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更新日:2026.05.22 / 掲載日:2026.05.22
SUVの王道を突き進む! マツダが語る新型CX-5が目指したもの

文と写真●内田俊一
マツダは基幹車種のCX-5をフルモデルチェンジした。価格は330万円から。
マツダ新車販売の1/4がCX-5

CX-5はマツダを代表するSUVであり、2012年の登場以来、世界中で500万台を超える生産・販売を記録。現在マツダは全世界130の国と地域で販売されており、中でもアメリカに次いで日本は重要な市場と位置付け、販売台数の約4分の1がCX-5を占めている。「まさにマツダの走る歓びを届けてきたブランドの中核モデル」とそのポジションを説明するのは、マツダ代表取締役社長兼CEOの毛籠勝弘氏だ。

今回のモデルチェンジにあたり追求したのは、「お客様の“したい”という思いに向き合うこと。それは安心、安全、快適性、使い勝手、そして乗るたびに心が動くときめきにまでわたり、そして選ばれる体験とは何かを突き詰めながら、最後まで磨き込んだ」という。さらに、Googleとの連携や、ソフトウェアの進化によって、「これまでにない、より自然で心地よい体験を提供する」と述べ、“~したい”という体験価値を強調。
そして、「クルマの価値がハードウェアだけでなく、体験やソフトウェアによって進化していく時代だからこそ、マツダらしい人中心の価値を追求した」という。また、「様々なお客様のライフスタイルに寄り添い、日常の楽しみを広げてくれる一台になった。日々の移動をより心地よく、豊かな時間にしていきたい。そんな思いを込めて作ったのがCX-5だ。その根底にあるのが“走りたい。を、作りたい”という私たちの思いだ。どこか行きたい、新しいことに挑戦したい、誰かと新しい景色を見てみたい。そんな人の気持ちが前に向く瞬間を、これからもクルマを通じて生み出していきたい」とCX-5に込めた思いを語った。
新世代エモーショナル・デイリーコンフォート
そのマツダCX-5は2012年にデビュー。初代スカイアクティブ技術と魂動デザインをフル採用した初めてのクルマだった。2代目は2017年、より上質に、よりエレガントに進化したクロスオーバーとして多くのお客さまに愛されてきた。そして今回の3代目ではお客様に、「これまで以上に、さらに長く愛される存在というのがミッション」と話すのは、開発主査の山口浩一郎氏だ。

そこで開発方針は、「日々の使い勝手に徹底してこだわり、SUVの王道を極める」とされた。これは、「大切な人との大事な日常の中で、ふとした瞬間のときめきやきらめき、あるいは快適な移動、楽しい時間。これをサポートするのがこのクルマの役目」だと考えたからだ。
開発コンセプトは“新世代エモーショナル・デイリーコンフォート”。エモーショナルは人馬一体や魂動デザインといった人をワクワクさせるような領域。デイリーコンフォートは広い室内や静粛性、乗り心地といった快適性の領域を指し、「美しいデザインにすると室内が狭くなる。ハンドリングを良くすると乗り心地が悪くなるといった相反する要素をブレイクスルーして両立させた上で、先進価値としてヒューマンマシンインターフェースや先進安全技術、コネクティビティといった新しいテクノロジーによる新しい時代の利便性、安全性を重ね合わせた」。これが新型CX-5なのだ。

もう少し細かく聞いてみよう。まずはエモーショナルだ。「軽快で一体感がある人馬一体の進化」(山口氏)とし、パワートレインは2.5リッター24Vマイドルハイブリッドを設定。「自然吸気らしい出足の良さとマイドルハイブリッドのスムーズさを合わせ持ったもの」とのこと。燃費も現行の2リッターガソリンエンジンよりも良い数値を達成。パワーとトルクは178ps、237Nm。因みに駆動は2WDと4WDが選べる。

また、シャシー関連は先代CX-5を踏襲しながらも、ホイールベースとトレッドは拡大。さらにダンパーの、「初期応答性を極限まで高めることによって、バネを弱めに設定し、軽快かつ安心感があり、乗り心地が良いダイナミクス性能を実現した」という。
詳細について山口氏は、「新しいマツダの走りを目指すという志を持って、特にダンパーの初期応答を磨き上げた。ダンパーのバルブと径と内圧をモデルベース開発を使いながら、1万通りぐらいのケースを考え、机上で適正を見ながら最後は人の手で仕上げていった」と説明。

そのうえで山口氏が目指した走りは、「後席も含めて不快な動きをしない乗り心地。先ほどのダンパーの初期応答を良くすれば、ハンドルの切りはじめはダンパーでしっかり感を出し、その上でバネレートを下げることで乗り心地が良くなるという良い循環になる。これを徹底的に見直していった」とコメントした。
NEXT CX-5を目指したデザイン
デザインに関してチーフデザイナーの椿貴紀氏はゴールイメージを、「ずばりNEXT CX-5と定めた」という。
そしていちブランドに成長したクルマの後継として、単なるスタイリングのアップデートではなく、「しっかりとプロダクトとして進化させたい。その思いを“ウェアラブルギア”というデザインコンセプトに込めた」とのこと。「スタイリッシュでありながら身にまとうように気軽に乗れて、ユーザーが何かをしたいと感じたときにその背中をそっと押してくれるような、ユーザーの行動範囲を広げてくれるようなデザインを目指した」と説明する。

スタイリングはCX-5の特徴である、「スポーティーさと機能性を両立したもの」。具体的には、「縦横比率をキープしたままボディを拡大することで、スタイリッシュさはそのままに広い室内空間を実現」。そして、一目でCX-5だと感じさせるモチーフを継承しながら、「歴代で最もリアタイヤへトラクションがかかるイメージのデザインへと進化させた」と述べる。具体的にはフロントタイヤ中央からAピラー、ルーフラインを抜け、Cピラーからリアタイヤへ流れる構成により、しっかりとリアタイヤへ荷重がかかっている印象を強めているのだ。

インテリアは、「マツダらしい走る歓びを感じるコックピットとパッセンジャーがリラックスできる空間の両立を狙った」と椿氏。インストゥルメントパネルからドアトリムへと水平につながる造形により広々とした空間を感じさせている。

また、中央に配された大型のディスプレイは、乗員の体験価値を向上させるとともに、モダンな空間の演出にも寄与。そして、運転するドライバーの周辺視野に水平の要素を配することで、車両の姿勢変化を感じやすくさせている。
体験価値を広げるデイリーコンフォート
さて、デイリーコンフォートはどうか。まずホイールベースを115mm延長した結果、リアドアの開口を70mm後ろに広げることで乗降性が向上するとともに、チャイルドシートの乗せ下ろしも楽になった。同時に頭上空間と膝前のスペースを大幅に拡大。加えてパノラマルーフの採用により、「明るく快適で心地のいい室内空間を実現した」と山口氏。

ボディのサイズアップによる功績はこれだけにとどまらず、荷室の拡大と使い勝手も向上。奥行きは45mm拡大したことでベビーカーを立てて搭載できるようになったほか、後席を倒すと1850mmの長さの空間が出現し、「リアシートのヘッドレストを枕にすると大人2人が寝ることができる」と山口氏。

使用シーンを例に挙げるなら、「パノラマルーフを通して夜空も見ることができ、本格的な車中泊もちろん、例えばしし座流星群を見にお子さんと夜更かしをしに、ちょっと空気のきれいなところに行く。そういったちょっと思いついたことをさっと行動できるようなアフォーダブルな室内空間を実現している」という。

最後は新世代価値で、これは前述の通りヒューマンマシンインターフェース、先進安全技術、コネクティビティの領域にあたる。特に山口氏は、基本安全技術として優れた視界視認、理想的なドライビングポジション、運転に集中できるコックピット設計を挙げ、視界視認に関しては、「高張力鋼板を採用しAピラーを9mm細くして視界を広げた」という。

また新しい体験と安心感を提供する新世代技術として、音声認識とウェブからの情報収集能力の高いGoogle搭載のインフォテイメントシステムを採用。中央の大型画面は最大15.6インチで、周囲の安全を確認できる機能も拡充。360度ビューモニターや床下シースルービューを採用し運転のしやすさなどに貢献している。また、先進安全装備も高速道路での車線変更アシスト機能の活用や、渋滞時のハンズオフアシストなどもマツダとして初採用したことなどでマツダの安全思想“MAZDA PROACTIVE SAFETY”もCX-5で大きく進化したといえる。
様々な開発上での施策などにより、価格上昇を抑えたCX-5。サイズや性能、装備を考えるとお買い得感満載だ。