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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2017.07.25
【マツダ】環境負荷を追求したアクアテック塗装とは

goo-net編集チーム
マツダの環境に優しい新塗装技術「アクアテック塗装」は、2015年の「第6回ものづくり日本大賞」の製造・生産プロセス部門で、内閣総理大臣賞を受賞しました。
マツダのクラフトマン・シップを象徴するようなアクアテック塗装について触れてみましょう。
アクアテック塗装の開発の背景
車のエコロジー化は、排気ガスや低燃費などの「自動車環境性能だけではない」ということを、マツダが環境技術の取り組みにより実現しました。
1台の車に関わる部品は、合計約30,000点にも及びます。
その中で塗装は環境に与える影響が少なくありません。
アクアテック塗装は、塗装のクオリティにこだわり、コストと環境配慮を両立させるマツダの着眼点が発想の起点になりました。
マツダのアクアテック塗装は、塗料メーカー・生産技術・技術研究所・ボディ設計・デザインが一丸となって、取り組み開発を行いました。
併せて塗料や塗料を使用する際の機材のエネルギーが効率化しました。
つまり、塗装に使う電気などのエネルギーをエコ化したわけです。
これにより、揮発性有機化合物(VOC)、エネルギー消費量(CO2量)の排出量を、同時に削減したトップレベルの環境性能と優れた経済性を両立させた、新水性塗料システム=アクアテック塗装が実現しました。
今後、車に限らず、塗装業界全体への普及が期待されています。
アクアテック塗装技術の効果
マツダのアクアテック塗装は、塗装工程の中でも塗装品質に重要な役割を果たす中塗りをはじめ、塗装回数を減らし環境負荷物質の大幅削減を実現しました。
そこで気になるのは、塗装の質がどうなるのか、ということです。
実は塗装のエコ化によって、塗装の品質も向上しています。
マツダ車を象徴する熟成した赤ワインのような「ソウルレッドプレミアムメタリック」が、一段と輝きを増しました。
アクアテック塗装の質の向上
アクアテック塗装は、「高性能クリア」「高性能水性ベース2」、「高性能水性ベース1」「電着」の4工程から成ります。
2種類の異なる水性ベース塗装の機能を向上させることで、従来の同じ油性ベース塗料の「中塗り」「ベース」「クリア」行程による重ね塗り、「スリー・ウエット・オン塗装」以上の品質を実現し、塗装面の滑らかさや光沢、飛び石などによる耐久性の向上を実現しました。
アクアテック塗装のポイントは、中塗りの工程をなくしたことです。
国内初の本格的採用となったウレタンクリア塗装+水性ベース塗料で、塗装の耐久性を保つ中塗りの役割を果たしています。
この結果、塗装の持つ美的効果も高めることになり、質とエコの両立が可能となりました。
アクアテック塗装の展望
マツダでは、アクアテック塗装を2009年から本社の広島市の宇部第1工場で初導入し、2012年に全工程の導入を完了しました。
また、アクアテック塗装のラインは、長さがわずか80mで済み、250m以上ある一般的な油性塗装ラインの3分の1以下です。
国内外の各自動車メーカーがマツダのアクアテック塗装に注目し、今後ますます拡大が期待される環境に配慮した新世代の塗装技術と言えるでしょう。