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更新日:2020.06.29 / 掲載日:2020.06.29
車の自動制御に必須!車に搭載されているセンサーの種類とは?

グーネット編集チーム
車の技術の進歩は目覚ましく、新しく販売される車両には自動制御のシステムが装備されていることが当たり前という世界に突入しています。その車の自動制御を司るのが、エンジンやボディに搭載されているさまざまなセンサーです。
しかし、車に乗っているだけでは目につきにくいため、具体的にどのようなセンサーがあるのか知らない方も多いでしょう。
今回は、車の自動制御に利用される各種センサーの役割や種類の紹介をはじめ、車のエンジン制御、安全性能、自動運転に利用されている主なセンサーの種類について解説します。
車に利用されているセンサーの種類と役割
車のセンサーには、車の機能を十分に発揮するために重要となる、車の内部や外部などの情報を測定・検出する役割があります。大きく分けると、パワートレイン制御系、車両制御系、ボディ制御系、情報通信系のセンサーが存在します。これらのセンサーは、以下の機能で利用されています。
・パワートレイン制御系
排ガスや省エネ(燃費)関連システム、エンジン制御など
・車両制御系
サスペンション制御、アンチロックブレーキなど
・ボディ制御系
エアバッグ、先方・後方監視、防眩ライティングなど
・情報通信系
GPS、カーナビ、ジャイロセンサー、加速度センサーなど
車のエンジン制御に利用される主なセンサーの種類

グーネット編集チーム
車のなかでセンサーが多く使われているのがエンジンです。エンジン制御に使われている代表的なセンサーは、以下が挙げられます。
圧力センサー
エンジン制御に欠かせない圧力センサーは、さまざまな目的と役割があります。
燃料噴射装置を適正にコントロールして燃費性能を向上する「吸気圧センサー」、ディーゼルエンジンの排気ガスフィルタの目詰まりを検出する「排気圧センサー」、シリンダー内の燃焼圧力を計測する「燃焼圧センサー」など多岐にわたります。
また、圧力センサーはエンジンだけでなく、ブレーキやサスペンション、タイヤの空気圧、エアコンのコンプレッサーなど、幅広いパーツの制御に使われています。
排ガスセンサー
排ガスセンサーとは、ガソリンエンジンで排出する排気ガスの浄化に利用するセンサーです。
環境や人体に有害な物質を含む排ガスは、浄化触媒を通して安全な化学物質に変える必要があります。排ガスの浄化に使われるセンサーは、排気ガス中の酸素濃度を検出する「空燃比センサー」に加え、排ガス内の酸素濃度を計測して燃料の噴射量を調整する「O2センサー(酸素センサー)」です。
また、ディーゼルエンジンの場合、NOxガス濃度を計測する「NOxセンサー」、排ガス中のPM(微粒子物質)を計測する「PMセンサー」などが搭載されています。
クランク角センサー
クランク角センサーとは、エンジン内のクランクシャフトの回転角と基準位置、エンジンの回転数を検出するものです。ガソリンの電子燃料噴射システムにおける、燃料噴射制御と点火時期をコントロールする重要な役割を持ちます。
車の安全性能・自動運転に使われる主なセンサーの種類
自動ブレーキなどの安全性能や自動運転には、以下のセンサーが使われています。
ミリ波レーダー
ミリ波レーダーとは、10ミリ程度の短い波長の電波を飛ばし、2~200メートル先の対象物の距離を測定できるものです。歩行者や障害物を検知できることから、衝突軽減ブレーキや、先行車両との距離を保つ、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などで使われています。
ミリ波レーダーは天候の影響を受けにくいメリットがある反面、装置が大きく、価格も高くなります。
赤外線レーダー
赤外線レーダーとは、ミリ波レーダーと同様に電波で対象物との距離を検知するものです。測定可能距離が20メートル程度と短いですが、ミリ波レーダーよりもコストが低く、サイズがコンパクトになるというメリットがあります。
カメラ
車載カメラの役割は、歩行者や道路標識、信号などを識別することです。人間が目と同様に2台のカメラを使い、見え方の違いから距離を測定するステレオカメラ方式は、自動ブレーキやACCなどの先進運転支援システムで採用されています。
しかし、カメラの弱点は、直射日光や逆光、大雨や雪などの悪天候でうまく機能しなくなることです。
まとめ
車のセンサーは、車の内部や外部の測定・検出を行う役割があり、車の安全性能や自動運転技術の向上などにおいて重要となる装置のひとつです。
センサーの種類は、エンジン制御を含むパワートレイン制御系、サスペンション制御などの快適性に影響する車両制御系、エアバッグなどを制御するボディ制御系、車の位置や速度など計測する情報通信系が存在します。
エンジン制御はパーツごとにさまざまなセンサーが使われており、排ガス性能や燃費向上に欠かせません。また、事故防止に役立つ安全性能では、物体を識別するカメラ、先方の対象物を検知するミリ波レーダー、赤外線レーダーを使用しています。
車に搭載されるセンサーは、車の性能向上に役立てられていることはもちろんのこと、排ガスの浄化や安全性能による事故防止など、車が抱える課題の解決にも大きく貢献している装置といえるでしょう。