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更新日:2020.07.21 / 掲載日:2017.12.03

なんだ?これは!?脅威のナンバー付きレーシングカーSR4 1.5 竹ちゃんマンが緊急試乗!

公道で走行可能なレーシングカー

レーシングカーそのものの迫力あるフォルムは、公道での注目度も抜群だ。コックピットもスパルタンで気分が盛り上がる

レーシングカーそのものの迫力あるフォルムは、公道での注目度も抜群だ。コックピットもスパルタンで気分が盛り上がる

【本記事は2009年3月にベストカーに掲載された記事となります。】三島市の我が自宅からわずか2km足らずのところに、おもしろいクルマ屋があり、しかも試乗もさせてもらえるというのでホイホイと出かけたところ、これがたまげた。なんと、ル・マンのレーシングカーをスケールダウンしたような2シーターオープンカーが、しかもナンバー付きで止まっていたからだ。しばし見入っていると「車検も通ってますし、どうぞ乗ってください」と販売するSTOのオーナー坂倉氏が声をかけてくれた。こいつの正体は、英国ラディカル社(ル・マンのLMPクラスに出場し、’06年に20位でゴール)のSR4と呼ばれるマシンで、オートバイのエンジンとミッションを使ったスポーツカーだ。しかも日本仕様は公道での走行が可能なように製作されているのだ。

フォーミュラカー気分を味わえる

タイトながら2座席あるコクピットはスパル

タイトながら2座席あるコクピットはスパル

さっそくコックピットへ乗り込むのだが、これがけっこう大変。ボディサイドをまたいで、足をシートに乗せ、あとは足から身を滑り込ませてシートに収まるというやり方はレーシングカーそのもの。しかも着座位置も地面すれすれに寝そべるスタイルで、フォーミュラカー気分なのだ。コックピットは、近代的な装備によってレイアウトされている。カーボンのダッシュパネルには水温、油温、油圧はもちろん、4000回転から始まるシフトライトインジケーター、スピードメーターが組み込まれた液晶ディスプレイを装備する。もちろん、公道走行に必要なウインカーレバーやホーンスイッチもあるぞ。ただし前方にはシンプルなエアロスクリーンが装着されるだけでワイパーはなし。雨天時は走行禁止ってわけだ。屋根もないしのう。

レーシングカーでのナンバー取得方法

レーシングカーでのナンバー取得方法このようなフォーミュラでありながら車検が取れるようにするために、STOでは、ラディカル社にさまざまな要望を出している。まず、灯火類がきちっとしていなければならない。ヘッドライトが規定の高さを満たし、ウインカーも規定通り装着しなければならない。ブレーキランプも必要だ。安全上ミラーも必須。細かいところでは、3点式シートベルトの装着というのもある。フォーミュラなのに、引き込み式のベルトがついているのだ。さらに英国仕様はイグニッションボタンだが、日本仕様にはハンドルロックに連動するスターターキーが装着される。停車するためのサイドブレーキもちゃんとある。英国よりも厳しい日本の排ガス規定に合わせて、エンジンプログラムが調整され、触媒も取りつけられている。クラッシュテストは免除されているが、その代わりクラッシャブルゾーンとして、フロントに75cm、サイドに13cmの構造体が存在しなければならない。一番のハードルは、メーカーの製造証明だ。ラディカル社は、英国でメーカーとして認められているため、製造証明を発行してナンバーが取れる。これがバックヤードビルダーだと製造証明が出せないので、日本ではナンバーが取れないのだ。以前ベストカーで紹介したシュパンポルシェやガレージリボンのF3000マシンは、保安部品など必要なパーツを取り付け、おそらくメーカーから製造証明を発行してもらうことで、ナンバーを取得しているハズ。

公道を走るフォーミュなラらではの快感なのだ!

軽くてパワフルなのだから、楽しくないわけがない。パワーウェイトレシオは2.04kg/psと高レベル。パドルシフトで、あっという間にスピードが上がる

軽くてパワフルなのだから、楽しくないわけがない。パワーウェイトレシオは2.04kg/psと高レベル。パドルシフトで、あっという間にスピードが上がる

公道を走るフォーミュなラらではの快感なのだ!イグニッションスイッチをオンにしてスターターボタンを押すや、ババババッと背後から刺激的なサウンドがわき上がる。始動はいたってイージーだ。さすがのワシもまずは慎重に走り出すが、これが思いのほかイージードライブなのだ。ミドにマウントされたエンジンはスズキのバイク、ハヤブサの1.3Lを1.5Lにスケールアップし、1万500回転で250psを発生する驚きのスペックが与えられたもの。しかし、フレキシブルさもあって街中でもけっこうスムーズに走ってくれるのだ。パワステなしのダイレクトなハンドルも、動き出せば女性でも充分に操作できる重さだ。ブレーキやクラッチも踏み込んでみれば適度な重さで、扱いやすい。とはいえ、こんなクルマだから、街乗りは新鮮のひと言だ。全長3660×全幅1630×全高1080mmというサイズは、取り回しも意外と悪くないのだが、レースカーそのもののスタイルは「コイツは本物のレーシングカーだぜ、みんな驚いたか!!」なんて、変な優越感をいだいてしまいそうになる。案の定、注目度も満点で、通行人から注がれる視線は、チョッピリとハズかしさもありだが、これがむしろ快感でしたな。寝そべったドラポジから眺める景色はいい感じ。自転車に乗った女子高生とすれ違ったりすると、いけない気分になってドッキリものじゃった。

いざ高速道路へ

フルハーネスのシートベルトをしていると、料金所では手が届かない

フルハーネスのシートベルトをしていると、料金所では手が届かない

SR4の真骨頂は、やっぱり高速ステージ。そんなわけで高速道路へ。料金ゲートで手が届かずという思わぬハプニングもあったが、走り出せば快感炸裂だ。250psのレーシングスペックエンジンに加えて、ボディ重量はわずか510kg。パワーウェイトレシオは、2.04kg/ps。ちなみにエボXで5.1kg/ps、GTIRスペックVでさえ3.46kg/psレベルだから、これはスゴイ!1万回転以上へそれこそ一気にハネ上がるエンジンを駆使しての加速は、強烈そのもの。2~3速あたりでは、首に力を入れ、身構えていないともっていかれそう。サウンドもスーパーバイク並みで超快感だ。高速道路とはいえ、3速全開を楽しんでしまうと、即スピード違反。これ以上はサーキットです。シフトがなにげにゴキゲンだった。発進や停車時こそクラッチの操作が必要だが、パドルシフトによる6速シーケンシャルのドグミッションは、アップ時はアクセルカット、ダウン時はオートブリッパーが作動するシステムだから、アップ、ダウンはそれこそ一瞬で完了。しかもギアチェンジはエアコンプレッサーが行なうのだが、動作音が気持ちいいのだ。SR4の本領発揮はサーキットだろうが、公道がメッチャ楽しい。オマケにふたり乗りだから、ガールフレンドとのドライブもOK。タイトなコックピットも互いに体が触れあって、ヒートアップしそうではないか。SR4は、1L、76psモデルが790万円~、1.5Lモデルが1100万円~とチト高いが、本格的なレーシングカーが公道で楽しめるというのは、なかなかすばらしいゾ。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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