横浜ゴム　サステナブル素材活用タイヤ開発始動　レースへ提供目指す

　横浜ゴムは2月17日、2016年からワンメイクタイヤサプライヤーを務める「全日本スーパーフォーミュラ選手権（以下、SUPER FORMULA）」に、2023年以降も複数年にわたりADVANレーシングタイヤを継続供給すると発表した。併せて、2023年以降はサステナブル素材を活用したレーシングタイヤの供給を予定しており、今年から開発をスタートすることも明らかにした。

関連記事：横浜ゴム「アドバン ネオバ AD09」スポーツタイヤを新発売
　　　　：横浜ゴム「アドバンスポーツ V107」プレミアムタイヤ新発売

サステナブルなモータースポーツ業界を目指したプロジェクト！「SF NEXT50」に賛同

　サステナブル素材を活用したレーシングタイヤの供給は、SUPER FORMULAを統括する日本レースプロモーション（以下、JRP）が2021年10月に発表した「SUPER FORMULA NEXT50（以下、SF NEXT50）」に賛同して実施される。「SF NEXT50」は、SDGsやカーボンニュートラルなど、自動車やモータースポーツ業界を取り巻く環境変化に対応するために企画。サステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的として、様々な企業とともに推進していくプロジェクトとなっている。

自然由来の配合剤を活用　サステナブル素材と走行性能の両立図る

　同社はこれまで、2016年に開催の「ゴム・エラストマー技術展」や2019年の「第46回東京モーターショー」にて、バイオマスから合成ゴムを生成する技術や、リサイクル可能な熱可塑性ゴムの研究など、サステナブル素材の研究開発に関する発表をしてきた。

　今回新たに開発するタイヤは、米の籾殻から生成したシリカ、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど、自然由来の配合剤を各種活用し、廃タイヤから再生したゴムなども再利用する。同開発では、走行性能を損なわずにサステナブル素材を採用していくことを目標とし、今シーズンのSUPER FORMULA各大会前後の日程で、JRPが行う次期フォーミュラカーの開発テストにおいて共同でタイヤテストを行い、シーズン終了時までに2023年仕様のコントロールタイヤを確定する予定としている。
　なお、2023年以降も開発を継続し、2025年にはスポーツ性能を犠牲にすることなくサステナブル素材を35％以上使用したコントロールタイヤの供給を目指している。

日本レースプロモーション、横浜ゴム 代表取締役のコメント

日本レースプロモーション　代表取締役社長　上野禎久氏

　横浜ゴム様とはこれまでも、SUPER FORMULAを盛り上げるために一緒に歩んでまいりましたが、今回のSF NEXT50プロジェクトを通じて、更なるチャレンジを共に進めていただけることを、大変嬉しく思っております。カーボンニュートラルに向けて、環境負荷の少ないレーシングタイヤを開発いただくと同時に、「世界と肩を並べる最高峰のフォーミュラカーレースに相応しいタイヤとは何か？」を、共に探してまいりたいと思います。そしてこのサステナブルレーシングタイヤの開発が、将来のモータースポーツ業界、そして自動車業界にとって重要な一歩になるよう、レースプロモーターとしてSUPER FORMULAの価値向上に努めてまいります。

横浜ゴム　代表取締役社長　山石昌孝氏

　JRP様のSF NEXT50のサステナブルなモータースポーツ活動のコンセプトに賛同し、2023年以降のワンメイク供給を継続するとともに、サステナブル素材を採用したレーシングタイヤの開発に取り組んでまいります。当社はこのESG活動をタイヤ消費財における「高付加価値品比率の最大化」に向けた事業活動の一つとして捉えています。今後の再生可能原料およびリサイクル原料の使用の拡大にあたり、それが走行性能を損なうことなき技術として実用化することを目的に、国内最高峰レースである「SUPER FORMULA」というモータースポーツの極限の世界を開発の場として、積極的な技術開発を行ってまいります。