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更新日:2018.11.26 / 掲載日:2018.05.13
【2018年5月】ボーナス商戦直前 ホンダフリード購入直前購入ガイド

「7days Wonderful Mobility」をコンセプトに2016年9月にデビューした2代目フリード。3列シート車は従来通り、2列目キャプテンシートの6人乗りと2列目ベンチシートの7人乗りをラインアップ。本モデルから、先代まで設定されていたフリードスパイク(フリードFLEX)の位置づけにあった2列シート車がフリード+に名称変更している。2017年12月には、ホンダのコンプリートカーブランド「Modulo X」のシリーズ第4弾となる【フリードModulo X】の販売を開始している。今回はそのラインナップもおさらいしつつ、2018年夏のボーナス商戦を控えた最新の値引き攻略法を伝授しよう!
ボディサイズは小さくとも「ミニバンらしさ」でいっぱい

ほんの少し前まで1BOX型ミニバンは、3世代が同居する大家族や、道具を収納する必要があるスポーツ愛好家など、ごく限られたユーザーのためのクルマだった。だが、最近は見晴らしのよい運転感覚やユーティリティの高さを求めて、あえてこのクラスを選ぶユーザーが増えているようだ。
フリードは、多人数乗車や積載性などの実用的なメリットを、コンパクトカーサイズに凝縮している。多用途性と経済性の両立が最大のセールスポイントで、わかりやすく言えば、1BOX型ミニバンのミニマムモデルなのである。この基本コンセプトは前身のモビリオから数えて3世代目となる新型フリードにも継承されている。しかし、与えられたキャラクターは歴代ごとに異なり、いかにもファミリーカー的なモビリオとは違って、フリードはスタイリッシュなエクステリア。もっとも、3/4代目オデッセイほどの脱ミニバン的な低全高フォルムではなく、キャビン&ラゲッジの実用性も考慮したパッケージが採用されているのだ。新型フリードは、「脱ミニバン」からの脱却を図ったと考えてもいい。ただしモビリオに先祖返りしたわけではなく、今の嗜好に応じたミニバンに仕上げられている。
エクステリアもインテリアも洗練されて、今風にリファイン

フリードハイブリッド
ボディサイズは先代とほぼ共通だが、見た目の雰囲気がかなり異なって思えるのは、ウインドウとボンネットまわりのデザインの効果だ。全高と全長の比率はステップワゴンとほぼ同じ。全長に対するキャビン長も同様で、さらにボンネットラインも似ている。グラスエリアも大きく取られるなど、ステップワゴンと同じくファミリー&レジャーを意識した親しみある外観が採用されている。

フリードハイブリッド
フリードハイブリッド

メーターやシフト&操作スイッチ、モニターインパネなどの基本レイアウトは先代から踏襲されるが、デザインの志向はステップワゴンと同様に洗練されたものに生まれ変わった。全体的にコンパクトにまとめられているため、メーターやモニターが相対的に大きく見え、扱いやすそうな雰囲気を醸し出している。運転席前面のアッパーボックスや助手席トレイなどの小物収納も充実。2/3列席まわりの収納はシンプルだが、ミニバン系では標準的だ。
コンパクトなキャビンを心地良く快適に使うには、シートの設計も重要。座り心地を犠牲にして寸法を稼いでしまっては本末転倒だが、フリードのシートは比較的クッションの厚みを感じさせる設計。フロントと2列目シートは、クッションの沈み込みを上手に活かして、太ももや腰まわりを包み込んでくれる。3列目シートは薄いクッションながらも底突き感は少なめ。全体的にはオーソドックスな形状で、シート表皮も落ち着いたデザイン。横Gを受けた時のサポート感は今ひとつだが、大人っぽい雰囲気を漂わせるインテリアであり、これもコンパクトなキャビンで、長時間走行の快適性を高める配慮とも言えよう。
シートタイプは従来と同様に2列目がキャプテンシートの6名仕様とベンチシートの7名仕様を用意。3列目シートの格納は左右への、跳ね上げ格納式。2列目シートは、ベンチはタンブル、キャプテンは前方スライドとなる。3列目シートを使用する時はラゲッジにスペースはほとんどないが、格納すればラゲッジ容量はトップレベル。床面の高さも低く、リヤゲート開口部の高さも低いため、積み降ろしが楽ということも見逃せない。
また、先代ではフリードスパイクとして展開していた2列シート仕様は、車名を「フリード+」と改め、ユーティリティボードによる積載性や車中泊への対応性の向上が図られ、そのキャラクターの違いをより明確にアピールするようになった。レジャーや趣味で荷物を積む機会が多いというユーザーならば、フリード+の多用途性は頼もしい。かなり魅力的に思えるはずだ。
フリード(6人乗り)
フリード+
ハイブリッド車とガソリン車を設定。共にエンジンは1.5L直4DOHCを搭載

1.5Lハイブリッド
走行性能は、モビリオからストロークでいなす柔らかなフットワークを継承しているが、ロールなどの揺れの収まりや操舵感覚、前後輪グリップバランスの安定は先代よりも明らかに向上。ハンドリングも乗り心地も1ランク上の安心感を実現している。
さらにパワートレーンは現行型フィットから採用されている新世代ユニットが導入されており、ハイブリッド車とガソリン車を設定。共にエンジンは1.5L直4DOHCを搭載する。トランスミッションはハイブリッド車がスポーツハイブリッドi-DCD、ガソリン車はCVTとなる。ハイブリッド車、ガソリン車ともに動力性能も向上。巡航時や緩加速時の余力感も新型の見所のひとつだ。また、ハイブリッド車はEV 走行も可能になっている。

1.5Lガソリン
操舵に対し忠実かつ滑らかにクルマが動くようになり、一体感が増した【フリードModulo X】

フリードModulo X
ホンダの純正OPとしてラインナップされるModuloの機能/デザイン/品質などのこだわりをトータルパッケージでまとめたコンプリートモデルが「Modulo X」、その第4弾となるが「フリード」である。開発コンセプトは「ミニバンのグランドツアラー」。
エクステリアはフロント周りを専用デザインにすることで、ノーマルの柔らかなデザインに対して、キリっと精悍な印象となり存在感もアップ。エアロパーツ類は単なるドレスアップではなく、モデューロお得意の“実効空力理論”に基づいて開発された機能部品だ。
インテリアはブラック&モカのコーディネイトを採用。専用のコンビシート、ステアリング/シフトノブやピアノブラック調パネルなどにより、落ち着きある空間に仕立てられている。
フットワーク系は専用サスペンション(車高変化はなし)に剛性バランスを考慮した専用15インチアルミホイールの組み合わせ。Moduloの提唱する「しなやかで接地性が高い」、「4輪で舵を切るような感覚」をキーワードに、走る道や天候、ドライバーのスキル、そして全ての乗員が快適に過ごせるために、空力性能とセットでセットアップされた物だ。
ちなみにパワートレーンはノーマルから変更ないものの、ガソリン/ハイブリッド、6人乗り/7人乗りと幅広い選択肢を用意しているのがポイントでもある。
操舵に対し忠実かつ滑らかにクルマが動くようになり、一体感が増しているのは、サスペンションと空力アイテム変更で前後バランスが最適化され、荷重が上手に分散され4つのタイヤを上手に使えるようになった結果だろう。ロールはそれなりにするが、無駄な動きが抑えられているのとロールスピードがシッカリコントロールされているため、背の高さから来るグラッと傾くような不安感はない。
いわゆるスポーツ系ミニバンのような過剰な演出とは違い、当たり前の事が当たり前にできると言った印象。つまり「本当はこうしたかったはず」と言う“理想のノーマル”に仕上がっているのだ。これは交差点一つ曲がるだけで体感できるレベルで、誰でも「運転が上手くなったみたい」と感じると思う。
ただ、欲を言えば、速度を上げるとフラット感が高いが、タウンスピードではやや硬さが残るので、クルマを無理に止めずにもう少し柔らかく動きを残してもいいと思った。とはいえ、最小限の変更で最大限の効果を生んでいるのは間違いない。価格はノーマルに対して高めだが、「ちょうどいい」ではなく「もっといい」一台だ。
フリードModulo X
フリードModulo X
フリードのラインアップをチェック パワートレーンは1.5Lのハイブリッドとガソリン。3列シートと2列シートのフリード+を用意!

フリード
パワートレーンは、1.5Lのガソリンエンジンを基本にハイブリッドをラインナップ。トランスミッションはガソリンエンジンがCVT。ハイブリッドは高出力モーターを内蔵した7速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせたSPORT HYBRID i-DCD。駆動方式は2WDがFF。4WDはガソリンエンジンのほか、ハイブリッドにも設定。1列目シート下に配置したIPUを4WD車へ最適化することで、室内空間を確保しながら4WDを実現している。システムは、各種センサーで路面や走行状態を検知し、状況に応じて瞬時に4WD走行に切り替える電子制御式を採用している。
3列シートのフリードは前述の通り、2列目キャプテンシートの6人乗りと2列目ベンチシートの7人乗りを設定。4WD車は6人乗りのみの設定になる。2列シート車のフリード+は、ガソリンエンジンとハイブリッドともに3グレード校正。4WD車はガソリンエンジンが2グレード。ハイブリッドは1グレード用意している。
スポーツモデルのフリードModulo Xは、ガソリンエンジン/ハイブリッドともにFFのみ設定。安全装備のHonda SENSINGは、GグレードとフリードModulo X。その他のグレードはBグレードを除き、メーカーオプションで装着が可能だ。

フリード+

フリードModulo X

値引き攻略法! 一番有効な攻略法は【フリードはフリードをもって制す】 現状では車両本体と付属品の値引き合計が22~23万円になったら合格!

思ったより値引き販売に対するガードが堅く、販売店は強気な売り方をしてくる。このあたりについて、ホンダのセールスマンを取材すると「他社に直接ぶつかるライバル車がない。実際“フリードしか購入を考えていない”という客が多く、売り込み競争に巻き込まれるケースはさほど多くない。こうした状況を会社もよくわかっていて『安売りするな』との指示が出ている」とのコメントが返ってきた。“コンパクトなミニバン”というキャラクターこそ、トヨタのシエンタと被るが「車格と価格に差がある。1クラスとはいわないが、シエンタはフリードより“半クラス”下のクルマだ。競合した場合は客に“違い”をやんわり説明して『値段で比較されても…』的な雰囲気でかわす」とのこと。ただし、シエンタはやり方しだいでは攻略の武器になる。商談の際、シエンタの見積もりを元に「トヨタは価格設定が安く、値引きも緩いので、追い金(支払い総額)はここまで安くなった。同じに数字にしろとはいわないが、もう少し近づけてくれないと、妻を説得できない」などと攻めると効果的だ。また、シエンタは近々、一部改良が予定されているので「トヨタは新型になる。しかも、値引きも頑張ってくれそうだ」などとやるのもいい。
もっとも、一番有効な攻略法は【フリードはフリードをもって制す】 だ。ホンダには原則として各都道府県単位に経営資本の異なる複数のディーラーが存在する。したがって「フリード同士の争いにもち込む」ことが可能だ。ただし、最初の商談からいきなりこの手で攻めると、セールスマンに警戒されて値引き交渉がやりにくくなることもあるので要注意。実際、経営の違うホンダ同士の競合がわかると「他店の条件が出揃ったところで提示します」とか「他店をまわったあとで、もういちど来てください」などと“後出しジャンケン”にもち込もうとするケースが目立つ。そこで、当初はシエンタとの競合で攻めて、商談が煮詰まった時点で同士討ちを明かして一気に攻めるというやり方をお勧めする。
値引きの基本は車両本体から7~8万円というディーラーが多いが、実際の商談では付属品の値引きを含めて12~13万円引きで様子を窺ってくるだろう。もちろんさらに上乗せは可能。現状では車両本体と付属品の値引き合計が22~23万円になったら合格と考えていい。25万円を超えたら文句なしの特上。30万円を超えたらウルトラCクラスだ。
提供元:月刊自家用車