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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
三菱アウトランダーPHEVはなんて楽しいの! 乗ってわかった5つの秘密
知らぬ間に変わる3モード

バッテリーチャージ&バッテリーセーブモードが選べる バッテリーチャージ&バッテリーセーブの2つのスイッチを使いこなせばさらに楽しめる
【本記事は2013年3月にベストカーに掲載された記事となります。】初めてとなるアウトランダーPHEVの公道試乗。そこで発見したのは新鮮で楽しい走りと操作の面白さだった発見(1)知らぬ間に変わる3モードアウトランダーPHEVを一言で表現するとすれば、“ミスター東大君”。メーター内のエネルギーフローはいわば脳のCTスキャン。エンジンとバッテリー、駆動間を行き来する矢印は瞬時に切り替わり、頭の回転が速いのなんのって! 「今はEV、シリーズ? えー、パラレル!?」と、私の頭はもうパンク寸前、煙が出そうですそれほどの変化がありながら、乗り心地はとっても自然。なんてスバラシィんでしょう!! 普段はEV走行なのでモーターの“スイーッ”という音のみ。アクセルを強く踏み込んだ時に“ウィーン”とエンジン音がするぐらいで、高速走行時にはその違いがまったくといっていいほどわからないのも天才的。ブレーキの操作感では、ペダルの可動域が一般的なガソリン車に比べ、長めで多少違和感あり。これは回生ブレーキ分の踏みしろのあとにメカブレーキの踏みしろがある二段階方式のため。想像よりも一段奥でブレーキが利く感じ。とはいえ、カックンブレーキになりにくいおだやかな操作感には癒されました。
ハンドリングと乗り心地がいい!

向かって右側が充電口、左側に給油口をレイアウト。テクニカルシルバーメタリックはPHEV専用色だ。衝突軽減ブレーキFCMも装備される
発見(2)ハンドリングと乗り心地がいい!アウトランダーより、30mm低重心なのに加えて、1.8tもある車重のおかげで、乗り心地は最高! まるで6枚切りの食パンの上を走ってるようなしっとり感で、高級サルーンにも匹敵する乗り心地にうっとり。乗り味はクルマが大地にしっかり根をおろした感覚で安心感と包容力のあるもの。ワインディングでもワクワクしてくるほどハンドリングは楽しい。IQの高さだけじゃないスポーツもいけるハンサムなのだ。
回生ブレーキ力が変わる

ディスプレイのエネルギーフローがオレンジになるとエネルギー回生が行なわれている証拠
発見(3)回生ブレーキ力が変わる普段ガソリンエンジン車を運転していると、「なんじゃこりゃ!?」と不思議に感じてしまうのがBモード。Bは-(マイナス)という考え方だけど登り坂などでギアを下げてもトルクの厚みにはまったく変化がないということ。Bモードは減速時のみ効果を発揮するものなのです。私、「トルクが足りないなー」と思って、ギアを下げたりもしてみたんですけど、ただのムダ骨でした。とはいえ、回生力の強さが6段階設定されていることによって、アクセルからブレーキへの踏み替え回数が減らせたり、ペダルの踏み増しを減らせるなど、操作がしやすく、低燃費にも寄与しているんです。やっぱりスゴイPHEV!
電気を貯めて使えます

回生ブレーキ力が選べる パドルシフトで6段階、セレクターレバーのBポジションで2段階回生レベルを調整できる
発見(4)電気を貯めて使えます充電をいつ貯めて、いつ使うかを自由に選択できるのも、このクルマのスゴイところ。高速道路で巡航中にパドルシフトをB3にし、バッテリーチャージモードONにしてみたところ、充電量に変化はみられなかったものの、B5に下げたら徐々に増え始めました。ちなみにB2はガソリンでいうDレンジ相当、B5は2速相当です。一方バッテリーセーブモードは、スイッチをONにしたところで特になんの変化もなく、「気づいたら充電量がそのまま変わってなかった」というスゴ技。自動的にエンジン→EV→エンジン→EVと、交互にエネルギーを駆動に送る仕組みになっていて、ONにした時点での充電量をキープしてくれてるんですね~。アッタマいい~!!発見(5)電化製品が使える!8万4000円でオプション装着できるAC100V電源はたいていの家電なら大丈夫とのことだったので、ためしにドライヤーを使ってみることに。すると勢いよく熱風が出て、カツラもぶっとぶ勢いでしたよ~! また、大容量の駆動用バッテリーなら1日分、ガソリンを満タン(約45L使用時)にした状態では10日間、一般家庭での電力をまかなえるってのも頼もしい。たとえば、災害時にも役立つなんて、クルマというレベルを超えてます!試乗して「これは走る頭脳だ!」と確信しました。一番燃費のよい状態を自動的に選んでくれるし、ドライバーの意志次第では、どこでどう電気を使うか、どう貯めるかを決めることのできる懐の深さも持っている。そのうちどこのスーパーが一番安いかも瞬時にわかる能力まで手に入れちゃったりして。そしたら主婦やめますわ~(泣)。気になる燃費は15.3km/L今回は一般道を走る初めての機会。試乗会は神奈川県横須賀市の観音崎京急ホテルを起点に行なわれた。試乗時間は90分とかぎられ、満タン法での測定もできないので燃費はあくまでも参考値としてほしい。燃費測定は燃費計により、ホテル周辺の一般道と高速道路の横浜横須賀道路で測定した。電池残量は50%で出発したが、一般道ではほとんどEV。カタログ上の航続距離は60.2kmだが市街地を走った電費から換算すれば40kmくらいと思われる。電池残量が少なくなるとエンジンが発電機となるシリーズ走行モードになるが、EVとシリーズ走行が自動的に切り替わり、シリーズ走行モードだけの燃費を出すことは難しかった。いっぽう高速道路ではエンジン走行をモーターがアシストするパラレルモードとなり、18.3km/L前後を表示した。試乗全体ではEV走行約4割、ガソリンを使うハイブリッド約6割の走行で15.3km/Lだった。複合燃費は純ガソリンモデルより3割~4割ほど燃費がいいと思われるが、次回はより厳密なテストをするつもりだ。はたして満タンで何km走るか?