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更新日:2026.10.08 / 掲載日:2026.10.08
ボルボを通じて憧れをコーディネートする専門店「CAR SHOP M」|気になる中古車店探訪

1990年代、クリエイティブな職業、例えばカメラマンやデザイナー、コピーライターなどが多く乗っていたクルマのひとつにボルボ240がある。直線基調の伸びやかなデザインとともに、リア周りをしっかりと四角くすることで高い積載性を確保。特にワゴンにおいては長尺モノも積みやすかった。また、耐久性も高かったことも魅力で、その時期以降、いまに至るまでファンは多く、後継となる850もそのキャラクターを受け継いでいる。今回はこの2モデルをメインに扱うCAR SHOP M(カーショップエム)を訪ねてみた。
ボルボに魅せられて

CAR SHOP Mは神奈川県川崎市麻生区の住宅街の一角にカフェ・レストランバー、LILY CAFÉ(リリーカフェ)とともにある。そのすぐ裏手には認証工場とともにストック車を展示するスペースもあることから、全てが徒歩圏内という便利な立地だ。
店主の間宮淳さんは、子供時代、アイルトン・セナに憧れてカートのレースを始めるほどのクルマ好き。大人になってからもクルマが好きでクルマに関する仕事をはじめ、20年ほど前からボルボ240と850を中心としたCAR SHOP Mを営んでいる。

ボルボに魅せられたきっかけは間宮さんの伯父さんにあった。それまでフェアレディZ(Z32)などのスポーティなクルマに乗っていたが、ライフステージが変わったこともありボルボ940に乗り換え、続いて850Rを手に入れた。「850Rはスペシャルレッドで日本に25台しかないマニュアルだったんです。当時14歳でしたが衝撃的でした。850ってかっこいい、ボルボは格好良いクルマなんだと思いましたね」と当時を振り返る。

大人になり、仕事でクルマ、特に欧州車を扱うようになると、ボルボは独自の世界感とともにメーカー間のヒエラルキーがないことに気付いた。また、自分とユーザーの感性が近いことや、昔憧れていたことも大きく影響し、専門店として成長していくことになったのだ。
そんな間宮さんにボルボの魅力を聞いてみた。「ひとつはデザインですね。古典的なデザインだからこそオシャレが演出できます。そして耐久性に実用性が兼ね揃わるところです」とのことだった。

【ボルボ240・850】四角いボディに宿る哲学
ボルボ240は1974年にデビュー。過去から安全性を最重視するボルボであるから240でもその点はしっかりと踏襲。前述した四角く伸びやかなエクステリアデザインは、乗員の安全性を高めるための意図的なデザインだった。良好な視界だけでなく、例えば衝突時の運動エネルギーを吸収するように効率的に設計されクラッシャブルゾーンや大型バンパーなどを用いていたのだ。またその四角いボディから室内空間は最大限確保されたことも人気の秘密で、1993年までの19年間で280万台という大ヒットとなった。 しかし240の魅力はこれだけではない。1982年からヨーロッパツーリングカー選手権(ETC)や、ドイツのツーリングカーレースシリーズ(DTM)にも参戦し、1985年には14レース中6レースに勝利するとともにETCシリーズのタイトルも獲得。そのボディスタイルから「空飛ぶレンガ」と呼ばれるようになったのだ。
1991年6月、ボルボは850を発表。横置き5気筒エンジンによる前輪駆動、独立懸架サスペンションが持つ運動性能や乗り心地とリジッドサスペンションの耐久性を兼ね備えたデルタリンクリアサスペンションを採用するとともに、側面衝突の衝撃から乗員を守るSIPS、自動調節式フロントシートベルトを採用し、安全性をさらに向上。1994年秋に導入されたモデルからはサイドエアバッグも装備された。 もちろん850もレースに参戦する。1994年の英国ツーリングカー選手権(BTCC)にワゴンボディでエントリーし大注目。残念ながら1995年、レギュレーション変更により、ワゴンでの参戦ができなくなり、セダンへスイッチした。 |
カフェを営むワケ

これまで多くの240や850を扱ってきたCAR SHOP M。当然販売すればメンテナンスも必須だ。自社で認証工場を持っているの安心した整備だけでなく、「長くやっていますので、部品の流通も強くなりましたし、部品取り車もあります」という。また、どうしても手に入らないものなどは、「ワンオフで作ってくれる業者さんとも繋がりがあります」と心強い。
またボルボの純正パーツを使ったカスタマイズ等も行っている。その内容は多岐にわたるが、「サンプルのクルマをご覧いただくなど、お客様とじっくりお話をしながら進めます」と間宮さん。そういった方の参考になればとカフェで商談するそうだ。その理由は、カフェを見れば、どういったカスタマイズになるのかだけでなく、販売するクルマのクオリティもわかってもらえるからだという。

「アトリエを持っている画家みたいなイメージで、僕の感性などを理解してもらいたいんです」と間宮さん。実はお客様の決め手がカフェにあるときもあるそうだ。それは、カフェ全体の雰囲気だけでなく、カフェのスタッフの接客や、キッチンやトイレのきれいさなどが大きく影響するのだとか。
「そういった教育ができるオーナーが作るクルマだったらきちんと仕上げるだろうという信頼感が生まれるようです。以前コーティングをお勧めしたときに、キッチンやトイレを見てここまできれいにするなら大丈夫だと納得される方もいました」と間宮さん。こういったことはCAR SHOP Mの大きな特徴といえる。因みにカスタマイズで純正パーツにこだわる理由は、「不自然な仕上がりにならないようにするため」なのだとか。

そうして購入された方はリピーターになる人も多く、その中には、「見に来ない人や、写真も送らないこともありますね。あなたが良いといっているんだったら大丈夫」と購入していく方もいるとのことで、本当にユーザーとの信頼関係が構築されていることが伺われた。
CAR SHOP Mで扱っているボルボの多くは、一度は間宮さんの手元を通っているクルマだ。当然クルマの素性も明確であると同時に、オーナーから託される場合も多いので、それだけお客様から信頼されている証だ。中には4~5回戻ってきたクルマもあるという。そこで間宮さんは販売時に、「戻してくれるかどうかの確約はないですけども、戻してくださいねといっています」と語っていたのが印象的だった。

【お店のイチオシ中古車】同店得意のフルオーダーカスタマイズが施された240クラシックワゴン
さて、CAR SHOP Mのお勧め車両はボルボ 240クラシックワゴン。1992年登録で、19万5000kmの個体だ。
ボルボ 240クラシックワゴン 価格:ASK 年式:1992年(平成4年8月) カラー:クリームイエロー 走行距離:19万5000km 車検:2027年10月まで 詳細はコチラ >> |
こちらは240クラシックをベースにしたGL仕様で、1992年式。内装はタンレザーで、’80年代のモデルまでに採用されていたスモールウインドウに変更された個体で、機関含めてセミレストアが施されている。240の魅力について間宮さんは、「シルエットプラス実用性」という。そして、これ見よがしの押し出しではなく、「少し控えめな感じで、好きなクルマに乗っているような印象を感じさせること」とのことだった。

オールペイントによって当時の純正色にカラーチェンジ。当時のオーナーが求めるスタイルを実現させたフルオーダーカーで、ホイールキャップやタイヤ、ドアミラーに至るまで当時物の純正パーツでカスタマイズが施されているが、シックな雰囲気に留まっているところが同店のセンスを感じさせる。





洋服やアクセサリーと同じ感覚でオールドボルボを楽しむ

ボルボの、しかも240と850に特化したショップとなると、かなりコアで敷居が高い印象があるかもしれない。しかしCAR SHOP Mでは、カフェでゆっくりとお茶や食事を楽しみながら話を聞くことができるので、ボルボに興味のある方がぜひ訪れてみることをお勧めする。きっとこれまでの経験を含めて様々なエピソードや、240や850を手に入れたあとのライフスタイルを語ってくれることだろう。
CAR SHOP M
・住所:神奈川県川崎市麻生区千代ケ丘6-2-19
・電話番号:044-988-2529
・営業時間:11時〜20時
・定休日:火曜日
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文/内田俊一 写真/ユニット・コンパス
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