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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.04

ビアンテはミニバンの児雷也だ!!

ビアンテのエクステリアはマツダDNAの集大成 ボディサイズは全長4715mm、全幅1770mm、全高1835mm、ホイールベース2850mm。ノアなどに比べて全長と全幅は一回り大きい印象だ

ビアンテのエクステリアはマツダDNAの集大成 ボディサイズは全長4715mm、全幅1770mm、全高1835mm、ホイールベース2850mm。ノアなどに比べて全長と全幅は一回り大きい印象だ

【本記事は2008年8月にベストカーに掲載された記事となります。】ビアンテを見て真っ先に連想したのが児雷也だ。あの切れ長……、というにはあまりにもスウッとフェンダーラインに沿って流れるようなヘッドライト(と、つながるガーニッシュ)はどう見ても歌舞伎の隈取りメイクを思い起こさせる。なんとも特徴的なフロントマスクだ。「フロントセクションが長いと皆さんから指摘されるんですが、実はそんなことないんです。デザイン上の錯覚で長く見えるようにしていますが、実際にルーフの長さとホイールベース、全長との関係を見ていただければおわかりいただけると思いますが、キャビンスペースは一般的なBOXタイプミニバンと大体同じとなっています」と言うのは小泉巌チーフデザイナー。

デザインも室内の広さも盛り込んだのがビアンテ

セカンドシート3変化で使い勝手は自由自在

セカンドシート3変化で使い勝手は自由自在

マツダにとってボンゴフレンディが生産を終了して以来3年ぷりの2LクラスのBOX型ミニバンとなるのがビアンテ。いまや販売の主流となっているこのクラスには、日産セレナトヨタノアヴォクシーホンダステップワゴンと、売れ筋人気モデルがひしめき合っているだけに、最後発となるマツダはこれら定番人気車たちに負けない魅力が必要不可欠。「とにかく最も重視したのがマツダのDNAである走りのよさ、Zoom-Zoomを感じていただくということ」と開発責任者の精地秀哲主査はいう。「それはなにもハンドリングがスボーツカーなみだとか、エンジンが超強力だとかいうことだけではないと思うんです。ドライバーが運転して楽しいということはモチロンですが、多人数乗車のクルマですから、同乗者にも乗っていて楽しさを感じてもらえることが大切。ワクワクするような気持ちになれることが必要だと考えました。そのためにはデザインも思い切ったものにする必要があったし、室内の広さも必要。これらを盛り込んだのがビアンテです」と精地主査。

最広をアピールするビアンテの室内空間とは!?

広々室内空間も実体感 ビアンテは「最広」をキーワードに、室内の広さをアピールする。身長176cmの編集部ウメキが適切なドラポジを取った状態で2列目はこのとおりの広さ。

広々室内空間も実体感 ビアンテは「最広」をキーワードに、室内の広さをアピールする。身長176cmの編集部ウメキが適切なドラポジを取った状態で2列目はこのとおりの広さ。

ビアンテのボディサイズは全長4715mm、全幅1770mm、全高1835mm(4WD車は1855mm)。2LクラスのBOXミニバン、ということになるが、ボディサイズは5ナンバーサイズをキープするセレナやノア/ヴォクシー、ステップワゴンなどと比べてちょっと大きい。特に全幅は5ナンバー枠を大きく70mmも超えており、間近で見ると大きさを感じる。4700mmを超える全長もノア/ヴォクシークラスと比べて120mm程度長くなっている。マツダには5ナンバーサイズに適応するこのカテゴリーのプラットフォームがない、というのが苦労したところだろう。アテンザもアクセラもプレマシーもすべて全幅は1700mmを超え3ナンバーサイズ。ビアンテはプレマシーとプラットフォームのベースを共用することからもどうしても全幅が1700mmを超えてしまうのだ。ならば、ということで徹底的に取り組んだのがこのクラスで最も室内空間を広くすること。数値的なことだけではなく、シートのクッション厚や座り心地なども含めた、室内居住性に対する徹底的なこだわりだ。2列目シートはシート座面横幅片側640mmあり、ものすごくゆったり使うことができる。座面前後長は475mmでまあ一般的だが、クッションの厚さがタップリで座り心地は快適。この2列目シートは、センターから2分割して左右にスライドするのがビアンテのポイント。つまり、2列目シートをベンチタイプとして使うこともできるし、分割スライドして左右独立型シートとして使うこともできるというわけ。独立タイプとして設定すると、ゆったりくつろいだ居住空間となる。全幅1770mmというワイドボディを生かした室内空間だ。ちなみに室内幅は1545mmあり、ノア/ヴォクシーの1470mmと比べて75mmも広い。この広さが左右スライドを可能としているのだ。この2列目シートにはさらに仕掛けがあり、ベンチタイプの状態なら3列目シートをチップアップして最後端までスライドさせたうえでロングスライドすることができる。2列目シートを一番後ろまで下げると、座面前端部から前席シートバックまでの距離は実測870mm。これだけ広いとこのスペースで丸まって寝ることも可能なほど。シートに座ると前方にスペースがありすぎてかえって落ち着かないほどでした。

サードシートも「最広」の名に恥じない!!

広々室内空間も実体感

広々室内空間も実体感

そしてミニバンなら気になる3列目シートの空間だが、ここにもマツダ開発陣のこだわりがある。一般的には左右5対5分割で跳ね上げ式収納というのがこのクラスのパターンなのだが、ビアンテの3列目シートは座面が左右一体型でシートバックのみ5対5可倒式となっている。収納時は座面を跳ね上げるチップアップ方式。この方式だと荷室の広さが確保しにくくなるという弱点はあるのだが、ガッチリしたシートを作ることができるのだ。なるほど、特に座面のクッションの厚さが2列目とほぼ同等で座り心地がいい。3列目座面の左右長は1260mmあり大人2人が余裕で座れるスペース。座面前後長は資料では475mmと2列目シートと同じサイズとなっているが、実測値では440mm。実際に座ってもちょっと短く感じたが、モチロン許容範囲。ただ、シートバックの高さが490mmとやや低く、肩口をカバーし切れていなかったのがちょっと残念。せっかく跳ね上げ収納をあきらめたのだから、思い切ってシートバックをもっと大きくしてくれたら、3列目の座り心地が格段によくなったと思うのだ。

ちょっとお値段高くありませんか? ビアンテのお値段をライバルと比較する

ビアンテに設定されるグレードは3タイプ。2L直4エンジン(151ps/19.4kgm)搭載車2タイプに2.3L直4エンジン(165ps/21.4kgm)搭載車が1グレード。2.3L車はFFのみで2L車にはFFと4WDが設定されている。トランスミッションはFFモデルが5速ATで4WDモデルが4速ATとなる。2.3Lモデルは265万円でビアンテのイメージリーダグレードとなるのだが、やっぱり売れ筋は2Lということになろう。エントリーグレードとなる20CSは219万9000円でノア/ヴォクシーのX(203万7000円)、セレナ20S(213万1500円)、ステップワゴンのG(213万1500円)と比べるとちょっと割高に感じる。ボディサイズなどから見た車格的には、ビアンテはこれらのクルマよりちょっと上、という微妙な位置づけなのだが、やっぱりユーザーはこれに3強と比較する。せめてカーナビ標準装備などといった「特典」があれば割安感を演出できるのだが、ビアンテはオーディオレスが標準でカーナビ&オーディオは全グレードとも34万1250円のメーカーオプション。価格に関しては「もう一声!!」といいたいところだ。20CSと20Sの見た目の違いはフロントマスク。バンパー開口部の形状が違っており、一目で違いが認識できる。ビアンテらしさはやっぱり20S、23Sのフロントマスクだなぁ……。装備ではディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、リアルーフスポイラー、アルミホイールなどが20Sには標準装備となっており、これが20S=240万円、20CS=219万9000円という価格差となっている。エンジンや室内のシート機能などはグレードによる違いはない。さてビアンテ、2L BOXミニバンの3強にどう食い込むか!?

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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