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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.29
【マツダ】最新の安全技術「i-ACTIVSENSE」

グーネット編集チーム
2017年4月にリリースされたマツダのデミオには、先進の安全技術である、「i-ACTIVSENSE」が標準装備され話題を呼びました。
マツダでは、2017年度中にこの「i-ACTIVSENSE」を、国内で販売される現行車種のほぼ全車に標準装備することを発表しています。
安全・安心な車を提供するマツダの第1弾の「i-ACTIVSENSE」標準搭載車種がデミオでした。
「i-ACTIVSENSE」開発の背景
「i-ACTIVSENSE」が生まれた背景
マツダの安全・安心の技術開発は、危険自体を回避するアクティブセーフティを重視した考えに基づき、危険な状況になってから回避するのではなく、危険な状況になる前に回避するマツダの安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」の基本理念によるものです。
この考えを具現したのが「i-ACTIVSENSE」という統合的な先進安全技術です。
あらゆる運転環境を想定し、ドライバーの認知・判断・操作を的確にサポートすることによって、事故の発生のリスクを最小限にとどめます。
「i-ACTIVSENSE」の名前の由来とは?
「i-ACTIVSENSE」という名称は、英語のIntelligent(賢く)の頭文字を取り、Active(積極的に)とSense(感覚・認知)を組み合わせた造語です。意味としては、ドライバーがリスクとなる状況を認知することを賢く積極的にサポートするということになります。
このネーミングは、ドライバーが主体的に危険を積極的に回避できるような車づくりを目指すマツダの安全思想そのものを表現しています。
「i-ACTIVSENSE」の特徴
ここでは、「i-ACTIVSENSE」の特徴について、アクティブセーフティ技術とプリクラッシュセーフティ技術に分け紹介していきます。
アクティブセーフティ技術
「i-ACTIVSENSE」におけるアクティブセーフティ技術というのは、事故を未然に防ぐために開発された技術となります。
AFS(アダプティブフロントライティングシステム)
スピードとステアリングの舵角に応じて、ヘッドライトを照射するシステムです。夜間走行中のカーブなどで、ドライバーが進みたい方向を照らしてくれるので、前方の歩行者や障害物をいち早く視認することができます。
HBC(ハイビームコントロール)
対向車や先行車を検知して、ヘッドランプのハイビーム・ロービームを自動で切り替える機能です。AFSと組み合わされることで、より遠くの視認性や認知度合いを高めることができます。
MRCC(マツダレーダークルーズコントロール)
ミリ波レーダーで先行車との速度差や車間距離を認知し、速度を自動でコントロールする機能です。設定した速度内で車間距離を自動で保ってくれるので、高速道路での長距離移動に力を発揮します。
RVM(リアビークルモニタリングシステム)
準ミリ波レーダーによって、ドライバーの死角になりやすい隣のレーンや後方からの車の接近を検知する機能です。警告灯で方からの車の接近を知らせているときにウインカーを出すと、ドライバーに警告音で衝突の危険性を注意喚起します。
LDWS(レーンデパーチャーワーニングシステム)
車線逸脱警報システムとも呼ばれますが、車が車線を逸脱することを予測し、警告灯や警告音を発して、車線逸脱を回避する機能です。居眠り運転や注意が散漫になったときに起こる事故を未然に防止する働きをしてくれます。
FOW(フォワードオブストラクションワーニング)
ミリ波レーダーで前方の車や障害物との距離を感知し、衝突の可能性がある場合に警告灯や警告音で運転手にブレーキを促す機能です。
認知支援の技術
夜間走行時の安全性を確保。対向車や先行車がまぶしくないようLEDライトを部分消灯しながら、ハイビームを継続できる機能をはじめ、市街地走行や高速走行など、走行状態に応じたライトを自動制御する技術により、ドライバーの危機認知をサポートします。
また、目視では死角となる斜め後ろや後方左右から近づく車両をモニタリング、交通標識を認識して情報を表示するなど、事故の可能性をドライバーへ警告します。
運転支援の技術
高速道路走行時など、先行車と一定の距離を保ち追従するクルーズコントロールにより、 より快適でストレスの少ない安全な運転をサポートします。
プリクラッシュセーフティ技術
「i-ACTIVSENSE」におけるプリクラッシュセーフティ技術というのは、事故のリスクを軽減するために開発された技術となります。
SCBS(スマート・シティ・ブレーキ・サポート)
近赤外線レーザーセンサーで先行車を認知し、約4~30km/hでの低速走行中に衝突の危険性が高いと判断した場合、ドライバーがブレーキを踏めば制動力を増やすようにサポートし、ブレーキを踏まなければ自動的にブレーキをかけます。
SBS(スマート・ブレーキ・サポート)
ミリ波レーダーで先行車を認知し、約15km/h以上で走行中に先行車との車間距離が近くなればブレーキを作動させ、衝突の可能性が高まると強いブレーキを自動でかけて被害軽減や衝突の回避をサポートします。
AT誤発進制御
車が停車している際に、レーザーセンサーが前方に障害物を検知し、アクセルを強く踏み込むと、ドライバーに警告するとともにエンジン出力を自動で抑えて、誤発進を制御する機能です。
衝突回避/被害軽減の技術
前方車両との距離や動きをカメラや赤外線レーザーで検知し、ブレーキを自動でかける衝突被害軽減ブレーキや、AT車のペダルの踏み間違いによる事故を低減する技術。
よそ見や疲れによる注意力の低下、操作ミスなどの事故を未然に防ぎます。
「i-ACTIVSENSE」の社会的な評価

グーネット編集チーム
i-ACTIVSENSE搭載車が最高ランクの安全評価を獲得
2018年度自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価において、マツダのi-ACTIVSENSEを搭載したモデルが最高ランク「ASV+++」を獲得しました。
この予防安全性能評価は、2017年度まで、車や歩行者との衝突回避や衝突被害軽減を支援する被害軽減ブレーキ、車線のはみ出しを検知する車線はみ出し警報、バックするときの視界情報を支援する後方視界情報の3つの観点で評価されていました。
2018年度は、これらに加えて夜間の対歩行者被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、高機能前照灯という観点が追加されています。
マツダCX-8が全項目満点で最高評価を獲得
i-ACTIVSENSEを搭載したマツダ CX-8は、2017年度自動車アセスメント(JNCAP)予防安全性能評価において、すべての評価項目で満点という好成績を収めました。
CX-8に搭載されているスマート・ブレーキ・サポート(SBS)やアドバンストSCBS、レーンキープ・アシスト・システム&車線逸脱警報システム(LAS & LDWS)が評価された結果といえます。
多くのメーカーで先進の安全機能が搭載されていますが、マツダは機械に頼り切るのではなく、事故を防ぐためにドライバーを人間中心の発想でサポートするという明確なビジョンを持って安全活動に取り組んでおり、そのビジョンが社会に認められたといえるでしょう。
【国土交通省による自動ブレーキの性能評価】
1位・アクセラ(マツダ) 70.5点
2位・フォレスター(スバル)69.5点
3位・インプレッサ(スバル)68.9点
4位・レヴォーグ(スバル) 68.5点
5位・プリウス(トヨタ) 68.1点
「i-ACTIVSENSE」の安全・安心性能は、マツダ独自の安全思想、「マツダ・プロアクティブ・セーフティ」が高次元で進化していることを、客観的なデータによって証明されました。
マツダが危険な状況に陥る前に回避する考えのもと、開発に向けた真摯な取り組み姿勢が評価された結果といえます。
各自動車メーカーが安全性能の向上に取り組む中、マツダの「i-ACTIVSENSE」の今後の進化が期待されます。
より安全を目指すマツダの取り組み
高齢者による自動車事故が増えている中、マツダは「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」という2つの軸で車づくりを進めています。その安全性能についても、ドライバーである人間を理解・信頼・尊重するという人間中心の考え方に基づいています。
i-ACTIVSENSEを全車標準装備に
マツダは、2012年以降に発売した新世代商品において、ドライバーが主体的に危険を認知して判断し、正しい操作ができる車づくりをコンセプトに開発を行っています。
そして、そのコンセプトを実現させるために、マツダは、2012年以降に発売されたモデルのうち、2017年度中にデミオ、アクセラ、アテンザ、CX-3、マツダ CX-5にi-ACTIVSENSEの標準装備化を行うことを発表しました。
ペダルの踏み間違いの改善
マツダの車づくりでは、人間工学を重視して、自然に足をのばした位置にペダルを配置することで、運転しやすさや疲労の軽減につながるだけでなく、ペダルの踏み間違い防止にも役立っています。
具体的には、右フロントのタイヤハウスの影響で、本来あるべき位置よりも左側に配置されがちなアクセルペダルの位置を見直し、ブレーキをアクセルペダルの踏み間違いが起こりにくくしています。
まとめ
今回は、マツダの最新の安全技術「i-ACTIVSENSE」について、開発の背景や各機能の特徴、社会的な評価、マツダの安全に関する考え方について解説してきました。
自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価で高い評価を受けており、i-ACTIVSENSEは、機能として優れているのはもちろんですが、それに加えて、ペダルの配置を見直すなど、人間中心の車づくりがなされていることがマツダの特徴といえます。