カーライフ
更新日:2024.01.07 / 掲載日:2023.12.23

ハーレーで始める夢の6輪生活【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ハーレーダビッドソン

 2023年10月、ハーレーダビッドソンにとんでもないモデルが登場したのをご存知でしょうか。なんと“中免で乗れるハーレー”、つまり400cc以下のモデルがランナップに加わりました。その名はX350。ハーレーの日本向け市販車としては過去最小排気量モデルです。まさか普通自動二輪MT免許で乗れるハーレーが現れるとは、まったく予想していなかっただけにびっくり仰天です。

ハーレーダビッドソン X350

 X350はトラッカースタイルで、その昔フラットトラックレースで活躍したXR750を思い出させます。見るからに軽快で扱いやすそうなスタイリング。エンジンはDOHC4バルブ水冷パラレルツインで、排気量は353cc。ギアボックスは6速を搭載、湿式クラッチはケーブル式、ファイナルドライブはチェーン式が採用されました。ホイールは前後17インチ、ブレーキはフロントダブル/リアシングルでABSを標準装備します。価格は69万9800円。ハーレーというブランドの響きからすると、思いのほかリーズナブルな印象ですね。まぁ、そこは乗ってみないことにはなんとも言い難い面もありますが。

ハーレーダビットソン X500

 ちなみに、X350と同時にアメリカンロードスタースタイルのX500も発売されたので、そちらも要チェックとなります。文字通りの500ccユニットを搭載しますが、それでもハーレーのラインナップからしたらかなり小排気量です。とはいえ、このブランドのラインナップとしてしっくり来るのは明らかにこちらの方。そう考えると、83万9800円もまたリーズナブルかつアフォーダブルな気がします。なんたって7月にアメリカでテストライディングしてきたCVOは1977ccという大排気量で、価格も500万円以上しますから。同じブランドでこれだけ価格差があるのはもはや大手自動車メーカークラスでしょう。ヤリスからセンチュリーまで揃えるトヨタを思い出します。もしかしたらハーレーをいつまでも“マニアックなバイクメーカー”とは呼べなくなってきたかもしれません。

 ですが、期待を裏切らないのがハーレー。発売から2ヶ月後の12月に開催されたホットロッドカスタムショーでやってくれました。出たばかりのX350とX500をベースとしたカスタムバイクをお披露目したんです。

 手がけたのは日本のカスタムビルダー。X350はHOT-DOCK CUSTOM CYCLEの河北啓ニさん、X500はWEDGE MOTORCYCLEの二平隆司さんが担当しました。オリジナルの雰囲気を残しつつハイレベルなカスタムが施されます。X350のグレーとオレンジの配色はクールですし、シートカウルのリベット風のあしらえも個性的。ミリタリー的なテイストが個人的に好みです。こう見るとバイクのカスタムはクルマのカスタムより進んでいますね。ビルダーのステイタスを含めそんな気がします。アメリカではハーレーのカスタムビルダーは神ですから。

 といったのが直近のハーレーですが、もうひとつニュースが飛び込んできました。それは「日本バイクオブザイヤー2023」の外国車部門で、ブレイクアウトが最優秀金賞を受賞したというものです。こちらも2023年スタイリングを変更し、Milwaukee-Eight 117エンジンを新搭載してリリースされました。117キュービックインチを換算すると1923ccです。さっきまでのX350やX500とは別世界ですね。

 資料によると、ハーレーはこの賞に2021年はパンアメリカ1250スペシャルが、2022年はスポーツスターSが、外国車部門の最優秀金賞に輝いているそうです。となると、3年連続ってことに。なんかハーレーダビッドソンの逆襲って気がします。少し前まで静かでしたから。

 ということで、ハーレー人気は右肩上がり。年間登録台数も上り調子となります。アメリカ製の四輪は厳しい冬の時代ですが、二輪は元気ってことでしょう。カマロはファイナルなのに盛り上がっていません。とても残念です。ハーレーにあやかってプロモーションすればいいのに。契約上表立ってできなくともやり方はあるんですけどね。まぁ、そこはともかく、ハーレーの活躍を応援したいもんです。なんたって若い頃憧れたアメリカンスピリットはそこにありますから。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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