自動運転の車に免許は必要？自動運転の仕組みや法律上の定義について

自動運転システムは、アメリカの自動車技術者協会がレベル0～5までの6段階に分けて示しており、レベル5になると運転操作の全てが自動になります。

現在、国内でも自動運転システムを搭載した車が販売されていますが、6段階の基準に当てはめた場合では最高がレベル2の車となっています。

レベル0は自動運転化がされておらず運転手が操作を行うレベルとされています。
レベル1では自動運転支援システムが搭載されておりブレーキ・アクセル、ハンドル操作のいずれかが自動で行える車を指します。
レベル2は、自動運転システムがブレーキもしくはアクセルに対してハンドル操作を同時に行えるレベルです。
レベル3は定められた条件のもとで全操作を自動化できるレベルですが、自動運転中であってもシステムが作動困難になった場合は、運転手がすぐに操作をする必要があります。

レベル0～2までは、基本的にはドライバーが運転操作を行い、レベル3についてはシステムが主体となって運転操作を行うことが特徴です。

レベル4は定められた条件のもとで、全ての操作を自動で行います。
レベル5については条件がなく、全ての操作を自動運転システムが行うこととされており、レベル4とレベル5については運転の主体が自動運転システムであることがポイントになります。

国土交通省は、「高速道路といった一定の条件のもとであればレベル3を認める」と発表しました。
レベル3とは、一定の条件のもとで運転を自動化するもので、緊急時にシステムからドライバーに対して運転操作を要請した場合には、人間がハンドル操作を行わなければならないレベルを指します。

一定条件として挙げられるのは、高速道路といった車専用の道路で時速60km程度で運転する条件を指します。条件については運行設計領域（ODD）と呼ばれ、それぞれの自動運転システムごとに違いがある点に注意が必要です。
加えて、条件のもとでもシステムが自動運転を続けるのが困難と判断した場合、人間が運転操作をするように要請します。その際、運転手はすぐに車を操作する必要があるので、普通免許が必要になるということです。

・2020年に導入される自動運転レベルとは
一部では、2020年の夏にホンダがレベル3の自動運転システムを搭載した車を発表し、高速道路の渋滞時には自動運転ができるシステムを組み込み予定であると報道されました。
しかし、2020年にレベル3が認可された後、一般的な高速道路を走行できる自動運転システム車が必ず導入されるかどうかは、現段階で明確な答えが出ていません。

自動運転システムのレベル4やレベル5といった車が国内で販売された場合、運転手は車の操作をする必要が全くありません。
運転のスキルがなかったとしても、自動運転システムが搭載された自動車で目的地まで向かうことが可能になり、普通免許を取得していなくても、自動運転システム搭載車に乗るだけになります。

運転をしないため普通免許を取得する必要もなくなる可能性があるものの、車を所有する責任者として道路交通法に関する知識を持っておく必要があるでしょう。乗車する前には車のメンテナンスや点検、万が一事故を起こしたり故障した際の対応について、知識を得ておかなければ対処できない可能性もあります。
今後、自動運転システム搭載の車に限定した免許が発行される可能性も考えられるでしょう。

自動車業界では、自動運転システムについて大きな変化の年だといえます。
法律上では自動運転システムを搭載した車に乗る場合、普通免許が必要とされていますが自動運転システムの進化や社会的認識が今後変化することにより、運転免許制度についても変革が求められる時が訪れるかもしれません。