車とお金
更新日:2025.09.08 / 掲載日:2025.09.08
【年収別】車の購入予算は?購入可能車種や予算内で車を見つける方法

車の購入は人生の大きな買い物の一つです。特に家族が増えたり、生活環境が変わったりすると、マイカーの必要性を感じる人もいるでしょう。
しかし、住宅ローンや教育費、将来への貯蓄を考えると、「今の年収で車を買っても大丈夫?」「購入後の維持費で家計が圧迫されない?」といった不安が頭をよぎるのも当然です。
車の購入予算には年収に応じた「適切な目安」があります。また、車を買うときには、購入費用だけでなく、税金や保険、駐車場代などの維持費も必要です。
この記事では、年収300万円から1,000万円超まで、年収別に購入可能な車種を紹介します。
1. 車の購入と年収の基本的な考え方
車を購入する際に重要なのは「無理のない予算設定」です。その一つに年収を基準にするという考え方があります。
(1) 車の購入予算は年収の半分が目安
車の購入を検討する際、その予算は「年収の約5割が目安」とするのが一般的です。例えば、年収400万円の場合、約200万円(車両価格約180万円+諸費用約20万円)が目安です。
これを意識することで、購入後も急な出費に対応できる貯蓄を確保でき、車の維持費を無理なく支払えるようになるでしょう。
ただし、この目安は貯蓄額や家族構成、月々の家計支出などによって変わります。特に都内では駐車場代が高額になるため、購入予算は控えめに設定し、維持費に余裕を持たせることが大切です。
(2) 現金購入か自動車ローン利用か
車を購入する際の支払い方法は、現金で購入するかローンで購入するかの主に2つです。また、支払い方法によって購入予算が変わります。
① 現金購入の場合
現金一括購入のメリットは、総支払額を抑えられることです。しかし、貯蓄を大きく減らしてしまうことになるため、年収の半分以下に抑えましょう。例えば、年収500万円の人なら250万円以下が適正範囲です。
重要なのは車の購入後、最低でも生活費の3〜6か月分は手元に残しておくことです。病気や怪我、または転職などで一時的に収入が減ってしまったときの生活費を確保しておく必要があるためです。
また、購入資金とは別に、初期費用として車両価格の10%〜15%程度(税金・保険・登録費用など)が必要になることも頭に入れておきましょう。年収の半分以下という基準は、これらの諸費用を考慮した金額です。
② 自動車ローン利用の場合
自動車ローンを利用するメリットは、まとまった資金がなくても車を購入できることです。しかし金利がつくため、総支払額は現金一括で購入するより多くなります。
自動車ローンを利用する場合は、年収の4割〜5割程度を購入価格の上限とすることを検討しましょう。ローン購入では月々の返済負担を考慮する必要があるため、現金購入よりも控えめな予算設定が重要です。
【ローン購入時の適正予算例】
条件:金利4%、支払回数60回(5年)、ボーナス払いなし
| 年収 | 購入予算 | 借入金 | 月々の返済額 | 返済総額 |
|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 160~200万円 | 200万円 | 約3万7,000円 | 約220万円 |
| 600万円 | 240~300万円 | 300万円 | 約5万5,000円 | 約331万円 |
| 800万円 | 320~400万円 | 400万円 | 約7万4,000円 | 約442万円 |
月々の返済は月収の15%〜20%以内とすることを目安にしましょう。とはいえ、重要なのは車の維持費を含めたローン返済額が家計に対して適正かどうかです。
またローンを利用する際は、頭金を多く入れて借入額を減らせば、月々の返済負担を軽減できます。頭金の目安としては車両価格の約20%~30%程度です。
ただし長期ローンを利用する場合、月々の支払いは楽になりますが、総支払額が大きく膨らむため注意が必要です。総支払額は適用金利と返済期間に比例して大きくなるため、なるべく低金利で短期間で返済しましょう。
2. 年収300万〜1,000万円超まで!年収別・購入可能車種
車選びで重要なのは、収入に見合った選択をすることです。ここでは、年収別に購入可能な車種を具体的にご紹介します。
ただし、前述したとおり、年収以外にも、貯蓄額や家族構成、月々の家計支出などによって適した購入金額は変わりますので、あくまで目安としてください。
(1) 年収300万円未満の場合
年収300万円未満の人は、購入価格100〜150万円程度の車が現実的な選択肢となります。例えば、月収が約20万円の場合、車にかけられる予算は限られるため、維持費の安い軽自動車がおすすめです。
| おすすめ車種 | 新車価格 | 年間維持費 |
|---|---|---|
| 日産デイズ | 約143万円~ | 約13万円~ |
| ダイハツタント | 約148万円~ | 約13万円~ |
(2) 年収400万円未満の場合
年収400万円未満の人は、購入価格150万円〜200万円程度のコンパクトカーが最適な選択肢です。例えば、月収が約25万円(年収約300万円)の場合、車関連の支出は月あたり約5万円以内に抑えたいところです。
コンパクトカーは燃費性能に優れ、リッター20km以上走る車種が多いため、ガソリン代の節約にもつながります。
| おすすめ車種 | 新車価格 | 年間維持費 |
|---|---|---|
| ホンダフィット | 約177万円~ | 約14万円~ |
| トヨタヤリス | 約165万円~ | 約13万円~ |
(3) 年収600万円未満の場合
年収600万円未満の人は、購入価格250万円〜300万円程度のミニバンや中型セダンが選択肢に入ります。例えば、月収が約35万円(年収約420万円)の場合、車関連支出は月あたり約7万円以内が許容範囲です。
この年収帯になると、ファミリー向けのコンパクトミニバンが現実的な選択肢になります。3列シートで6人〜7人乗車可能なフリードやシエンタは、子育て世代に最適です。
| おすすめ車種 | 新車価格 | 年間維持費 |
|---|---|---|
| トヨタシエンタ | 約207万円~ | 約15万円~ |
| ホンダフリード | 約262万円~ | 約16万円~ |
(4) 年収800万円未満の場合
年収800万円未満の人は、購入価格300〜400万円程度の中型SUVやミドルクラスセダンが選択肢となります。例えば、月収が約45万円(年収約540万円)なら、車関連支出は月あたり約9万円以内が目安です。
この価格帯では、走行性能と快適性を両立した本格的なSUVが狙えます。特にRAV4やCX-5は、都内でも扱いやすいサイズながら、週末のレジャーや長距離ドライブも快適にこなせる実力派です。
| おすすめ車種 | 新車価格 | 年間維持費 |
|---|---|---|
| トヨタRAV4 | 約323万円~ | 約17万円~ |
| マツダCX-5 | 約281万円~ | 約21万円~ |
(5) 年収1,000万円以上の場合
年収1,000万円以上の人は、購入価格400〜500万円程度の高級車やプレミアムSUVも選択肢に入ります。例えば、月収が約60万円(年収約720万円)なら、車関連の支出は月あたり約12万円以内が許容範囲です。
この年収帯では、ブランド価値と実用性を兼ね備えた車選びが可能です。
| おすすめ車種 | 新車価格 | 年間維持費 |
|---|---|---|
| レクサスLBX | 約420万円~ | 約15万円~ |
| トヨタアルファード | 約510万円~ | 約20万円~ |
3. 車の購入費用だけでなく維持費も考慮しよう
車を購入する際、車両価格だけに注目しがちですが、実は初期費用や年間維持費も家計に大きな影響を与えます。購入前にトータルコストを把握しておくことが、無理のないカーライフを送る秘訣です。
(1) 初期費用
車を購入する際は、車両本体価格以外にもさまざまな初期費用がかかります。車の排気量や環境性能によって異なりますが、車両価格の10%〜15%程度、多めに見積もっておく必要があります。
初期費用は大きく3つに分類されます。
| 費用項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 本体費用 | ・車両本体価格 ・オプション費用 |
| 法定費用 | ・自動車税 ・自動車重量税 ・自賠責保険料 ・消費税 |
| 諸費用 | ・車両登録費用 ・車庫証明費用 ・納車費用 |
例えば200万円の車を購入する場合、初期費用として20万円〜30万円程度が追加で必要になります。
特に自動車税は排気量によって大きく変わり、自動車重量税も車両重量に応じて変動します。ディーラーによっては諸費用込みの価格を提示してくれる場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
(2) 車種ごとの維持費の内訳
車の維持費は、車種によって異なりますが、年間約30万円〜60万円程度かかり、家計への影響は決して小さくありません。維持費の内訳と車種ごとの年間維持費の目安は以下の通りです。
【維持費内訳】
・車検代
・駐車場代
・ガソリン代
・保険代
・メンテナンス代
【車種ごとの年間維持費】
| 車種 | 年間維持費の目安 |
|---|---|
| 軽自動車 | 約30万円~40万円 |
| コンパクトカー | 約40万円~50万円 |
| ミニバン | 約50万円~60万円 |
この数値はあくまで目安であり、維持費は保険の種類や走行距離などで異なります。特に都内では、駐車場の平均賃料が月3万円程度となる場合もあり維持費が高くなりがちです。また、任意保険料は年齢や等級によって差があるため維持費が変動します。
これらの維持費を購入前に把握し、家計を圧迫することなく無理なく支払える車選びをすることが、快適なカーライフの第一歩となります。
4. 予算内で理想の車を見つける方法
限られた予算でも、工夫次第で満足度の高い車選びは可能です。新車にこだわらず、中古車やカーリースなど幅広い選択肢を検討することで、理想に近い1台と出会えるでしょう。
(1) 中古車を検討する
新車の購入予算をオーバーしてしまう場合、中古車は非常に魅力的な選択肢です。特に3年〜5年落ちの車両は、新車価格の半額程度で購入できるため、ワンランク上の車種も視野に入ります。
中古車のメリットは価格だけではありません。人気車種でも納車待ちがなく、すぐに乗り始められるのも大きな利点です。特にディーラー系の認定中古車なら、整備履歴が明確で保証も充実しています。
(2) 残価設定ローンを活用する
欲しい車が予算的に厳しい場合は、残価設定ローンを利用する方法があります。残価設定ローンは、月々の支払額を抑えながらワンランク上の車に乗りたい場合に有効な手段です。
残価設定ローンは、ローンの最終回時点で残っている車の価値を「残価」として設定し、新車価格から残価を差し引いた金額をローンで支払っていく仕組みです。
例えば、300万円の車の5年後の価値が100万円である場合、300万円から100万円を差し引いた200万円を5年で支払うことになるため、300万円を5年で支払う場合より、月々の負担を軽減できます。
残価の100万円の清算は、ローンの返済が終了する時点で、以下の3つの選択肢から選ぶことになります。
・車を販売店に返却する
・買い取ってそのまま乗り続ける(一括清算もしくは新たにローンを組む)
・新しい車に乗り換える
残価設定ローンは契約終了時の自身の状況(家族構成の変化、転勤など)に合わせた選択ができる一方、ローン終了時点の車の状態によっては追加料金を求められるケースもあるため、仕組みをよく理解した上で利用するようにしましょう。
(2) カーリース・カーシェアの活用する
車の購入以外にも、カーリースやカーシェアという選択肢があります。それぞれ特徴が異なるため、ライフスタイルに合わせて選びましょう。
カーリースは、月々定額で車を利用できるサービスです。車両代金や車検、税金も月額に含まれるため、維持費の心配がありません。サービス会社によって異なりますが、契約期間終了後は、車を返却したり、契約更新したりと、そのときの状況によって選択できます。
一方、カーシェアは30分だけなど、必要なときに短時間だけ車を利用したい人に最適です。子供の送迎や買物など月に数回しか車を使わないなら、カーシェアを利用するのもよいでしょう。またカーリースと同じく維持費や保険などは料金に含まれ、利用料金のみを支払うシステムなため、経済的な点がメリットです。
年収に不安がある人や、車の利用頻度が少ない人はこれらのサービスも検討してみてください。
5. 年収に見合った理想の車を選定しよう
車の購入予算は現金購入なら年収の半分以下、ローン利用時は年収の4割〜5割程度が一般的です。
車を購入する際には、車両価格のほかに税金など初期費用が必要です。また、ガソリン代、駐車場代、保険料、メンテナンス費用などさまざまな諸経費がランニングコストとしてかかります。それらを含めて家計に負担のない予算で組むことが大切です。
年収だけでなく自分のライフスタイルに見合った車を選べば、経済的な不安を軽減でき、より良いカーライフを楽しめるでしょう。