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更新日:2018.12.01 / 掲載日:2017.11.27
清水草一ダイハツのキャストを斬る
ダイハツとスズキは愛し合っている!

ハスラーの面影はどこにもない

そして登場したダイハツ・キャスト。「こ、これッスか?」
そこにはハスラーの面影はどこにもなかった。「キャストはハスラーの対抗馬じゃなかったんですね!」
ダイハツのデザイナーさんに好意を込めて尋ねたところ、「ライバルなので意識はしました」とのこと。ガクー。しかし主にミラジーノ、ムーヴラテ、テリオスキッドという「消えた3台」にお乗りのお客様にご満足いただけることを考えた結果、こうなったそうな。なるほど! 目はムーヴラテ、グリルはミラジーノ、「アクティバ」の車高はテリオスキッドだったのかああ! 顔はタウンビーにも似てるけど。あとリアの傾斜角はN-ONE、「スポーツ」の色味はアルトシリーズのアルトターボRSに似てますがね。
3つの個性を取りそろえた変わり種ムーヴ

メッキモールなどが外観の特徴。G“SAII”は15インチアルミホイールが標準装備
とにかくキャストは、すべてがマーケティングによって生まれて来た! んで中身は基本的にムーヴ。3つの個性を取りそろえた変わり種ムーヴと言えばよろしいでしょう。そのぶん、お値段はちょい高めとなっております。
で、一応ライバルであるハスラーと並べて見ると、そりゃもうハスラーの方が断然魅力的だ。ハスラーはまったく新しいキャラの創造だったのに対して、キャストはミラジーノ(ミニのパクリ)とムーヴラテとテリオスキッドとタウンビーとN-ONEとアルトターボRSをミキサーにかけてみました! という成り立ちなのだから。しかし軽のユーザーはそんな難しいことは考えず、「これがかわいい!」で買ってくださるので問題ないかと思います。実際販売は好調のようで御座います。
乗り味は明らかに勝っている

ブラックとシルバーの2トーンカラーを採用した内装。後席は足下も頭上も余裕の広さ。ラゲッジは後席を倒したり、スライドさせることでスペースを拡大できる
見た目ではハスラーに大敗したキャストだが、乗り味は明らかに勝っている。特に好印象だったのは車高の高い「アクティバ」だ。悪路のことも考えてサスを柔らかめにしてあるとのことで、実に乗り心地がイイ。エンジンフィールもある意味重厚。ダイハツの軽は高級感がある! 対するスズキは軽量化命でちょっとペナペナ! 高級なのが好きな人はダイハツだネ! ドアの閉まる時の感触なんか全然違うよ。それでどっちか決める人もいないと思いますが……。
走りのための専用装備

3つめのキャストとなる“スポーツ”は10月末に発売。コペンからフィードバックした高い操縦安定性を実現する専用サスペンションチューニング、ダイレクトな操縦感を生む16インチタイヤを採用。7速マニュアルモードのパドルシフトも専用に搭載され、走りのための専用装備が用意されているのが大きな特徴。赤をアクセントにしたボディカラーも精悍だ。