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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
最強のルノー カングー
まさかの6MT発売、さすがルノー・ジャポン
1.2L直噴ターボは最高出力115psとルーテシアよりも5ps低いが最大トルクは19.4kgmと同じで2L級だ
【本記事は2014年7月にベストカーに掲載された記事となります。】ステーションワゴンを凌ぐ大きな荷室と乗り降りしやすい両側スライドドアで人気のカングーに1.2L直噴ターボエンジン+6MTというルーテシアにもない組み合わせがラインアップされた!まさかの6MT発売、さすがルノー・ジャポンカングーゼンはルノー・ジャポンという会社を象徴するクルマだ。マニアックなクルマを勇気を持って投入してくる姿は実に清々しい。左ハンドル、5MT、2人乗りオープンのウインド、ミニバンかクーペか正体不明の“怪車”アヴァンタイム、ミニバン王国ニッポンに敢然と挑んだ7人乗りミニバン、グランセニックなど、その挫折の物語を振り返れば、ワインがなくても三日三晩話せるほどだ。それでもルノー・ジャポンはくじけない。ファンはデカングーと呼ぶ第2世代のカングーにおいてもビポップをラインアップ。この2ドアモデルはショートホイールベース化しリアにはお日さま燦々といった大型スライディングルーフが付いた、「カングーオープン」というべきモデルだったが発売中止。しかし、ルノー・ジャポンはカングーファンを喜ばせたくて仕方がないのだろう、今度はベーシックなゼンに6MTを追加してきた。従来のカングーは1.6L(105ps/15.1kgm)で上級グレードのアクティフには5MTもあった。今回発売のゼン6MTは専用エンジンとなり、ルーテシアやキャプチャーと同じ1.2L直噴ターボというから、「たまげた」のひと言。実際に走るとルーテシア(1190kg)に比べ240kgも重い1430kgという車重のため、軽快感はないが、ややストロークのある6MTの2速、3速を操り、最大トルクが発生する2000回転付近を上手に使うことで、これまでの1.6Lよりも明らかに元気な走りができる。ヒール&トゥだって、シフトがインパネにあり、ちょっと勝手が違うものの、しっかり楽しめる。しかも、高速道路では6MTによって、静粛性が高く快適だ。ただし、長い上り坂などで、シフトダウンを怠ると、トルクが落ち苦しい走りになるからずぼら運転はダメ。燃料消費を最大10%削減するECOスイッチやストップ&スタート機能、滑りやすい路面でのグリップを最適化するエクステンデッドグリップなどエコやセーフティにも留意されている。
個性派カングー集結
後席はミドルクラスのセダンを超える、ミニバン級の広さを誇る
カングーの魅力である大容量荷室と、乗降性のいい両側スライドドアに6MTで操るスポーティなダウンサイジングターボの魅力が加わったのだから、ファンには「最強」といえるはずだ。(本誌・本郷)日本から個性派カングー集結カングーを中心に多くのルノー車とそのオーナーたちが一堂に会するイベント「カングージャンボリー」が今年も5月18日に開催された。今年で6回目となるカングージャンボリーが行われたのは、昨年同様に山梨県・山中湖畔にある山中湖交流プラザ・「きらら」。午前8時の開場を前に、周辺には全国から集まってきたルノー車がひしめきあい、開会式が始まった9時になってもまだ入場の列はとぎれなかった。
「カングーゼン6MT」初お目見え!
インパネシフトのため若干ライトトラックのような雰囲気だが切れのある走りが楽しめる
最終的な参加台数は1501台、うちカングーは887台もやってきた。ルノー・ジャポンの大極司社長の開会の挨拶を待つステージ上には、白いベールを被った3台のクルマが展示されていた。大極社長の手により最初にアンベールされたのはイベントの3日前に発表された1.2Lターボモデル「カングーゼン6MT」。初お目見えということで大きな拍手が沸き起こる。2番目のアンベールは、カングージャンボリーではお馴染み、マカロンで有名なパティスリーショップ「ピエール・エルメ・パリ」のカングー。今年のモデルはホワイト基調の明るいエクステリアとなった。そして最後にアンベールされたのは、ルノールーテシアパックスポール。ベースはルーテシアゼンで、クロームのサイドモール、ブラックの16インチアロイホイールを装着し、ボンネット、ルーフ、ドアに「SPORT」のデカールが貼られる。インテリアは、ステアリングとエアコン吹き出し口にパックデザインスポールと呼ばれるイエロー&ブラックのアクセントがつけられている。このパックスポールは50台の限定で発売され、226万5000円。さて、カングージャンボリーの盛り上がりは例年にも増してすごかった。なにしろ1500台超えという参加台数は史上最高。来場者は3000名以上と盛り上がらないわけがない。駐車場は個性的なカングーで埋め尽くされた。会場内には、さまざまなものが販売されているマルシェコーナーやオフィシャルグッズショップ、ルノー車オーナーによるフリーマーケットといったショッピングを楽しむコーナーをはじめ、子供を対象としたネイチャークラフトやペーパークラフト、スポーツコーナーなども用意。さらにテニスコートの開放やセグウェイ体験など、もりだくさんのアクティビティが提供されたので、家族みんなで1日中イベントを楽しんだ。(諸星陽一)