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更新日:2022.03.17 / 掲載日:2022.01.07
オフロードテイスト満点のCX-5 フィールドジャーニーが面白い【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
いまさらかもしれませんが、オフロードテイストの強いSUV人気が上がっています。ランドクルーザー300系がいい例で、注文してから納車まで2年とか3年かかると言われています。輸入車では、ジープ・ラングラーアンリミテッドが絶好調。あのオールドスクールなデザインがランナップの中で一番売れているというから不思議です。
メルセデス・ベンツGクラスも勢いはおさまりません。スタンダードモデルのディーゼルも、AMGのハイパフォーマンス版も人気が高く、街でその姿を見ない日はないほど。もう10年以上前ですが、G500を所有していたことがあります。が、当時はそこそこすれ違うこともありましたが、ここまでではなかったと。ゴルフ場に乗っていくと、「珍しいね」と言われたこともしばしば。今日ではたくさん駐車場に停まっていますがね。まぁ、当時は今ほど高速走行が得意ではない造りだったので、ゴルフ場への足には向いていなかったのは確かです。
現在、個人的に所有しているトヨタRAV4アドベンチャーもそんな類のクルマ。デビュー以来台数を落とすことなく売れ続けています。これもオフロード志向が強まっている証拠でしょうが、とにかく街で見かけない日はありません。2.5インチ車高を上げ、オーバーフェンダーにBFグッドリッチのオールテレインタイヤを履き、フォグランプを9個付けたイカれた仕様の我が愛車もかなり注目されています。おかげで昨年後半はたくさん取材を受けました。レッツゴー4WDにスタイルワゴン、ヨンクスタイル云々。アウトドア志向の雑誌は思いのほか元気です。

前置きが長くなりましたが、昨年末マツダCX-5の試乗会に行ったとき気になるモデルがあったので、それをご紹介します。フィールドジャーニーという名前の特別仕様車です。
目についたのは、“ジルコンサンドメタリック”のボディカラー。ひとめでアウトドアをイメージさせる新色です。いわゆるサンドベージュをより深い味わいにしたようなワイルドでかつオトナな色に見えました。でもって、シルバーのガーニッシュを前後左右に備えているのですから確信犯です。無塗装のフェンダーモールもそう。アウトドア系SUVブームを追従しようという気配プンプンでした。
思えば、マツダはそのジャンルで出遅れています。前述したトヨタRAV4や日産エクストレイル、スバルXV、三菱アウトランダーにはアウトドアのイメージがありますが、マツダのラインナップにはなかったと思います。そういえば、ホンダもないかも。
そう考えると、フィールドジャーニーの登場はまさに時代に則したものと言えるでしょう。しかも、マツダらしさをしっかり残しながら。走りはマツダの目指すスポーティな味わいがあります。アクセルワークに対するリニアな加速と軽快なハンドリングはさすがです。
個人的にいいなと思ったのは17インチを履いている点。19インチくらい履かせたくなるでしょうが、17でキープしています。もっと言えば、16インチでもいいでしょうね。乗り心地がさらに良くなるばかりか、肉厚タイヤがアウトドア感を醸し出します。トレッドパターンももう少しゴツくてもカッコイイかも。ジオランダーも悪くないですが、BFグッドリッチから2月に新しくリリースされるトレールテレーンT/Aなんて似合いそうです。今回、せっかくドライブモードに“オフロード”を設定したのですから、もう少しイジりたいですね。
そのオフロードモードですが、システム的には既存の制御を再設定したものです。トラクションコントロールやトルクベクタリング、アイドリング時のエンジン出力、トランスミッションを悪路を想定してセッティングしました。ただ、この場合の悪路は本格的なオフロードコースのようなものではなく、スリッピーな路面を対象にしたと思われます。舗装されていないキャンプ場に行くようなイメージでしょうか。

もうひとつフィールドジャーニーの特徴と言えば、ライムグリーンをアクセントカラーに使用したことでしょう。エアコンの吹き出し口やレザーシートのパイピングに取り入れています。ランボルギーニやアストンマーティンはライムグリーンをレーシーなイメージにとらえ、ブレーキキャリパーなどに配していますが、それとは異なる解釈です。良いとか悪いとかでなく、おもしろいですね。とてもキレイなので女子ウケしそうです。
なんてフィールドジャーニーの写真を見ながら原稿を書いていると、だんだんカスタム欲が湧いてきました。車高を上げて肉厚タイヤを履いて、フロントバンパーガードとルーフラックを付けるのがまずは第一段階。さて、そこからどうワイルドに仕上げるか。妄想が膨らみます。
