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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2017.11.27
不思議なラテン風味シエンタに速攻試乗
シトロエン顔負けの奇天烈フォルム

顔もイケてます
【本記事は2015年8月にベストカーに掲載された記事となります。】♪チャオチャオ! 俺の名はコージ・ロドリゲス。クルマとフットボールと美女を愛する日系コロンビア三世だがいったいなんなのさ、新型シエンタ! いっけん家族愛ベタベタのコンパクト系3列シートミニバンにして、シトロエン顔負けの奇天烈フォルム。なにより我がコロンビアの至宝、レアル・マドリード10番のハメス・ロドリゲスをCM出演させ、“トヨタが作った走るスポーツバッグ”を大プッシュ。先代モデルからあったアットホーム風味を上手いことイケイケラテン風味に変えちゃおうっていう作戦みたいですなぁ。でも効果は絶大で、先日CMを見た30代の家庭持ち友人も気になるご様子。アータ、思いっきりトヨタ作戦にハマってるぜ(笑)。
エクステリア

イエロー&グリーンもありだね!
気になる俺もさっそく新型シエンタに試乗。今回、色がジミ目な黒ってのが残念だが、ニラみの効いたライトといい、エラの張った前後の2トーンバンパーといいオヤ? と思う。箱型ミニバンにはないお味。ただ、両刃の剣は全長4235×全幅1695×全高1675mmの完全5ナンバーボディ。使いやすいのは一目瞭然だけど、人より違うクルマに乗りたいヤングにはおとなしめ。なので、イエローかグリーンのボディカラーにチャレンジでしょ。
画期的な収納

トピックは今まで見たことがない「3列目シートが2列目の下にきれいに格納される」こと。
いっぽう室内はまさにジャストサイズ。全長4235mmと相当コンパクトだが、身長176cmの俺が座った1列目ポジションで、2列目を一番前にスライドさせると2列目と3列目に俺がほぼピタリ収まる。特に3列目はヒザ周りもギリギリぶつからないし、パナマ帽を被った頭もピッタリ収納と優秀優秀。それから世界初ともいえる(!?)3列目のダイブイン格納。前に伸ばして2列目床下に入れるという画期的な収納だけど、実際やったら面倒くさいか? と思ったら全然オッケー。伸ばすのに多少コツは必要だけどやりやすい。で、その3列目を格納した状態ならラゲッジに4人ぶんのキャンプ道具が積める。さすが走るスポーツバッグ!
パワートレーン

ハイブリッド仕様は27.2km/Lを達成!アクアと同じハイブリッドシステムを搭載。FFモデルのガソリン車は1.5Lアトキンソンサイクルエンジンだ
肝心の走りだが正直、なんとなくプリウスαの上物を変えただけだと思っていたら大間違い。パワートレーンはハイブリッドとガソリンがあって、ともに1.5L直4ベース。つまりコンポーネンツはアクア系なのだ。実際、走りもプリウス系ほどのしっかり感はなく、全体に軽くて穏やか。長距離をメチャクチャ飛ばしたくなるほどではなかった。とはいえ、パワー的、ハンドリング的には悪くない。今回、乗ったのはシステム出力100psのハイブリッドで、夏場の暑さもあってかアクアほどに発進時にEV走行は見せてくれなかったが、ほどよい走りを見せてくれた。乗り心地は重厚でもなかったが、アクアっぽい軽さもなく、重量分だけしっとり。とはいえハンドリングがキビキビ楽しい! ってほどでも正直なかったか。
トヨタ・セーフティ・センスC

ブラック:個性あふれるフロマージュ×ダークブラウンとブラックの2種がある。アクアをベースにしたことが伝わるインパネデザインだ
そして、今年からトヨタが積極プッシュしている自動ブレーキやレーン逸脱アラームを含む「トヨタ・セーフティ・センスC」。全車5万円以上のオプションってのがナンだけどハイブリッド仕様で220万円台からある価格を考えると、仕方ないところだろうか……。しかし、フツーに仕立てると小さくて乗りやすい年配層にウケそうなコンパクトミニバンを、こういうラテン化大作戦でヤングなスポーツ好きファミリーまで取り込もうとするとは。まったく策士ですわ、トヨタさん! コージ・ロドリゲスも参りましたぜ。