カーライフ
更新日:2021.10.19 / 掲載日:2021.10.19

コロナ流行前後でマイカー・公共交通機関利用に変化 J.D. パワー調べ

コロナ流行後の公共交通機関利用イメージ

 顧客満足度(CS)調査や消費者動向に関するリサーチ・コンサルティング事業を展開するJ.D. パワー ジャパン(以下、J.D. パワー)は10月19日、同社が2021年6月に実施した、コロナ禍でのカーライフやクルマの意向に関するアンケート調査の結果を公表。“新型コロナウイルス流行前後での車の利用や移動手段の変化”として、マイカーや公共交通機関利用に関する調査内容を紹介している。

新型コロナウイルス流行前後で移動手段が大きく変化

 “新型コロナウイルス流行前”及び”流行後から現在まで”の間に利用していた移動手段について、“遠距離移動のための列車(新幹線などの特急列車)/飛行機/高速バス”を新型コロナウイルス流行前に利用していた人が30%だったのに対し、流行後は16%と約半数に低下。また、“レンタカー”は-5ポイント、”近距離移動のための列車/路線バス/タクシー”は-3ポイントだったが、”自家用車”は+2ポイントとなった。
 世代別では、特にシニア層(※)で”遠距離移動のための列車(新幹線などの特急列車)/飛行機/高速バス” を利用した人が-21ptと大きく減少していることが明らかになった。

※若年層:20~34歳、ミドル層:35~44歳、プレシニア層:45~59歳、シニア層:60~69歳

近距離移動時も公共交通機関の利用が減少傾向に

 次に、新型コロナウイルス流行前と現在とを比べて移動手段の利用状況に変化があったかどうかを移動手段別に質問。“近距離移動のための列車/路線バス/タクシー”については、「減った」が52%と過半数を占めており、どの世代でも半数前後の人が「減った」という回答に。通勤や通学に公共交通機関を利用する機会や、外出の機会がコロナ流行前に比べて減ったことが確認できる。

遠距離移動のための公共交通機関の利用機会は大きく減少

 “遠距離移動のための列車(新幹線などの特急列車)/飛行機/高速バス”については、「減った」という回答が7割超に。世代別ではシニア層の回答が8割以上と最も高く、若年層・ミドル層・プレシニア層も7割前後が「減った」としている。旅行や出張、帰省などの機会がコロナ流行前に比べて減ったことが数値上でも顕著に表れた。

レンタカー利用は「減った」が約6割 カーシェアは「増えた」「減った」の差がわずか

レンタカー/カーシェア コロナ流行前後の利用傾向

 コロナ前と比べて利用が「減った」とする回答は、レンタカーでは59%、カーシェアリングサービスは35%。対して、コロナ前と比べて利用が「増えた」とする回答は、レンタカーでは18%、カーシェアリングサービスでは28%だった。
 減少傾向はレンタカーの方が大きく、元々旅行での利用目的が最も多いレンタカーは外出自粛やステイホームの影響を受けやすかったとみられる。一方で日常使いでの需要が多いカーシェアリングサービスについては、「減った」が3割強にとどまり、増えたとする割合はレンタカーを上回った。不特定多数の人と接触する電車やバスの利用の代わりに、カーシェアを利用する層が一定数いることがうかがえる結果となっている。

マイカー利用 若い世代で増加傾向に

 自家用車(マイカー)については、「変わらない」が69%と最も多く、次いで「増えた」が22%、「減った」が10%という結果に。世代別では、若い世代ほどマイカー利用が増えたとする割合が高く、若年層の3割がコロナ流行前よりも、自家用車の利用が増えたと回答している。

“密を避けられる移動手段”としてのマイカー利用選択

 マイカー利用が増えたと回答した人に、その理由について尋ねたところ、多い順から「密を避けるため」(62%)、「車で買い物や用事を済ますことが増えた」(51%)、「近場での車の移動が増えた」(34%)、「車がないと不便な場所へ行く機会が増えた」(22%)、「気分転換のため」(17%)という結果に。なかでも上位2つの「密を避けるため」「車で買い物や用事を済ますことが増えた」はすべての世代で過半数に上っている。
 若年層については「車がないと不便な場所へ行く機会が増えた」(30%)、 「気分転換のため」(22%)、 「ライフスタイルの変化」(21%)、「運転するのが楽しくなった」(20%)などが、他の世代よりも高くなっており、コロナ禍を機に車の利用が進んでいることが明らかになった。

コロナ禍で一日の過ごし方に変化 自動車利用の減少につながる

自動車の利用が減った理由

 いっぽうで自家用車の利用が「減った」と回答した人にその理由を尋ねると、上位から「自宅で過ごす時間が増えた」(63%)、「買い物や用事での外出の回数が減った」(56%)、「インターネットショッピング・通信販売の利用が増えた」(24%)、「運動不足解消や健康管理のため、徒歩や自転車を利用するようにしている」(12%)、「ガソリン代の節約」(11%)という回答が得られた。特に上位4つからは、買い物のスタイルの変化、自宅中心の生活、移動手段の変化など、生活スタイルに工夫や変化が生まれていることが分かった。

まとめ:“ポストコロナ”はモビリティサービスにどうかかわるか

 県をまたぐ移動を控えたことや、旅行や帰省、出張といった遠出の機会の減少が、飛行機や電車、レンタカー利用の減少に影響したとみられる。また、外出自粛やテレワークなどで日々の外出機会そのものが減り、公共交通機関の利用にも影響が出たと推察できる。
 いっぽうでカーシェアとマイカーは、利用機会が「増えた」という人が2割以上見られた。カーシェアについては利用率自体が4%と低いものの、利用者の中にはコロナ禍でカーシェアの利便性を享受できたことで利用機会の増加へとつながった傾向もうかがえ、今後のサービスの浸透に向けて興味深い結果が表れた。
 さらにマイカー利用は今回の調査で唯一「増えた」人が多かった移動手段で、特に若い世代でコロナ禍をきっかけにライフスタイルの変化が生じ、マイカーの利便性や魅力、運転の楽しさを実感する機会を得た人が多かったことも明らかになった。
 J.D. パワーは、都市部を中心に今後もしばらく密を回避する傾向は続くと予想。各種オンラインサービスの利用やテレワークなど生活シーンにおけるデジタルシフトが進み、ポストコロナでは人流に変化が出る可能性もあるとし、利用者のニーズや生活様式に合わせて、モビリティサービスがどのように変化していくのか注目していきたいと結んでいる。

調査概要

「コロナ禍でのカーライフやクルマの意向」に関するアンケート
■調査方法:インターネット調査
■調査期間:2021年6月
■対象者:20~69歳の計2,800名

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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