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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

日産NV350キャラバン出動! ついに、ライバルのハイエースを超えるか!?

仁義なき戦い、この夏、再勃発!

バックドアのキャラクターラインはシャープな雰囲気(右)(※左のハイエースは実質ライバルより低いグレード)

バックドアのキャラクターラインはシャープな雰囲気(右)(※左のハイエースは実質ライバルより低いグレード)

【本記事は2012年8月にベストカーに掲載された記事となります。】“負けられない戦いがそこにある”はサッカー日本代表。11年ぶりにFMCされたNV350も、そんな心境でライバルからのシェア奪回を挑む。ライバルとはもちろんハイエースだ。2Lガソリン車を試乗しながら(ディーゼルは7月13日の発売)、小沢コージ氏がチェック。果たして、ライバルに勝っているか!?仁義なき戦い、この夏、再勃発!「すべての性能でライバルを超えたと思っています。特に寸法面ではどれひとつとして負ける要素はありません!」(車両開発主管の大村 敦氏)ひゃ~っ、ついに言い切っちゃいましたか。ご存じのとおり、キャラバンとハイエースは’70年代から遺恨のライバル関係で、これまで仁義なき戦いを繰り返してきた。正直、年間6万台の小さい市場だが、コンスタントに売れる有り難いジャンル。しかもキャラバンは11年前誕生の前型(4代目)で大暴投! 厳しくなる安全基準を考え過ぎてノーズを延ばしたらそのぶん荷室長が短くなり、評価が低いこと低いこと。荷室長は2800mmで使うぶんには問題ないはずなのに、メインユーザーである“ひとり親方”と呼ばれる自営の職人達には大不評。’04年のライバルのFMC後はシェア2割以下という状態に。方針を決める八木則彦CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)曰く、「だから、職人たちへのヒアリングは徹底的にやりました。築地市場の駐車場にも行き、彼らがどう使うか、なにを載せるかを徹底的にチェックしましたね」プロの道具ゆえ、カユいところに手が届く使い勝手が求められ、ディテールが勝敗を分ける。しかも仕事だけじゃなく趣味でも使われるため、多角的でなくてはならない。“車内の片付け具合で職人の力量がわかる”と言われる面もあるだけにハンパなクルマはNGなのだ。

わずかの50mm差でも、これが大きい!

最高出力133psで走行性でもガチンコなのだ!

最高出力133psで走行性でもガチンコなのだ!

わずかの50mm差でも、これが大きい……ってなわけで、不肖小沢も仁義なきチェックを敢行すべくニッカボッカで気合いを入れ、NV350「プレミアムGX」(2Lガソリン)に加え、ハイエース「DX」(同じく2Lガソリン)を持ち込んだ。ハイエースの実質ライバル車はひとクラス上の「スーパーGL」になるのだが、その価格は263万5000円。それに対してNV350は262万800円。おぉ、値段からしてNV350、一歩リードだぜぇ!さて、最大のポイントは荷室。1列目シート以降の広さで負けてるとおハナシにならないが、NV350は3050mmで、なんとライバルを50mmリードだ。これを寝心地で評価してみると……、ぶっちゃけどっちもサイコーす(笑)。ハイエースのほうが若干床がデコボコだけど、これはグレード違いの部分も大きい。でも、それだけじゃない。NV350はタイヤハウスの出っ張りが小さいうえ、壁面とのつなぎ目が直角。「細かいですが、この部分がモノの置きやすさを決めるんです」(八木CPS)でやっぱりヤリますねぇ、NV350!シブい違いを見せるのが運転席だ。ぶっちゃけパッと見はよくわからない。が、座ると微妙にNV350のほうがスッキリ。それもそのはずパーキングブレーキが足踏み式になってるだけでなく、ヒザ回りが微妙に広い。「商用車に足踏み式なんて贅沢! とコスト部門には反対されましたが、押し通しました。それからヘッドクリアランスからニークリアランスまですべてでライバルより広くしています」(八木CPS)。まさに、ディテールに神は宿るだ!!

“改造しやすさ”

荷室にナットが入っている 目玉装備が標準装備の「ラゲッジサイドユーティリティナット」。ボルトを固定できるナットがあらかじめ内装材に埋め込まれているので、ポールや収納棚を固定するのが便利(写真はポールを付けた状態)

荷室にナットが入っている 目玉装備が標準装備の「ラゲッジサイドユーティリティナット」。ボルトを固定できるナットがあらかじめ内装材に埋め込まれているので、ポールや収納棚を固定するのが便利(写真はポールを付けた状態)

さらにいいのは室内のカスタマイズというか“改造しやすさ”だろう。NV350プレミアムGXは2列目が商用バンとしては珍しく5対5の分割可倒式ベンチシートになっていて、半分は人、半分はサーフボードなどの長尺モノを載せることができる。それだけじゃない。荷室の壁にユーティリティナットという、いろんなバーやフックが取り付けられる構造が備わっており、これぞハイエースにはないアイデア。これまでひとり親方は、樹脂の壁に自分で穴を開け、車内を仕切ったり、収納を作るのが常だったが、それをより安全かつやりやすくしてあるのだ。便利なセンターコンソールの引き出しテーブルなど、使い勝手もかなり考えられているのだ。また根本的なところでは、サイド面(壁)がハイエースより真っ直ぐ立っている。荷物の積みやすさではかなり効く。熟考に熟考を重ねられている。

走りは力強く燃費も向上だぁ!

ともに2Lガソリン車でチェック。ハイエースの力強い走りもいいが、NV350は全域でフラットなトルクを発生する感覚がモロに伝わってくる。いっぽうのディーゼル(左写真)は電子制御可変ノズルターボ搭載などにより、最大トルクは36.3kgmと3Lハイエースの30.6kgmを圧倒している

ともに2Lガソリン車でチェック。ハイエースの力強い走りもいいが、NV350は全域でフラットなトルクを発生する感覚がモロに伝わってくる。いっぽうのディーゼル(左写真)は電子制御可変ノズルターボ搭載などにより、最大トルクは36.3kgmと3Lハイエースの30.6kgmを圧倒している

走りは力強く燃費も向上だぁ!続いて走行性能。最大のポイントはエンジンだ。今回は間に合わなかったが、なんと商用バン初の新型クリーンディーゼルを搭載。従来からこのクラスはガソリンとディーゼルの2本立てが常識だが、最近の厳しい規制もあって後者が低迷していた。ところがNV350は2.5L直4ターボを新開発。結果、最高出力は129psとハイエースの3L V6ディーゼルに若干劣るが、最大トルクは36.3kgmと圧倒。なにより燃費がぶっちぎりでJC08モードで12.2km/Lと、ライバル比で7%、旧型ディーゼル比で39%も向上!いっぽう、今回試乗した2Lガソリン。出力こそ130psと旧型から変わらないものの、JC08モード燃費が9.9km/Lにアップし、乗り心地がメチャ向上。ハイエースの大人びたステアリングフィールも捨てがたいが、全体のノーズの上げ下げや、路面継ぎ目の衝撃は明らかに勝ち! 前後シートもスポンジ厚めで座り心地がいいし、コレは仕事で疲れた帰り道にボディブローのように効いてくるはず。そして最後になったが侮れないのがデザイン。こんな仕事グルマにカッコなんか関係ないじゃん! なんていうなかれ。2台を比較すると、NV350のほうがサイドのサーフィンラインといい、ボンネット上のU字ラインといい明らかにエレガント。また、細かい装備に関しても両手に荷物を持ったままドアを開け閉めできるインテリジェントキーなんかはポイント高し。ということで、まさに「全面勝利」の鼻息も納得の出来映えなのだ。ぶっちゃけ、根付くには時間がかかるブランドイメージはまだ及ばないにせよ、ライバルに勝ったといっていいのでは? ってな感じなんですよ!

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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