カーライフ
更新日:2026.06.14 / 掲載日:2026.06.14

気になるEV、1週間徹底試乗レポート![三菱 アウトランダーPHEV]リアルにチェック編

まとめ⚫︎ユニット・コンパス 写真⚫︎ユニット・コンパス、三菱 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

話題の電動モデルを日常的なシチュエーションで検証してきたこのコーナーが、リニューアル! モデルの魅力を紹介する「紹介編」と、実際に1週間試乗する「試乗編」の2部構成でお届けします。前回の紹介編では、三菱 アウトランダーPHEVの魅力や技術について詳しく解説しました。そして今回は試乗編。おなじみ編集部・大塚が実際に1週間乗ってみて感じたことをレポートします。テーマはもちろん「徹底的にユーザー目線」!

前回の記事はこちら▼

会心の一撃! 三菱 アウトランダーPHEV、人気のヒミツを体感した!

 みなさんこんにちは! 編集部 大塚です。紹介編では、アウトランダーPHEVについてモデルの変遷や注目の技術について詳しく解説しました。そして今回は実際に1週間乗り込み、高い人気を誇るこのPHEVの実力を確かめてきました。

 じつは大塚、今回の試乗をかなり楽しみにしていました。というのも、先日参加した国産メーカーの合同試乗会でアウトランダーPHEVに試乗した際、「これはかなり良いぞ」という好印象を持っていたからです。そこで今回も、いつものキャンプドライブへと連れ出すことにしました。

 ルートは自宅から和光北ICへ向かい、東北自動車道を北上して矢板ICへ。その後、一般道を約15km走り、栃木県の喜連川ファミリーキャンプ場を目指します。私にとっては慣れ親しんだルートでありテストコースでもあります。高速道路での快適性、長距離移動性能、積載性、アウトドア適性などクルマの実力を見極めるにはちょうどいいのです。

まず驚いたのは、大きさを感じさせない運転のしやすさ

 キャンプ道具を積み込み、いざ出発です。改めてアウトランダーPHEVを眺めると、全長4720mm、全幅1860mmという堂々たるボディサイズ。正直なところ、「街なかで乗るには少し大きいかな」というのが第一印象でした。しかし、そのサイズは無駄ではありません。今回のキャンプでは、テントやチェア、テーブル、クーラーボックスなどひととおりのキャンプギアを積み込みましたが、「これなら荷物を減らすために悩まなくていいな」と思える積載力です。アウトランダーPHEVは7人乗り仕様の場合でも、サードシートは床下へすっきり収納可能です。さらにセカンドシートを倒せば、大人が横になれるほどの広いスペースが生まれます。キャンプやアウトドアを楽しむ人にとって、この空間の余裕は大きな魅力となるでしょう。

 そして実際に走り始めると、もうひとつ驚きがありました。これだけの大きさがあるにもかかわらず、運転が非常にしやすいのです。視界が広く、車両感覚もつかみやすい。運転席に座っていると、数字から想像するような大きさをほとんど感じません。むしろ印象としては、大型SUVというより「見晴らしの良い上質な乗用車」。荷物をたっぷり積める安心感と、普段使いしやすい扱いやすさ。その両方を高いレベルで両立していることに、走り始めてすぐ気づかされました。

 アウトランダーPHEVは、大容量の駆動用バッテリーを床下に搭載しながら、3列シートレイアウトと十分な荷室容量を両立している点も特徴です。7人乗り仕様ではサードシートを床下へ収納でき、セカンドシート格納時の荷室長は最大約2040mmを確保。長尺物の積載にも対応します。また、インテリアには水平基調の「ホリゾンタルアクシス」デザインを採用。視線移動を抑えながら車両姿勢や周囲の状況を把握しやすくする設計思想が取り入れられています。加えて、見切りの良いボディ形状や視界設計によって、全幅1860mmのボディサイズを感じさせない扱いやすさにもつながっています。
こんな人におすすめ!

「SUVは欲しいけれど、大きいクルマは運転が不安という人ですね。実際に乗るとサイズ以上に扱いやすいです。私も最初は身構えていましたが、その心配はすぐになくなりました(大塚)」

高速道路で感じた、ロングツアラーとしての実力

 和光北ICから東北道へ入り、巡航速度に達すると、今度はクルマ全体の完成度の高さが見えてきます。驚かされるのはまず静かさです。ロードノイズや風切り音がよく抑えられており、車内での会話も自然です。そして加速が本当に滑らか。追い越しや合流でアクセルを踏み込むと、モーターが瞬時に反応し、大柄なSUVとは思えない軽快さで速度が乗っていきます。さらに印象的だったのが、高速域での安定感でした。

アウトランダーPHEVは前後独立モーターによるツインモーター4WDを採用しています。2024年改良モデルでは駆動用バッテリーの大容量化や制御系の刷新が行われ、システム全体の性能も向上。高速巡航時の安定感や加速性能にも磨きがかけられています。また、高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT」も搭載されており、アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能によって長距離移動時の疲労軽減にも貢献します。

 車重は2トンを超えていますが、その重さをネガティブには感じません。むしろ「どっしりとした安心感」として伝わってきます。気がつけば何百キロでも走れてしまいそうなクルマですね。

こんな人におすすめ!

「月に数回でも高速道路を使う人。レベルの高い静粛性と直進安定性、MI-PILOTの組み合わせは、長距離の疲労感をかなり変えてくれると思います。移動中に安らぎすら感じてしまいます(大塚)」

サービスエリアで改めて感じた存在感

 途中、上河内SAで休憩。改めて試乗車を眺めると、その存在感に目が留まります。存在感のあるフォルムはもちろん、今回の試乗車は2024年改良モデルで追加された「ムーンストーングレーメタリック」。光の当たり方によってブルーが浮かび上がる独特な色味で、昼と夕方でも表情が変わります。

アウトランダーPHEVのデザインは、クレイモデルによる面造形を徹底的に磨き上げながら開発されたものです。フロントフェイスにはランサーエボリューションを連想させる力強さ、バンパーコーナーにはパジェロが表現していた安心感を取り入れるなど、三菱ブランドのDNAも反映されています。

 写真で見るより実車の方が格段にカッコいいですね。駐車場でも存在感があって、所有する満足感はかなり高そうです。

こんな人におすすめ!

「性能やスペックだけでなく、眺めているだけで気分が上がるクルマがほしい。駐車場に停めたあと、愛車をつい振り返って見てしまうという人。アウトランダーPHEVは、使い勝手だけでなく所有する満足感もしっかり味わえるSUVです(大塚)」

「なぜこんなに曲がる?」と思わず考えた

 高速道路を降り、一般道やワインディングロードへ。ここで驚かされたのがコーナリングでした。正直、このサイズのSUV。もっとゆったりした動きを想像していました。ところがステアリングを切ると、思った以上に自然に向きを変えてキビキビ走る。「なぜこんなに曲がるんだろう?」そんな疑問が浮かびました。

アウトランダーPHEVには、三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」が搭載されています。前後輪への駆動力配分を行う4WD制御に加え、左右輪の制動力制御を行うAYC、横滑り抑制機能ASC、ABSなどを統合制御することで、高い操縦安定性を実現しています。さらに、NORMAL、ECO、POWER、TARMAC、GRAVEL、SNOW、MUDの7つのドライブモードを備え、路面状況に応じた最適な走りをサポートしてくれます。

 技術的な説明を聞くと納得ですね。ただ実際に運転していると難しいことは感じません。「なんだか運転しやすい」そこがこのクルマのすごいところだと思います。

こんな人におすすめ!

「SUVは高速はいいけど山道が苦手」と思っている人。ワインディングでの自然な曲がり方は、一度体験してみてほしいポイントです(大塚)」

EVなのに遠出が不安にならない理由

 今回改めて感心したのは、やはりPHEVシステムのもたらす安心感です。EV走行とエンジン走行を組み合わせることでロングドライブもノンストレスです。日常の通勤などではEVモデルの静かさと快適さを満喫し、いざという長距離移動にもまったく不安がありません。

アウトランダーPHEVは、モーターのみで走るEV走行、エンジンで発電してモーターで走るシリーズ走行モード、エンジン主体でモーターがアシストするパラレル走行モードを自動で切り替えることで効率と走行性能を両立しています。EV航続距離はWLTCモードで約102km。日常の移動の多くをモーター走行でカバーできます。また、EVプライオリティモード、バッテリーセーブモード、バッテリーチャージモードも用意されており、状況に応じた使い分けが可能です。

 普段はEVのように使えて、遠出になったら普通のクルマ感覚でも走れる。この安心感は本当に大きいですね。

こんな人におすすめ!

「EVに興味はあるけど航続距離が不安という人、少なくありません。行動が制限されてしまうような気持ち、わかります。普段はEV感覚、遠出はエンジンを活用したPHEVとして使える。そのバランスが最大の魅力ではないでしょうか(大塚)」

キャンプ場で実感した「電気を持ち運べる価値」

 キャンプ場に到着して改めて便利だと感じたのが給電機能です。スマートフォンを充電する。照明をつける。電気毛布を使う。気兼ねなく電気を使える安心感があります。

 アウトランダーPHEVは総電力量22.7kWhの駆動用バッテリーを搭載しています。AC100V・1500Wの給電に対応しており、アウトドアだけでなく災害時の非常用電源としても活用できます。満充電・満タン時には一般家庭で使用する電力を最大約11日分供給できるとされています。そして、セカンドシートを倒した際の荷室長は最大約2040mm。PHEVシステムを活用することで停車中でも快適な空調環境を維持しやすい点も特徴です。

 走行中にチャージモードで充電できるので、キャンプ場に着いたときに電源を思い切り使えるのは便利だなと思いましたが、帰宅してから改めて考えると、防災面での安心感も大きいですね。最近は災害も多いので、「家族を守る電源」として考えても価値があると思いました。

こんな人におすすめ!

「今回改めて感じたのが車中泊との相性のよさ。今日はここで寝ようかな、と思える自由さはかなり魅力的ですね。セカンドシートを倒せば広いスペースが生まれますし、停車中もエアコンを安心して使えるのはわかる人にはわかる決定的な強みですね(大塚)」

3列シートを折りたたんでテントやチェア、寝具などのキャンプ用品を満載。アウトランダーPHEVの積載力の高さを実感しました。

家族からは「高級車みたい」

 今回、家族から印象的な言葉がありました。それが、「高級車みたいだね」という感想です。確かに内装の質感は高く、長時間乗っていても快適です。

 2024年改良モデルでは、12.3インチナビゲーションやシートベンチレーションを採用。さらにヤマハと共同開発した専用オーディオシステムを全車標準装備しています。

 音楽を流しながら走っていると、移動時間そのものが楽しくなります。移動そのものを楽しめるクルマだと感じました。

こんな人におすすめ!

「通勤やロングドライブで音楽をよく聴く人。ヤマハが共同開発したオーディオは、移動という時間のクオリティをアップしてくれます。また運転する自分だけでなく、同乗者の満足度も重視したい人にもおすすめです。静粛性や乗り心地、インテリアの質感は、家族の評価に直結しやすい要素です(大塚)」


大塚の結論

 通勤もできる。旅行もできる。キャンプもできる。車中泊もできる。雪道も走れる。災害時には電源になる。ここまで多岐にわたって高いレベルでまとめ上げられたクルマを知りません。クルマを1台だけ所有するとしたら何を選ぶだろう、と考えている人にとって、非常に有力な選択肢になるでしょう。もちろん感じ方には個人差がありますが、少なくとも今の私のライフスタイルには圧倒的なおすすめ車種です。試乗を終えたいま言えるのは、ぜひ一度試乗してみてほしい、ということですね。カタログやスペックだけでは伝わらない、このクルマの魅力をきっと体感できるはずです。

自宅から東北道・上河内SAまで122kmを走行。高速道路主体の移動でもEV走行を積極的に活用して、平均電費は5.0km/kWhを記録しました。
上河内SAで急速充電を行いました。約30分でバッテリーの残量は14%から86%まで回復。待ち時間は休憩と食事に有効活用。
キャンプ場到着時のドライブデータ。およそ150kmを走行しながらも平均電費は5.0km/kWhをキープ。PHEVならではの高効率な移動を実感しました。
自宅の充電設備で普通充電。夜間に充電ケーブルを接続しておけば翌朝には充電が完了するため、スマートフォンを充電する感覚で日常的にEV走行を活用できます。
試乗期間全体を通じて、通勤から高速道路、キャンプまで幅広いシーンで使用しました。日常のEV走行とロングドライブを両立できるアウトランダーPHEVの万能性をあらためて実感できました。

三菱 アウトランダー P Executive Package(7人乗り)

全長4720mm
全幅1860mm
全高1750mm
ホイールベース2705mm
車両重量約2180kg
乗車定員7名
駆動方式4WD
バッテリー総電力量22.7kWh
バッテリー種類リチウムイオン電池
モーター最高出力前85kW/後100kW
モーター最大トルク前255N・m/後195N・m
一充電走行距離(モーター)約102km(WLTCモード)
エンジン2.4L 直4
エンジン最高出力98kW
タイヤサイズ 前後255/45R20

車両本体価格(標準、消費税込み):671万6600円

※撮影車両は下記オプション追加。
有料色(ムーンストーングレーメタリック):11万円
電動パノラマサンルーフ:14万3000円
前後ドライブレコーダー+ETC2.0車載器:16万50円
フロアマット:6万8750円
三角停止表示版:3300円


ラインアップ/車両本体価格(標準、消費税込み)

M(5人乗り):529万4300円
G(5人乗り):591万300円
G(7人乗り):600万1600円
P(5人乗り):634万4800円
P(7人乗り):643万6100円
P Executive Package(5人乗り):662万5300円
P Executive Package(7人乗り):671万6600円
BLACK Edition(特別仕様車・5人乗り):673万5300円
BLACK Edition(特別仕様車・7人乗り):682万6600円


 

編集部 大塚
編集部 大塚

リポータープロフィール:自他共に認めるクルマ好き、キャンプ好き、ウインタースポーツ好きにして、気になることは徹底的に調べるのがモットー。今回は企画を成立させるために、ローンを駆使して自らEVを購入。これからEVにまつわる諸問題に体当たりしていきます! プロトコーポレーション 執行役員/2026-2027 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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