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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03

Z旗上がる!! その名もエロメカボディでフェアレディZ衝撃的デビュー!!

書道の“とめ、はね、はらい”をイメージ

全幅は30mm広がったが、全長が65mm、ホイールベースが100mm短縮されたボディはZ33よりも凝縮感がある。真横からのフォルムは初代S30Zを彷彿とさせるが、もちろん、それは意識してのことだ。ホイールはバージョンSとSTが鍛造レイズ製の19インチで、この仕様には曙ブレーキ製の4輪アルミキャリパー対向ピストンが奢られる

全幅は30mm広がったが、全長が65mm、ホイールベースが100mm短縮されたボディはZ33よりも凝縮感がある。真横からのフォルムは初代S30Zを彷彿とさせるが、もちろん、それは意識してのことだ。ホイールはバージョンSとSTが鍛造レイズ製の19インチで、この仕様には曙ブレーキ製の4輪アルミキャリパー対向ピストンが奢られる

【本記事は2009年1月にベストカーに掲載された記事となります。】写真で見るよりもずっといい、というのが初めてZ34、ニューZの実車を見た印象だ。独特のブーメラン型のヘッド&テールライトもよく似合っている。「このカタチは書道の“とめ、はね、はらい”をイメージしたもので、Zにはどうしても和の要素を入れたかったんです」とはデザインスタッフ氏の言葉。従来型Z33よりもホイールベースを100mm縮めた2550mmとし、全長も65mm短い4250mmとしたボディは凝縮感があり、グラマラスに盛り上がったリアセクションがZ33以上の迫力を醸し出す。このフォルムに“とめ、はね、はらい”のライト形状がぴたりとハマっているのだ。担当の個人的感想にすぎないが、ニューZのデザインは「かなりいい!」といってしまおう。Z34を見て初めて、Z33のスタイルが古く感じてしまったが、それが理想的なフルモデルチェンジというものなのだろう。ニューZのアピールポイントは大きく分けて3つに絞られる。「ハイパフォーマンス」「デザイン」「ハイバリュー」の3つだ。

エンジンはスカイラインと同じVQ37VHR型V6、3.7L DOHC・VVEL

エンジンは336ps/37.2kgmを発生するV6、3.7Lを搭載。バルブ作動角・リフト量連続可変システムのVVEL付きでレスポンスはバツグン

エンジンは336ps/37.2kgmを発生するV6、3.7Lを搭載。バルブ作動角・リフト量連続可変システムのVVEL付きでレスポンスはバツグン

エンジンはスカイラインと同じVQ37VHR型V6、3.7L DOHC・VVEL。スカイラインの333psに対し、排気系を改良することで3psアップの336psを実現し、最大トルクは37.2kgmと、こちらもスカイラインより0.2kgm上をいく。車重は最も軽い標準グレードの6MT車でZ33と同じ1480kg。歩行者保護など厳しくなるいっぽうの安全規制をクリアしつつ、装備の充実(VDC、サイドエアバッグ標準など)を図りながら重さを同等に抑えるというのは難しく、「従来どおりの開発では1590kgになっていた」(湯川伸次郎CPS)というから実質的には約110kgの軽量化を果たしたことになる。これはアルミ材を使ったエンジンフードで0.8kg、ドアで10kg、バックドアで9.1kgの軽量化など、細かな努力の積み重ねによるものだ。パワーが上がり、重量を同じに抑えたことで、パワーウェイトレシオはZ33の4.7kg/psから4.4kg/psに向上。これがセールスポイントのひとつである「ハイパフォーマンス」につながっているというわけだ。もちろん、動力性能はZ33を大きく上回っている。トランスミッションはシンクロレブコントロール付きの6速MT(バージョンSとSTに標準)と7速AT。シンクロレブはシフトダウンの時に自動で回転を合わせてくれるシステムで、MTでは世界初の装備だ。7速ATにはマグネシウム製のパドルシフトが装備され、こちらもシンクロレブコントロールが付く。この7速ATは「ほとんど滑りを感じない、MTのようなAT」と開発スタッフが胸を張るもの。

Zの伝統、鮮やかオレンジ色

従来型Z33に比べて質感が「飛躍的に」向上したインテリア。写真のオレンジの本革シートはバージョンTとSTで選ぶことができる。インパネ中央上の3連メーターなどZの伝統もしっかり残っている

従来型Z33に比べて質感が「飛躍的に」向上したインテリア。写真のオレンジの本革シートはバージョンTとSTで選ぶことができる。インパネ中央上の3連メーターなどZの伝統もしっかり残っている

インテリアはZ33に比べて、「飛躍的に」といえるほどクォリティが上がっている。ドアトリムやニーパッド、センタークラスターパネルなど、体が触れるところには上質なソフトパッドを配し、柔らかさを表現。また、操作部分はすべて統一した感触とし、「しっかりした道具を使っているような感覚」(開発スタッフ)に作り込んでいるという。3連メーターなどZの伝統に則ったデザインになっているのも開発陣のこだわりの部分。バージョンTとバージョンSTに標準となる本革+スウェード調シートはオレンジ、グレー、ブラックの3色が設定され、特にオレンジ色はZの伝統ともいえるもので、実に華やかだ。また、Z33にあったトランクルームのストラットバーをなくして使い勝手をよくしたほか、シート後方の収納スペースは2倍の容量を確保するなど実用性も向上している。2シータースポーツのZだが、日常の使用に耐えられる「デイリーユーススポーツカー」ということで、このあたりはGT-Rとは根本的にコンセプトが異なるところなのだ。「ハイバリュー」を謳う価格は、標準6MT車の362万2500円からバージョンST7AT車の446万2500円までで、Z33からの価格アップは21万~46万2000円。すべてのスペックが向上し、装備も充実していることを考えれば、確かに頑張った価格といえるのではないだろうか。そもそもGT-Rの半額以下で、このシルエットの大パワースポーツカーが買えるというのが嬉しい。ニューZはZ33よりも23カ国多い120カ国で販売される。世界中のZファンがそのデビューを祝福している!

Zの柳田プロトタイプに乗る

Zの柳田プロトタイプに乗る北海道陸別の日産テストコースにて、プロトタイプのニューZに試乗する機会を得た。走らせたのは「Zの柳田」こと柳田春人。さっそく、その気になる印象を聞いてみた!初めて実車を見た時は「車高がやけに高いな」と思ったけど、同時に初代S30を意識しているのも感じた。S30の現代版という感じで個人的には好印象を持ったね。Z33に比べて、すべてに高級感があるんですよ。ボディにボリュームがあるし、商品価値は高いと思いましたね。クルマだけじゃなく家電製品でもなんでもそうなんだけど、新しいのが悪いわけがない。ニューZも格段によくなっているのは確かなんだけど、ただ、3.7LになったエンジンはZ33の3.5Lに比べて大幅によくなったとは思わなかったんだよね。スカイラインクーペと同じエンジンなんだけど、スカイラインのほうがなぜかトルクが大きく感じるんですよ。今回はMTしか乗れなかったんだけど、今度はぜひATで試してみたいね。スカイラインクーペもそうなんだけど、この3.7LエンジンはMTよりATとの相性がいいように思うんだよね。ATならたぶん印象も変わるはず。ただし、高速スタビリティをはじめ、ハンドリングはすばらしいよ。どっしりしていて乗り心地もいいし、ボディ剛性を大幅に上げているのが効いてるんだと思う。ピッチングもなくなったし、コーナリングもZ33に比べてシャープで限界もだんぜん高くなってるし、ホイールベースを短くしながらこれだけの高速安定性を出すのは大変だったと思うけど、よくできてると感心したね。ハンドリングは二重丸でしょう。

写真で見るよりずっといいスタイル

シート後ろの収納スペースはZ33に対して2倍のスペースを確保して、実用性を向上

シート後ろの収納スペースはZ33に対して2倍のスペースを確保して、実用性を向上

室内はZ33より広さを感じるし、内装の質感はもう2倍くらい上がってる。内装はZ33の弱点だったんだけど、ここは見事な進化ぶりをみせてくれたね。走りも大事だけど、お客さんにとってはこういうところのクォリティも重要なんで、いい仕事をしたと思いますよ。注目のシンクロレブコントロール付きの6速MTは、最初は戸惑うかと思ったけど、すばらしい仕上がり。回転の合わせ方と速さはシューマッハよりうまいんじゃないかと思うくらいで、意地悪してシフトアップするふりをしてダウンしてみたり、いろいろやってみたんだけど、見事に対応してた。これはすばらしいシステムですよ。また、ATも7速になったということで、こちらも大いに期待できるんじゃないかな。スタイルは写真で見るよりずっといいし、あのヘッドライトもよく似合ってるよね。値段はZ33よりも数十万円上がったらしいけど、それでもぜんぜん安いよ。ただ、軽量化のためにオイルクーラーが付いてないのが気になったね。今回の試乗中もオイルの温度が上がってセーフティモードに入ったりしてたから。まぁ、それはウチ(セントラル20)でしっかり対応するから、気になるお客さんはウチにきてもらうとして(笑)、全体的には納得のいくモデルチェンジになってたんじゃないかな。商品力は大幅に向上してますね。

湯川伸次郎CPS&柳田春人対談 ニューZを語る

湯川伸次郎CPS&柳田春人対談 ニューZを語る最後は湯川伸次郎CPSと柳田春人の「ミスターZ」対談。Zの話は止まらない!柳田 最初に私から伺いたいんですが、ニューZの最大の売りはなんですかね?湯川 ひと言でいうと全部ジャンプアップさせたということです。Z33で続けてきたことを凝縮して、いいところを全部伸ばしたと。そのいいところとは動力性能であるとかFRらしいハンドリング。安心してステアリングがきれるハンドリングですとか、そういうところを思いきり飛躍させたことが一番の売りですよ。Z33の雰囲気を残しながらZ33ではいきつけない領域にいったというのが今回の「ジャンプアップ」なんですね。ホイールベースを縮めてもスタビリティは上がってますからね。柳田 スタビリティはすごく上がってますね。それとZ33の初期型にあったピッチングもないし、外周路を回った時の安定性もすごくよかったですよ。湯川 ヨーが入った時のスタビリティはもちろんですが、特に接地感を上げているんですね。安定性が高く感じるというのはそういう部分ですね。先週、アウトバーンにいって最終確認しましたけど、圧倒的にスタビリティが高いから、すごく安心して走れましたよね。柳田 何km/hまでいきました?湯川 7号線で250km/hまで。ケイマンSと一緒に持っていって。ポルシェは好きな人にはたまんない世界なんでしょうけど、250km/h以上で安心してステアリングをきれるのはやっぱりZの特徴なんでね。ナーバスなところをスキルで補いながら楽しむというのがポルシェの世界なんでしょうけど、Zの場合はZ33だけでも25万台売ってるんで、お客様のスキルの幅が広いわけですから、やっぱりスタビリティありきで作るのがZのポリシーですよね。柳田 音に関してはあれが限界ですか?湯川 もっとやりたいんですけど、限界ですね。音量規制の緩い北米のクルマに乗ってもらうと楽しいですよ。柳田 シンクロレブはありそうでなかった商品ですよね。ずっと前からあってもいいような技術なんだけどね。湯川 よく今まで誰もやらなかったなと。柳田 あれって特許みたいなものがあるんですか?湯川 パテントはいろいろ出してますよ。柳田 真似したいところはたくさんありそうですからね。難しい技術なんですか?湯川 システムとしてはシンプルですね。ただ、ギア位置を判読するのはけっこう複雑ですよ。例えばシフトアップするぞという雰囲気で急にダウンしてもちゃんと反応しますから。柳田 ブレーキも180km/hから60km/hまでのフルブレーキを2~3回試したけど、すごく安定している。湯川 あのブレーキはいいですよ。ブレンボをあえてやめたのは、曙さんであれを作ってくれたからですよ。ローター径が355mm。今のブレンボは324mmですから2サイズくらいアップしてる。あれくらい見栄えがよくないとね(笑)。

今回のクルマの完成度は何点?

柳田 今回のクルマの完成度は何点くらいですか?湯川 100点で出したかったんですけど、たぶん90点くらいですね。柳田 その10点足りないところは?湯川 う~ん、ひとつは乗り心地をもう少しシャキッとさせたかったなと。多少まだ丸っこいところが残ってるんですよね。乗り心地をよくしすぎた感があるんですよ、僕にとっては。かなりパッセンジャーに近づいた乗り心地になってる。柳田 僕は新しいZに乗った時に感動したんですよ。ずいぶんよくなったな、努力したなって。でも、乗り心地をシャキッとさせるというのは固くなるんじゃないですか、足回りは。湯川 路面のショックをいなす時の「トントントン」というリズム感がもう少しほしいなというのがあって。柳田 サスストロークがありすぎるという感じなんですか?湯川 いや、ストロークはわりと役に立ってる。リアはバウンド側のストロークが75mmくらい取れてるんですよ。このストロークがあるからけっこうしなやかに動かせてる部分があるんですけど、「トントントン」じゃなくて、多少「フワッ」という感じが残ってるのがちょっと気になるんですよ。柳田 ボディを含め、クルマ全体の剛性はすごく上がってますよね。湯川 そこは感じてもらえると思います。Z33よりかなり上げてますから。例えばねじり剛性なんか70%くらい上げてますからね。柳田 そうじゃないとフルブレーキの時の安定性が出ないですからね。あと今後の進化はどう考えてますか?湯川 Z33はたぶん出した時に70点といったと思うんですね。70点だから100点に近づくように頑張った。今回は、本当は「100点でできましたからもう何もやりません」といいたかったんですけど、やっぱりクルマ作りに100点はありえないなというのがあって。エンジンサウンドも多少やんなきゃいけないと思いますし、あとはパフォーマンスで、ほかがきた場合に太刀打ちしなきゃいけないので。ポルシェの動きを予想しながら、どこかのタイミングで遜色ないようなテコ入れを1回はしなくちゃいけないと思ってますね。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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