カーライフ
更新日:2024.10.19 / 掲載日:2024.10.19
クルマ購入者は3割? 新卒社会人がマイカー選びで気を付けたいこととは
この春、新卒で社会に出た皆さんもそろそろ仕事に慣れてきた頃でしょうか。身の回りの事を意識する余裕も生まれる中、通勤や移動手段、あるいはプライベートの趣味としてクルマが欲しいと思った人もいることでしょう。
とは言えクルマの購入は大きな費用が掛かるモノ。後になって「失敗したなぁ…」と後悔したくない気持ちから、今一つ購入に踏み切れないという人もいるはず。今回はそんな失敗を回避するためにどういった点に気を付ければいいのかを、実際に新卒でクルマを購入した人に対してアンケート調査を実施しました。
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※本記事における新卒とは高校・専門学校・大学を卒業し、働き始めた1年目のことを指します。
調査対象:全国の車保有者
調査期間:2024年7月日~2024年7月30日
回収サンプル数:23,563
サンプル属性:
男女比:男性(49.9%)・女性(50.1%)
年代別:20代(16.6%)、30代(19.0%)、40代(24.4%)、50代(21.6%)、60代以上(18.5%)
居住地域:北海道(5.5%)、東北(7.7%)、関東(33.2%)、中部(17.4%)、近畿(17.1%)、中国(5.7%)、四国(3.1%)、九州(10.3%)
1. 新卒で車を購入した割合・居住地域・初任給
全国の車保有者に対して、新卒時の車購入に関するアンケートを実施。新卒で車を購入したのは全体の25.7%とほぼ4人に1人の割合に。74.3%は車を購入していないという結果となりました。
地域 | 車を購入した割合 |
北海道 | 6.4 |
東北地方 | 11.4 |
関東地方 | 24.0 |
中部地方 | 21.7 |
近畿地方 | 14.1 |
中国地方 | 7.3 |
四国地方 | 4.0 |
九州・沖縄地方 | 11.1 |
併せて、新卒時の居住地域と車の購入割合についても調査。すると関東地方(24.0%)、中部地方(21.7%)で突出して高い数値に。一方で北海道(6.4%)、中国地方(7.3%)、四国地方(4.0%)は1ケタ台に留まっています。
初任給 | 新卒で車を購入した | 新卒で車を購入しなかった |
15万円未満 | 24.7 | 75.3 |
15万円以上20万円未満 | 32.9 | 67.1 |
20万円以上25万円未満 | 34.7 | 65.3 |
25万円以上30万円未満 | 47.2 | 52.8 |
30万円以上 | 51.2 | 48.8 |
分からない・覚えていない | 10.8 | 89.2 |
また、新卒での車の購入傾向と、初任給の関係性についても調査。初任給の金額が上がるほど購入した割合が高くなる傾向が明確に表れており、25万円以上だった人の約半数が車を購入していました(25万円以上30万円未満:47.2%、30万円以上:51.2%)。
2. 新卒が購入した人気の車種5選
新卒で車を保有した人にその車種を聞いたところ、ダイハツ「ミラ」、スズキ「ワゴンR」「アルト」などの軽自動車や、ホンダ「シビック」、トヨタ「カローラ」などといった名前も多く挙げられました。
今回挙げられた軽自動車は小回りが利いて運転しやすく、購入しやすい価格帯なのが共通点。カローラは教習車として採用している自動車教習所が多く、運転し慣れていることが選ばれる理由として考えられます。
2-1. 新卒が購入した・人気の車のボディタイプ
購入した車のボディタイプについて聞いたところ、「軽自動車」(36.2%)がトップ。次いで「セダン」(16.3%)、「コンパクトカー」(12.1%)が挙げられました。
前述したようにミラやカローラなどの車種が多く選ばれている点からも、軽自動車やセダンが新卒に人気のボディタイプと言えそうです。
ボディタイプ | 総計 | 男性 | 女性 |
軽自動車 | 36.2 | 22.9 | 54.6 |
セダン | 16.3 | 21.4 | 9.2 |
コンパクトカー | 12.1 | 11.8 | 12.4 |
クーペ | 8.9 | 13.7 | 2.2 |
ハッチバック | 6.9 | 8.0 | 5.3 |
SUV | 3.9 | 4.9 | 2.5 |
ステーションワゴン | 3.7 | 5.2 | 1.7 |
ミニバン | 3.3 | 4.2 | 2.2 |
ワンボックス | 2.4 | 3.0 | 1.5 |
その他 | 1.8 | 1.7 | 2.0 |
わからない・覚えていない | 4.5 | 3.2 | 6.3 |
男女別で見ると、ボディタイプの選択に大きな違いがありました。女性は半数以上の54.6%が「軽自動車」を選んだのに対し、総計2位の「セダン」は9.2%に。男性は「軽自動車」(22.9%)と「セダン」(21.4%)がほぼ同数という結果でした。また、「クーペ」についても男女で10%以上の開きがありました。
3. 新卒で車を購入した人の口コミ
今回の調査で「新卒で車を購入した」と回答した方を対象に、購入理由や購入時に重視した項目、購入費用などを調査しました。
3-1.新卒で車を購入した理由
車を購入した理由については、「通勤のため」(39.0%)、「日常生活における移動手段のため」(26.6%)と、日常的な移動手段として車を購入した人の割合が全体の65.6%に上りました。
理由 | 総計 | 男性 | 女性 |
通勤のため | 39.0 | 32.0 | 48.7 |
日常生活における移動手段のため | 26.6 | 24.5 | 29.5 |
自分の好きな車(機能性・デザインなど)が 欲しかったため | 12.7 | 16.8 | 7.0 |
旅行や趣味(ドライブなど)のため | 10.1 | 13.6 | 5.2 |
仕事における営業活動などの 業務に必要なため | 6.0 | 6.5 | 5.3 |
ステータスとして欲しかったため | 4.8 | 6.1 | 3.0 |
その他 | 0.9 | 0.6 | 1.4 |
男女別で見た場合、傾向の違いは特に見られず。ただし、男性は「自分の好きな車(機能性・デザインなど)が欲しかったため」(16.8%)、「旅行や趣味(ドライブなど)のため」(13.6%)など、趣味目的で車を購入した人の割合が高くなっていました。
通勤のため | 仕事における営業活動などの 業務に必要なため | 日常生活における 移動手段のため | |
軽自動車 | 51.6 | 5.5 | 30.3 |
SUV | 26.2 | 9.3 | 21.1 |
ミニバン | 23.2 | 9.4 | 19.6 |
セダン | 31.9 | 5.6 | 24.4 |
ハッチバック | 32.4 | 6.5 | 24.0 |
ワンボックス | 20.9 | 19.8 | 23.5 |
ステーションワゴン | 26.9 | 7.9 | 21.3 |
クーペ | 21.6 | 3.0 | 19.8 |
コンパクトカー | 43.1 | 5.2 | 28.5 |
その他 | 33.1 | 4.5 | 24.9 |
わからない・覚えていない | 42.6 | 4.7 | 35.4 |
旅行や趣味 (ドライブなど)のため | 自分の好きな車(機能性・ デザインなど)が欲しかったため | ステータスとして 欲しかったため | その他 | |
軽自動車 | 5.0 | 4.8 | 2.2 | 0.6 |
SUV | 13.1 | 21.5 | 8.0 | 0.7 |
ミニバン | 21.3 | 15.3 | 10.7 | 0.5 |
セダン | 13.7 | 16.8 | 6.8 | 0.8 |
ハッチバック | 12.3 | 17.0 | 5.3 | 2.5 |
ワンボックス | 12.2 | 18.1 | 5.5 | – |
ステーションワゴン | 19.7 | 16.1 | 7.3 | 0.9 |
クーペ | 13.7 | 32.0 | 9.4 | 0.5 |
コンパクトカー | 10.2 | 8.4 | 3.6 | 1.0 |
その他 | 7.2 | 23.7 | 2.6 | 4.1 |
わからない・ 覚えていない | 6.2 | 6.4 | 2.7 | 1.9 |
ボディタイプ別での集計では、タイプごとの特性と理由の関係がより明確に。「SUV」「クーペ」は他タイプに比べて「自分の好きな車(機能性・デザインなど)が欲しかったため」の割合が高く、こだわりを持って選ばれている傾向が見受けられます。
3-2. 新卒で車を購入する際に重視する項目
車を購入するのに重視する項目について、最も多く挙げられたのは「車両価格の安さ」(22.5%)。次いで「運転のしやすさ」(21.1%)が挙げられました。この両項目を満たすボディタイプとして最も適切なのが軽自動車であり、前項(2-1)の結果を裏付けるものとなりました。
3-3. 新卒で購入した車は中古車/新車のどちらか
購入した車が新車か、中古車かという問いについては、「中古車で購入した」(54.7%)が上回る結果でした。
男女別で見ると、女性は新車(48.7%)が僅かながら中古車を上回る結果に。女性のおよそ8割が移動に関わる手段として車を購入していたことから、安全性や運転性能の良さを求めて中古車ではなく新車で購入する傾向があるのかもしれません。
一方で男性は、中古車(59.7%)が新車を20%以上、上回る結果となりました。
3-4. 新卒の車の購入費用
購入費用では、「100万円未満」(43.1%)が最も多く、続いて「100万円~200万円未満」(35.0%)がボリュームゾーンに。新車に比べて中古車の購入比率が高いことや、ミラ、アルトなど軽自動車の中でも価格帯がリーズナブルなベーシックタイプが選ばれていることなどがその要因として考えられます。
反面、「500万円以上」は僅か1.9%。いわゆる“背伸びをした”価格帯の車は、新卒では購入されにくいことが調査の中で明らかになりました。
3-5. 新卒の車の購入方法
中古車という選択肢もあるとはいえ、車の購入には決して安くない費用が掛かります。価格によってはローンを組むことなどの検討も必要になりますが、新卒のタイミングで車を購入した人は、どういった方法を選んだのでしょうか。
新卒での車の購入方法について、「自分のみで購入費用を負担しているか」「一部、親・家族の援助で購入しているか」「全額が親・家族の負担で車を購入しているか」という観点で、対象者に聴取しました。
「自分でローンを組み購入」(29.4%)、「自分で現金で一括購入」(17.0%)と、自分で購入費用を負担した人の割合は46.4%。半数近くの人が自分で費用を負担していました。
一方、「現金で一括購入(親・家族からの援助あり)」(16.2%)、「ローンを組んで購入(親・家族からの援助あり)」(9.1%)という、負担の一部を親や家族に援助してもらった人の割合は、全体の25.3%でした。
また、「親・家族の負担で購入(現金一括・ローン問わず)」の回答は25.3%でした。
3-6. 新卒で車を購入したことに後悔があるか
新卒で車を購入したことに対し、後悔していることがあるかどうかを調査。「後悔していることがある」という回答は16.1%に留まりました。
後悔している点について、具体的に以下のような声が挙がりました。
・中古車という選択肢もあったにも関わらず、背伸びをして新車で購入したため月々(の支払い)がしんどかった
・都内だったので日常生活の移動が電車より時間がかかったので乗る機会が減り、維持費が高くついた
・駐車場がなかったので、確保するのに大変だった。地下鉄が便利なので、車は必要なかった。
・中古車である程度運転に慣れてから新車を買えば良かった。購入2年も経たずに大きくぶつけてしまった。
予算が足りず欲しい車が買えなかった、背伸びをして新車で購入したため支払いに苦労したといった声のほか、別の公共交通機関を利用するようになったことで車に乗る機会が減ったり、必要性が無くなったという声も。車を購入する前に、日常生活の移動手段についてチェックしておくことが重要であると言えます。
また、運転に不慣れなためすぐに大きくぶつけてしまったという声は、新車を購入した人に見受けられました。
4. 新卒が車を選ぶ時に気を付けたいこと
新卒の方が車を購入する際には、以下のようなポイントに気を付ける必要があります。
・月々の支払い負担(ローン・維持費)を計算してから、中古車・新車の購入条件を決める
・自分の運転技術を考慮して、車を選ぶ
なぜ車が必要なのかという理由は購入前に整理しておきたいポイント。通勤など単純な移動手段として必要なのか、自分の趣味に合った車が欲しいのかで、選ぶボディタイプが変わってくることでしょう。
月々の支払い負担についての計算は、ローンの支払額のほか、燃料/電気代・駐車場代・メンテナンス代などの維持費も試算できると◎。維持費は家族や先輩などに聞いてみて、参考にするのもよいでしょう。
そして自分の運転技術や環境に合った車選びも大事。駐車場やその周辺の道路などの広さを前もって確認できたら、購入する車のサイズを選びやすくなります。
車の購入は「欲しい!」という気持ちと共に、購入した後の事をイメージするのがカギと言えるでしょう。これから車の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
※回答率(割合(%))は、小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位までを表記しました。このため、合計が100にならない場合があります。