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更新日:2018.11.27 / 掲載日:2017.12.01

待ってたよ! フィットシャトル

進化ぶりを徹底検証

フィットシャトル シャトルの荷室。広さがすべてと主張するような広さ。アンダーボックスが凄く便利である

フィットシャトル シャトルの荷室。広さがすべてと主張するような広さ。アンダーボックスが凄く便利である

【本記事は2011年7月にベストカーに掲載された記事となります。】

フィットより重くなっても燃費は同じフィットシャトルの進化ぶりを徹底検証する!

使い勝手のよかったコンパクトクラスのワゴン、エアウェイブの事実上の後継モデルだ。ネーミングからわかるように、高効率パッケージングのフィットをベースに、前後のオーバーハングを延ばしてワゴンに仕立てた。リアのオーバーハングはフィットより330mmも長く、センタータンクレイアウトを受け継いでいるから長尺物やかさばる荷物を難なく積むことができる。

フィット譲りのパワートレーン

フィットシャトル ホンダの1.3L+IMAシステム。車重1.2tのボディを軽快に走らせる底力のあるパワートレーン

フィットシャトル ホンダの1.3L+IMAシステム。車重1.2tのボディを軽快に走らせる底力のあるパワートレーン

パワートレーンは2つ。ひとつは15Xと15Cが積む1.5LのL15A型直列4気筒i-VTECエンジンで、FF車にはCVT、4WD車は5速ATが組み合わされる。
もうひとつがハイブリッドシリーズだ。こちらは1.3Lのi-VTECエンジンにモーターを組み合わせたIMAシステムを搭載する。パワートレーンはフィットから譲り受けた。

中流の上の余裕

全長510mm拡大

全長510mm拡大

コンパクトクラスのワゴンはカローラフィールダーとウイングロードだけになっている。その上のミドルクラスのワゴンは、今や壊滅状態だ。日本車に新鮮味のあるワゴンはなく、ライバルは存在しない。だからフィットシャトルが風穴を開け、大ヒットすることは充分に考えられる。
フィットは優れたパッケージングに加え、走りも燃費もいい。だが、フィットでは車格がちょっと、という保守層は今も少なくない。そういった人たちに、中流の上の余裕を感じさせ、見栄えもサイズもいいフィットシャトルは魅力的な存在と映るはずだ。

広々とした室内

フィット フィットもこのクラスでは広い荷室だが、ゴルフバック4つ、大型スーツケース4つはムリ

フィット フィットもこのクラスでは広い荷室だが、ゴルフバック4つ、大型スーツケース4つはムリ

センタータンクレイアウトによる卓越したスペースユーティリティを誇るフィット。前席は広々としている。後席もひとクラス上の広さだ。頭上だけでなく膝元にも余裕たっぷりの空間が残されている。ラゲッジルームも広くて使い勝手がいい。

フィットの魅力を余すところなく入手したシャトル

幻のイメージカラーになったプレミアムオーロラジェイド・パール

幻のイメージカラーになったプレミアムオーロラジェイド・パール

そのフィットが、マイナーチェンジで走りの実力を大幅に高めた。特にハンパじゃない進化を遂げたのが1.5Lモデルだ。スポーティグレードのRSはもちろん、ファミリー系の15Xも安全で楽しい走りを身につけている。乗り心地や静粛性など、快適性能もレベルアップした。
それ以上に魅力を感じる存在が新加入のハイブリッドだ。専用メーターを奢り、マルチインフォメーションディスプレイを見ながらゲーム感覚でエコドライブを楽しむことができる。アイドリングストップやモーターならではのダイナミックなトルク感など、走行フィールも新鮮だ。軽自動車を超える優れた燃費を叩き出す痛快感、これも格別である。
このフィットの魅力を余すところなく手に入れ、さらに広いラゲッジスペースを実現したのがフィットシャトルだ。メカニズムも燃費も装備も、ほとんど同じ2台。となると日常の実用性において、優劣の判断基準となるのはラゲッジスペースである。
フィットもコンパクトカーのなかでは群を抜いて広い。だが、フィットシャトルはその上をいく。15Xと15Cは後席に人が座った状態で496L(VDA方式による測定値)のラゲッジ容量を確保した。フロア下にも94Lのアンダーボックスがあるから合計では590Lになる。
フィットシャトルのハイブリッドも優秀だ。496Lの荷室容量を維持し、トノカバー下にゴルフバッグ4セットが入る。アンダーボックスは21Lに減ったが、実用的な容量は確保した。フィットハイブリッドは341L(ベース車は384L)だが、アンダーボックスは3Lだ。

フィットシャトルは荷室を拡大する時、レバーのワンタッチ操作で簡単に後席を倒すことができる。フロアもフィットより低いから重い荷物などを積みやすい。フィットも前に倒すだけでなく、後席の座面を跳ね上げて背の高い荷物を積むことができる。日常の買い物などならフィットで充分に満足できるだろう。
が、ウィンタースポーツやマリンスポーツ、自転車、キャンプ用品などのアウトドアギアを積む人、大きな荷物を積むことが多い人にはフィットシャトルがいい。フック類は充実しているし、15シリーズに標準のリバーシブルフロアボードも重宝する。ラゲッジスペースと積載性にこだわる人にはフィットシャトルの15シリーズがイチオシだ。

満足度の高いフィットシャトル

ワゴン需要を掘り起こす2台

ワゴン需要を掘り起こす2台

走りの上質感と車格もフィットシャトルが一歩上をいく。ベースとなっているのはフィットだが、ミドルクラス並みの上質感を狙い、各部を補強するとともにサスペンションやタイヤなども絶妙にチューニングした。静粛性はもちろん、乗り心地もいいなど、快適性能はワンランク引き上げられている。ハイブリッドシステムも洗練度を高めるためにきめ細かいチューンを施した。
多人数乗車でロングドライブをすることが多い人、快適性能にこだわる人にはフィットシャトルがいいだろう。上級クラスから乗り換える人でも満足度は高い。インテリアの質感はホンダ基準のままだが、ちょっとだけ見栄えはよくなった。
日常の機動性はフィットが勝っている。取り回しや駐車はラクだ。また、価格差も意外と大きい。15X同士で比較すると約15万円、ハイブリッドになると20万円以上も安いのだ。買い得感にこだわるならフィットがいいだろう。
プリウス一族のプリウスαは、そのネーミングからわかるようにプラスアルファの実力と魅力を備えたハイブリッドカーだ。ワゴン的に使える5人乗り仕様に加え、3列目のシートを必要とするユーザーのために7人乗りのミニバンを設定した。その5人乗り仕様は、同じような性格のフィットシャトルにとって手強いライバルとなる。
プリウスαは全車ハイブリッドカーで、アトキンソンサイクルの1.8L、4気筒エンジンに駆動用と発電用、2つのモーターを組み合わせた。5人乗り仕様はニッケル水素バッテリー、7人乗り仕様は軽量コンパクトなリチウムイオンバッテリーだ。
プリウスから受け継いだ独創のハイブリッドシステム、THSIIは無駄なくエネルギーを回収し、充電する。また、アイドリングストップに加え、走行中もエンジンを停止させてモーターだけでの走行を可能にした。両車ともエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドカーだが、10・15モード燃費、JC08モード燃費ともにプリウスαが少しだけリードしている。

かなりお買い得のフィットシャトル

最強のライバルは身内の人気車だ!?

最強のライバルは身内の人気車だ!?

ハイブリッドの走りの印象は大きく違う。フィットシャトルはフツーの乗用車の走行フィールだ。違和感がまったくなく、すぐに馴染む運転感覚である。プリウスαは走行中にエンジンが停止するし、EVモードで短距離を走るなど同乗者もわかるほどインパクトがある。
動力性能は互角。スペックを見るとプリウスαが優位に立っているようにみえる。が、ホンダのIMAは軽快なパワーフィールだ。ドライバビリティも優れている。しかもクルマが軽いから非力とは感じない。
燃費は街中の走行シーンならプリウスαに負けるだろう。だが、高速道路を主体とする走りなら優位に立つ。静粛性はプリウスαがちょっとリードだ。走りの上質感、身のこなしの軽やかさは甲乙つけがたい。プリウスαの上級グレードは50偏平の17インチタイヤを上手に履きこなしている。
キャビンは、ボディサイズが大きく、ホイールベースも長いプリウスαのほうが広く快適だ。スライド機構を備えた2列目シートを後方にセットすると足元スペースはかなり広い。新設計の薄型シートも座り心地がよく、寛げる。ただし、ラミネートウレタンを挟み込んだフィットシャトルのシートも心地よい上々の座り心地。ボディサイズを考えれば、こちらも大満足の広さである。
ラゲッジルームは両車とも群を抜く広さだ。特にフィットシャトルは文句なしの積載量を達成した。ダブルヒンジ構造のフロアボードも便利。アレンジモードも充実するなど、使い勝手のよさが際立つ。荷室の広さと使い勝手にこだわる人はフィットシャトルを選んだほうがいいだろう。
プリウスαのラゲッジ容量は535Lだ。が、アンダーボックスの60Lを差し引くと実質は475Lになってしまう。ただし、後席のスライド機構を使って荷室の奥行きを自在に変えられるのは大きな魅力だ。
快適装備と安全装備が充実しているのはプリウスα。ベースグレードでも不満のない装備内容だ。フィットシャトルは最上級グレードを選ばないと物足りなく感じる。インテリアの質感もフィットシャトルよりは高い。
ただし、似たグレードで比較するとフィットシャトルはかなり買い得と感じられる。価格差は60万円以上だ。最上級グレードを選び、HDDナビやサイド&カーテンエアバッグなどのオプションを付けてもプリウスαよりも出費は少ない。
また、プリウスαは5万台以上のバックオーダーを抱え、納車は1年も先になる。ハイブリッドカーの購入を考えて人は、エコカー減税の期間内に納車が可能なフィットシャトルを候補に加えてもいいと思う。

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グーネットマガジン編集部

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