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更新日:2022.09.14 / 掲載日:2022.09.05

新型日産エクストレイル 最新SUVの内装/外装/新技術をチェック

世界デビューから約2年、ついに国内導入された新型エクストレイル。最新ハイブリッド「e-POWER」と電動4WD技術「e-4ORCE」が搭載されるなど、激戦ミドルSUV市場で覇権を取る可能性も十分にありそう。ライバル車との関係を含め、その全てをお教えしよう。

●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部

NISSAN 新型エクストレイル

●発売日:2022年7月25日 ●価格:319〜449万9000円

X e-4ORCE ■主要諸元 ●全長×全幅×全高(㎜):4660×1840×1720 ●ホイールベース(㎜):2705 ●車両重量(㎏):1850 ●パワーユニット:1497㏄直3気筒DOHCターボ(106kW/250Nm)+ツインモーター(フロント150kw/330Nm、リヤ100kW/195Nm) ●WLTCモード総合燃費:18.4㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)マルチリンク式(R) ●タイヤ:235/55R19

新世代技術の投入で
走りの魅力が大幅に向上

 日産&三菱の協業体制と、日産独自の電動化戦略を柱に開発された新型エクストレイル。前者については外観の基本プロポーションやプラットフォームの共有化などに現れているが、独自パワートレーンのe-POWERを搭載することで、日産ならではの独自性が発揮されている。
 e-POWERはエンジンを発電機として用いて電動駆動を行うシリーズ式ハイブリッド。ただし、既存モデルとは異なり、完全新設計となっている。最大の見所は可変圧縮比機構を採用した1.5ℓの3気筒ターボだ。エンジン振動は一般的な3気筒より滑らかであり、例えるならば6気筒を回転を抑えて使っているような感覚を受ける。エンジン稼働時の静粛性にも優れており、これが走りの車格感向上にも繋がっている。
 駆動方式はFF車と4WD車が用意されるが、FF車はフロントモーター(150kW)のみに対して、4WD車には100kWを発揮するリヤモーターが搭載される。ツインモーター仕様となる4WD車の方が上位設定という位置付けになる。
 また、燃費も新型エクストレイルの長所のひとつ。4WD車のWLTC総合モード燃費は先代ハイブリッド車から大幅に向上し、18.4㎞/ℓを達成。走行性能と燃費のバランスの良さで従来車を大きく上回るだろう。またe-POWER車としては初となる回生協調型の電子制御ブレーキを採用していることもあって、実燃費でもクラス上位になりそうだ。
レジャービークルとしての
資質もクラストップレベル
 4WDシステムには、BEVのアリアから採用したe-4ORCEを展開。コーナリングや加減速、路面うねりなどの走行状況に応じて全輪の駆動力配分を積極的に制御することが特徴だ。ことさらのファントゥドライブ狙いというより、走りの車格感と安心感、自然な御しやすさを重視した特性になることが予想できる。また、雪路走行を筆頭とした悪路対応力もセールスポイントとしていることから、アウトドア趣味で便利に使える踏破性の高さという面でも期待できそうだ。
 新型プラットフォームや新世代e-POWER、e-4ORCEが採用されたことで、走行ハード面の進化に注目されがちだが、その本質はレジャービークルとして高い適性を持つことにある。新型はちょうど良いキャビンサイズに防水防汚仕様にも対応できる懐の深さ、さらに4WD車の1グレードのみの設定になるが、3列シート車も選ぶことができる。
 歴代エクストレイルが継承してきたファミリー&レジャー用途向けの実用的SUVとして高い完成度を持つことも見逃せない魅力だ。
 新型エクストレイルは純内燃機車をラインナップしていないため、従来型に比べると価格は少し高くなったが、S以外のグレードにはプロパイロットが標準装備されるなど、ミドルSUVのハイブリッド車としては納得できる内容を実現。走行性能やキャビン実用性を基準にするなら、コスパは間違いなくトップレベル。ミドルSUV選びの柱とすべき1モデルになるのは間違いないだろう。

新ブランドエンブレムとVモーショングリルが組み合わされたフロントマスクや厚みを感じる外装パーツにより、力強いキャラクターを手に入れている。
タイヤサイズは標準系が235/60R18、上級グレードの235/55R19を採用。いたずらに大径化を図らず、乗り心地と走破性のバランスを意識したチョイス。
1.5ℓターボエンジンは発電専用。最新のe-POWERを搭載することで発電能力が大きく向上し、より幅広い走行状況で力強いモーター駆動を実現できるようになっている。
日産の最新技術を惜しみなく投入

VCターボ e-POWER

圧縮比可変機構と最新のクールドEGRの考え方が組み込まれたVCターボは、幅広いエンジン回転域で最高効率の出力特性を発揮。従来システムよりも効率的な発電を可能とし、高出力モーターの搭載を可能としている。

エクストレイル e-4ORCE

瞬時に分厚いトルクを発生できるモーターと左右ブレーキ制御の利点を活かし、前後4輪の駆動力を自在に制御。コーナリング時の安定性に加えて、走行時のピッチング抑制にも多大な貢献を果たしてくれる。

ことさらに先進感を追求したデザインではないが、メーターのカラーディスプレイ化やワイドモニターディスプレイの採用により、先代に比べるとインフォテイメント機能が大幅に強化されている。
グリップ性に優れる本革巻きステアリングは全グレードに標準装備。メーターは12.3インチカラーディスプレイが装着されている。
コンソールには電制シフトと、スノーモードやオフロードモードを選択できるダイヤル式のドライブモードセレクターが配置される。
グレード別OP設定となるが、通信連携機能付のナビユニットを装着可能。モニターサイズは12・3インチワイドになる。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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