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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

お待ちかね! スバルBRZ ついに、正式発表

「BRZ」がようやく正式発表

BRZ

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【本記事は2012年3月にベストカーに掲載された記事となります。】約4年もの間にわたってBCがその存在を追い続けてきたスバル版コンパクトFRスポーツ、「BRZ」がようやく2月3日に正式発表された。スタイリングなどは昨年の東京モーターショーに出展された時から変更があったわけではないが、やはりいざ正式発表となると、胸の奥に静かな興奮が沸き上がってくるのを抑えることができない。そこであらためてBRZの魅力について、1日早い2月2日発表のトヨタ「86」との違いもからめて紹介していきたい。

BRZのアシはツウ好みの味付けだ!!

ネーションがパワーと環境性能を両立

ネーションがパワーと環境性能を両立

BRZのアシはツウ好みの味付けだ!!BRZのウリはなんといっても世界トップクラスを目指した「超低重心パッケージ」にある。低重心を特徴とするボクサーエンジンを心臓としたことで、460mmというスーパースポーツに匹敵する低い重心高を手に入れることに成功した。また、エンジンを極力後方に配置することで、2名乗車時の前後重量配分も53:47という数値を達成。これらの効果により車両コンセプトである「ピュアハンドリング デライト-新しい次元の運転する愉しさ」を実現している。以上の要素は、当然トヨタの86とも共通であり、搭載されるエンジンも200ps/20.9kgmを発生するFA20型で共通であるのだが、走らせてみると意外に両車の性格に違いがあるのがわかる。その違いをスバルサイドは「先代インプSTIと現行インプSTI」と表現した。要はコーナーを横に飛ぶようにしながら曲がっていくのか、粘る足回りで後輪のグリップを感じながら曲がるのか、という違いなのだが、BRZが目指したのは後者のほう。高いスタビリティと素直な操縦性を高次元で両立させている。この差はいってしまえば、足回りのセッティングの差。セッティングを変えることで、BRZは通好みのハンドリングを手に入れたといえる。より深みを目指す傾向の強いスバリストからは、この走り味のほうが好まれるだろう。

装備差で見たほうが86との違いが鮮明に

ヘッドライト、バンパーの形状が違う:アンダーグリルは、86が台形型に対し、BRZは逆台形型。ヘッドランプ内部の構成も異なっている

ヘッドライト、バンパーの形状が違う:アンダーグリルは、86が台形型に対し、BRZは逆台形型。ヘッドランプ内部の構成も異なっている

装備差で見たほうが86との違いが鮮明に走りのキャラクターの違いの大きさに比べると、ほかに両車で大きく異なる部分というのは、意外と少ない。リアスタイルは共通であるし、サイドビューも86がフロントフェンダー上に車名をモチーフにしたエンブレムが装着されるのに対し、BRZはダクトをモチーフにしたガーニッシュとなっているが、印象としては大きく変わらない。やはり両車の外観上の差はフロント周辺に集中している。両車ともに採用している大型アンダーグリルの形状の違いが一番目立つが、ヘッドライト部の構成も違う。BRZはコの字型のLEDランプが織り込まれるとともに、ウインカーもヘッドランプ内に内蔵している。86のウインカーはバンパー部だ。実はこのウインカーの位置が、意外と大きな問題になるのだが、それは後述したい。

BRZは全車標準でREVインジケーターなども備えたデジタルスピードメーター内蔵メーター装備

BRZは全車標準でREVインジケーターなども備えたデジタルスピードメーター内蔵メーター装備

内装におけるBRZと86の違いは、基本のデザインを共通とするためさらに少ない。86はタコメーターの文字盤がホワイトで、BRZは黒と思われていたが、86のホワイトタコメーターは上級グレードのみの装備で、標準グレード以下は黒文字盤を採用している。ただ、86の黒文字盤タコメーターにはデジタルスピードメーター機能がなく、その点では全グレードにデジタルスピードメーター付きタコメーターが装着されるBRZのほうが優秀な感がある。

一見高いが実はお得なBRZに好印象

廉価版グレードはバンパーがボディ同色:BRZのカスタマイズグレードのRAは、86のRCグレードと異なり、ボディ同色バンパー、ディスチャージヘッドランプなどを装備。チョット豪華な印象

廉価版グレードはバンパーがボディ同色:BRZのカスタマイズグレードのRAは、86のRCグレードと異なり、ボディ同色バンパー、ディスチャージヘッドランプなどを装備。チョット豪華な印象

一見高いが実はお得なBRZに好印象最後にグレード展開だが、ここはBRZと86では多少異なる。86が4グレード構成であるのに対し、BRZは3グレード。価格もBRZのほうがやや高い。これは86では上級グレードにしか標準装備されないディスチャージヘッドランプが、BRZでは全グレード標準装備であったりという、装備差からくるものなのだが、そのなかでも注目なのがカスタマイズグレードである“RA”。86のカスタマイズグレードである“RC”が未塗装バンパーなのに対し、BRZのRAはボディ同色バンパー。ディスチャージヘッドランプも装備していることを考えると、6万8000円という価格差は、実はバーゲンプライスだということができる。BRZ、優秀だ。86を選ぶか、BRZを選ぶか。これは非常に難しい問題だ。外観で、ヘッドライトまわりがよりシャープな印象の86のほうが、若干スタイリッシュな気もするが、装備的なことを考えると価格がやや上がってもBRZが優勢な部分がある。となれば、最後はやはり走り。スポーツの走りをどうとらえるかで好みは分かれるが、スタビリティ重視のBRZの走りは、スポーツの奥深さを存分に感じさせてくれる。クルマ通が多いスバリストの好みにガッチリはまると思う。

3月28日の発売開始を目指し、続々と工場で生産されるBRZ

3月28日の発売開始を目指し、続々と工場で生産されるBRZ

ともあれスバル期待のFRクーペ、BRZは当初の発売開始日を早めて3月28日に発売となる。その走りをぜひ多くの人に体験してほしい。

86のほうがドリフトしやすいは本当か?

コントロール性重視の86

コントロール性重視の86

86のほうがドリフトしやすいは本当か?TEXT/鈴木直也86とBRZ、ご存じのとおり基本的に同じクルマだけれど、乗り味には微妙な差がある。まず86だが、このプロジェクトの“言い出しっぺ”がトヨタ側だったことが重要なポイントだ。豊田章男社長を筆頭に、トヨタ首脳陣に「小型FRスポーツを蘇らせたい!」という情熱があり、実現可能な方法を模索するなかでスバルとのコラボレーションが浮上したというのが順序。技術的にはスバルの力を借りるが、目指すはコンベンショナルな小型FRスポーツ。“86”という車名が象徴するように、もう一度若いユーザーにクルマを操る楽しさを提供したいという思いがトヨタにはある。いっぽう、スバルは“シンメトリカルAWD”を看板に、一貫してスタビリティを重視したクルマ作りがお家芸だ。ひょんなことから水平対向4気筒を核に新世代FRスポーツを作ることになったが、ハンドリングに対する考え方はレガシィやインプレッサと同じ。4つのタイヤのグリップを最大限に引き出し、限界域まで高いスタビリティを維持することを考えている。こういうバックグラウンドが、86とBRZの走りっぷりに反映しているように思う。86=ドリフトという短絡思考ではないけれど、一般公道レベルの試乗でもアクセルの踏み加減によってダイレクトに後輪がムズムズッとくる感覚が顕著なのは86のほうだ。ごく普通に交差点を左折するような状況でも、駆動力によってヨーモーメントが発生しているようなイメージで、アクセルを開け気味にしたほうがスイッと気持ちよく曲がれる。低重心と優れた前後重量配分という持ち前の優れたポテンシャルを、走りの軽快さに活かしたのが86のハンドリング哲学。1、2速の守備範囲ならパワースライドによって大きなドリフトアングルを維持することも容易。この辺はお約束どおりの仕上がりで、ソッチを期待するユーザーの期待を裏切らない。

スバルらしいBRZのハンドリング

スタビリティ重視のBRZ:4WDで培った高いスタビリティ特性をFRのBRZは受け継いでいる。安心感があってスバルファンも納得だろう

スタビリティ重視のBRZ:4WDで培った高いスタビリティ特性をFRのBRZは受け継いでいる。安心感があってスバルファンも納得だろう

スバルらしいBRZのハンドリング対してBRZのほうは、スバルの伝統にしたがってよりスタビリティ重視に仕上げられている印象がある。サーキットで120~150km/hレンジのコーナリングを試しても、ヘンにコジらずクルマなりに走らせればスタビリティは万全。BRZの場合、低重心と優れた前後重量配分によって後輪のキャパシティを拡大し、高速域まで優れた前後バランスを保つように調教されている。もちろん、BRZとて速いステア操作によるフェイントモーションをきっかけに意図的なテールスライドを発生させることは可能だが、かなり強引にパワーでスライドを維持させなければ、スッと安定側に収束する。86はこういう状況でドリフトアングルを維持しやすいが、BRZでそれをやるにはかなり意図的にコジる必要がある。この86とBRZの走りの味つけの違いは、どちらが優れているといった問題ではなくユーザーの好み次第で選ぶべきキャラクターの差だと思うが、個人的な好みではFRっぽさを強くアピールする86の割り切りにココロひかれるモノがある。いまどきFR、いまどき2ドアクーペなんだから、どうせなら走りも少しくらいヤンチャなほうがお似合いだ。アナクロニズムという人もいるかもしないが、86くらいコテコテにわかりやすいFRテイストを主張する方が、ボクは潔いと思うなぁ。結論として86を支持したい!

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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