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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27
デビュー3年目 トヨタ86が着実に進化!
スポーツカーは育てるもの

【本記事は2015年5月にベストカーに掲載された記事となります。】「スポーツカーは育てるもの」という多田CEの言葉どおり、今年も86は年次改良で一歩前進している。昨年の改良はサスペンションまわりに使われる締結ボルトのフランジ肉厚アップという地味(というかマニアック)な改良だったが、今回は電動パワステのアシスト特性の変更と、リアバルクヘッドのパネル肉厚アップによる剛性アップというメニュー。今度もマニアックといえばマニアックだが、乗り味の変化という点では前回よりハッキリ感じられそうだ(たぶん)。しかし、サーキットで86に試乗するといつもそうなのだけれど、クルマの変更点を吟味しなければと思いつつ、走り出すとついFRならではの面白さに我を忘れてしまう。ピットロードで小さく左右にステアして微小舵角のフィールをフムフムとかチェックしていても、コースに出てフル加速した途端にクルマ好きの本能が理性を圧倒。本当はじわっと走ってデリケートな操舵感の差を見なきゃいけないのに、気がつくとカツーンと速い操舵からリアをダーッと滑らせて楽しんでる自分がいる。
パワステ特性の変化

今回の改良でGTリミテッドの内装色に「タンカラーミックス」がオプション( 2万4840円)で設定
マジメな話、サーキットのように操舵量や操舵スピードの速い領域では、今回のパワステ特性の変化はあまり実感できなかったのだが、唯一「お、これは乗りやすくなったな」と思ったのが、中高速コーナーで微妙な修正舵を当てる時。3速で左に大きく回り込む袖ヶ浦の5・6・7コーナーは、86だと常にリアのブレークを意識させられる難しいセクションだが、ここの走りやすさはぼくにとって歴代86のベスト。もちろん、そこにはリアまわりの剛性アップも貢献しているはずで、以前に比べてずっとコントロールしやすく、微妙なライン修正が可能となっている。
従来モデルにも比較試乗

念のため、短時間ながら従来モデルにも比較試乗してみたのだが、乗り比べると「うん、やっぱりよくなってる!」というコトを実感。一回の改良では、パッと乗って一瞬でわかるほどの違いは出ないかもしれないが、こういう微妙な改良を積み重ねてゆくことで、スポーツカーは着実に成長してゆく。それを確認できた86マイチェンの試乗でした。