ドライブ
更新日:2022.08.22 / 掲載日:2022.08.05

【ジャパンEVラリー】日本EVクラブによる夏のお祭りが開催

文●岡本幸一郎 写真●樋口 涼
※ナンバープレートは、一部はめ込み合成です。

 元レーシングエンジニアであり、モータージャーナリストの大先輩でもある舘内端氏が率いる日本EVクラブでは、2013年より長野県白馬村で「ジャパンEVラリー」を実施しています。例年は秋のところ、9回目となる今回は7月下旬の開催となり、縁あって筆者もいち参加者としてお手伝いすることになりました。

白馬は日本を代表するEVリゾート

 実は、つい前日に白馬は大雨に見舞われ、その模様はニュースでも報じられていたほどでした。ところが、23日(土)の朝にはすっかり上がって、天気にも恵まれて無事に開催することができました。きっと参加者と主催者のみなさまの思いが天に届いたのでしょう。

 なぜ白馬か? それは冬季五輪の会場ともなった世界に誇るべき山岳リゾートである白馬村が、日本を代表する「EVリゾート」でもあるからです。白馬村では2013年に設立された白馬EVクラブの尽力もあって、早くから充電設備の設置に村独自の助成制度を実施してきました。その甲斐あって2022年夏の時点で村内には40カ所近い宿泊施設や飲食店などに200Vコンセントや充電器が設置されています。2020年には「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。

夏の白馬に79台のEVが集合

 「いざ、白馬!」のスローガンのもと、夏の白馬に集まったのは、試乗車を含めて実に79台にもおよび、盛況なイベントとなりました。うち4割ほどが地元の方で、遠方からおとずれた人も少なくなく、もっとも遠い方では岡山県からテスラで自走してきてくれた方もいらっしゃいました。

 今年は白馬とEVでの旅をより気軽に楽しんでいただけるよう内容を一新。23日(土)には最新EV/PHEV試乗会および懇親会、24日(日)にはパレードと集合写真撮影とランチ&表彰式を実施するほか、参加者には、
① 白馬村の充電設備がある宿に泊まる。
② 試乗会に参加する。
③ パレードに参加する。
④ ゴンドラで白馬の山を満喫する。
⑤ 「#EVラリー白馬2022」のハッシュタグを付けてSNSに投稿する。

という「スペシャルミッション」が課されましたが、どこまでやるかは各自の自由。どれも自分からすすんでやりたくなるものばかりですけどね(笑)

 23日(土)の試乗会では、同業で同クラブ副会長の御堀直嗣さん以下、斎藤聡さん、竹岡圭さん、諸星陽一さんとともに私たちモータージャーナリストはインストラクターを務めました。参加者の方々の運転で白馬村内に設定したコースを走っていただき、私たちは助手席からそのクルマのポイントを解説したり、自分がドライブしたときの印象を伝えたり、いろいろな質問に答えたりしました。

 用意された車種は、日産 アリア、日産 サクラ、BMW iX3、BMW 530e(PHEV)、ヒョンデ IONIQ 5、Honda e、マツダ MX-30 EV MODEL、三菱 eKクロス EV、フィアット 500eという顔ぶれで、用意していた121枠のすべてが埋まりました。

 話題性の高いニューモデルがあったこともあり、参加者のみなさんもとても興味深そうに今回のEV/PHEVを見ていました。やはりEVについてお詳しい方が多く、我々もむしろ勉強させてもらったような思いです。ご自身が乗っているEV/PHEVに関する情報交換や、今回試乗車として用意した車種の購入を検討していて、ぜひ見てみたいと思って来たという方も大勢いいらっしゃいました。

 その日の夜は、ピザや地元ブルワリーのクラフト生ビールが美味しいお店で懇親会「EV白馬ナイト」にも、大勢の参加者が集まりました。キャッシュオンデリバリー方式で、入退場も自由。EV談議に花が咲きました。

 参加費用は、車1台につき 5000円(税込)、日本EVクラブ会員は4000円(税込)、同伴者がランチ&表彰式参加の場合、1名あたり2000円(税込)。

 翌24日(日)の朝はパレード「EV気候マーチ」です。実に60台ものEVとPHEVが参加しました。近隣のスキー場の駐車場に集合し、白馬ジャンプ競技場までをパレードする途中の絶景ポイントで撮影した写真は圧巻です!

 その後は昼に予定されていた集合写真撮影まで自由行動で、せっかくなので私たちも「デジタルスタンプラリー」に挑戦しました。これは、23日(土)から24日(日)の12時までに白馬の自然や絶景、地元の人が薦める名所、ゼロカーボンへの取り組みを体感できるスポットなど白馬村内に10カ所のチェックポイントが設定されていて、できるだけ多く行って欲しいという趣旨のもので、もちろん行ったぶんだけポイントが得られます。「furari」というアプリの導入により、それらチェックポイントに近づくとGPSによる自動判定でスタンプがGETできるようになっているので、ズルはできません(笑) いまやアプリでこういうことまで自動的にできてしまうことには驚きましたが、10カ所すべて行った参加者も何人もいらっしゃいました。私たちも残り時間で何箇所か行くことができました。

 さらに、前で述べたジャパンEVラリーならではの「スペシャルミッション」の獲得ポイント(配点はシークレット)を合算した結果が、その後のランチ&表彰式で発表され、上位入賞者には、白馬村宿泊補助券や白馬村特産物などの素敵な賞品が贈られました。

 このほか、もっとも遠くから来てくれた岡山の方(実は岡山から来てくれた方が2組いたのですが、前述のテスラのオーナーが微妙に遠かった)や、これまで毎回参加してくれているお三方や、もっともSNS映えする投稿をした方なども表彰されました。

 表彰式には、本イベントの直後に任期を終える白馬村長の下川正剛氏や、白馬村のゆるキャラとして知られる「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世」もやってきれくれました。

 EV三昧の2日間。この日を心待ちにしていた参加者の方々には、EV/PHEVを通じて、またひとつ楽しい夏の思い出が増えたことに違いありません。日本EVクラブでは、会員を募集していて、EV/PHEVのオーナーでなくてもEV/PHEVに関心があれば会員になることは可能なので、興味のある方はぜひ問い合わせてみてください。

モータージャーナリスト 岡本幸一郎氏
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岡本幸一郎(おかもと こういちろう)

ライタープロフィール

岡本幸一郎(おかもと こういちろう)

1968年、富山県生まれ。幼少期に早くもクルマに目覚め、学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの企画制作や自動車専門誌の編集に携わったのち1998年にフリーランスへ。軽自動車から高級輸入車まで幅広くニューモデルの情報を網羅し、近年はWEBメディアを中心に寄稿。ドライビングスクール等のインストラクターも務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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1968年、富山県生まれ。幼少期に早くもクルマに目覚め、学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの企画制作や自動車専門誌の編集に携わったのち1998年にフリーランスへ。軽自動車から高級輸入車まで幅広くニューモデルの情報を網羅し、近年はWEBメディアを中心に寄稿。ドライビングスクール等のインストラクターも務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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