わなかったほど。

主査の別府耕太さんは「新型は全域で動きが滑らかな走り」と自信を持って語るが、かなりのレベルアップを期待していいと思う。

新型

日本市場導入がどれかは分からないが、SKYACTIV-Gの1.5・2.0・2.5、Dの1.8、そしてXをラインナップする。骨格はこれまでの上下左右方向に加えて、前後方向にも連続させた多方向の環状構造。

  • SKYACTIV-G 2.5

  • SKYACTIV-X

現行型

途中でSKYACTIV-G 2.0を廃止、Dの1.5を追加した。ハイブリッドはセダンのみに設定し、トヨタのTHS-IIを搭載している。

【まとめ】進化・深化の度合いは

上級モデル、輸入車からの乗り換えもお勧めできる1台

 「魂動デザインの深化」、そして「更なる人間中心の思想」という意味では、新型はキープコンセプトと言えるかもしれないが、スカイアクティブXとスカイアクティブ・ビークルアーキテクチャという新たな武器を投入したという意味では「革新」と言っていいかもしれない。これまでのマツダは「志はあるが中身が追いついていない」と思っていたが、試験車に乗った印象を踏まえると、新型マツダ3は中身も追いついているはず。現行モデルユーザーはもちろん、他社(特に輸入車)の上級モデルからのダウンサイザーにも自信を持ってお勧めできる一台だ。

提供元:月刊自家用車

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