徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2018.09.05

【マツダ CX-3】買い時はいつ? 必ず知っておきたいCX-3の相場動向

 コンパクトカーSUVをミックスする。ひと昔前なら、こんな月並みな発想のジャンルなんて見向きもされなかったかもしれない。でも、今やこのジャンルは飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている。とくにトヨタ C-HR、ホンダ ヴェゼル、マツダ CX-3は販売が好調で、これらは中古車市場でも高い人気を誇るクルマだ。今回注目したいのは、マツダCX-3。ここ最近、販売台数ではC-HRにリードされているが、度重なる改良で、後発のライバルにも負けない魅力を備えている。しかし、年次改良が盛んなクルマは買い時が難しいという問題もある。ここでは年式別の相場を比較しながら、オススメの年式やグレード、予算を提案していきたい。

マツダ CX-3ってどんなクルマ?

 2015年2月、マツダ最小のSUVとしてCX-3が登場した。当時、すでに日産 ジュークやホンダ ヴェゼルと言ったコンパクトSUV市場の下地が整っており、マツダも満を持して投入することになったのだ。全長は4275mmとデミオよりもひとまわり大きいサイズを持ちながら、全高は1550mmに抑えられているので、機械式立体駐車場にも入庫可能。SUVというより小型クロスオーバーというほうが理解しやすいかもしれない。外観も、SUVにありがちな泥臭さは微塵もなく、洗練された都会的スタイルとクラスを超えた質感のインテリアも大きな見どころとなった。

 また、CX-3の最大の特徴となるのが、クリーンディーゼルエンジンの搭載だろう。スカイアクティブDと呼ばれる1.5Lエンジンが与えられ、デビュー当時のJC08モード燃費は最大で25.0km/Lを実現した。国産車はハイブリッドが主流のなか、ディーゼルにこだわったのがマツダらしい決断と言える。しかし、新車時価格は、もっとも安いグレードでも237万6000円と高価で、上級グレードでは300万円を超えてしまうものまである。コンパクトクラスとしては強気の価格設定だったが、わずか1カ月で1万台以上の受注を記録し、スタートダッシュは好調。それゆえ中古車も常に高値で、CX-3は手が出しにくいクルマのひとつと言われていた。

マツダ CX-3の年式別中古車相場をチェック!

マツダ CX-3のヒストリー

 年式別の相場を見る前に、ここでCX-3のヒストリーを振り返ってみよう。2014年10月のロサンゼルスショーで初公開されたのち、日本導入が開始されたのは2015年2月のこと。エンジンは当初は1.5L ディーゼルターボのみの設定だった。同年12月、早くも一部改良を実施。その内容は、「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の採用、フロントスタビライザーや前後ダンパー内部構造の改良、パワステ制御の改良など多岐にわたる。発売から1年経たず、走りにまでメスが入るのは珍しいこと。さらに2016年10月の改良では、駆動トルクを変化させることで横方向と前後方向の加速度を制御し、操縦安定性を向上させる「Gトルクベクタリングコントロール」を全車に標準採用。同時にサスペンションやパワステのチューニング、ディーゼルのエンジン音の改善、静粛性の向上などが行われた。

 2017年6月、CX-3に待望のガソリン車が登場。このおかげで、価格帯の下限が引き下げられ、より身近な存在となっている。同時に全車が自動ブレーキなどを含む「i-ACTIVESENSE」を標準装備し、サポカーSワイドに対応した。そして今年(2018年5月)、シャシー全般が見直され、さらなる操縦安定性の向上が図られた。パワートレーンにもメスが入り、ディーゼルは1.8Lへと排気量を拡大。ガソリンエンジンも、ひとクラス上のCX-5と同じ最新技術を投入することで、全域でトルクアップを実現している。ほかにも内外装がブラッシュアップされ、商品力が格段に高まっている。

マツダ CX-3のベストバイの年式はどれ?

 それでは、年式別の中古車平均価格を見ていこう。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2015年式  190万円 
 2016年式  209万円 
 2017年式  214万円 
 2018年式  214万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年8月28日現在のデータによる。

 この相場を見ると、発売から3年以上経ってもCX-3の中古車はかなりの高値をキープしているのがわかる。とはいえ、新車だと300万円前後のグレードも存在するから、年式やグレードの選び方次第ではお得に買えるケースもある。ここでオススメしたい買い方はふたつ。3年落ち(2015年式)の初期型物件をとことん低予算にこだわって探す方法。もうひとつは新車よりも納車が早くて安いことを考慮して2018年5月改良以降の物件を探す方法だ。

 前者の探し方をする場合、中古車は最安で130万~150万円から手に入る。3年落ちだからそこまで多走行な物件は少なく、この価格帯だと3万~5万km程度に収まっている。この予算だとレザー内装の「Lパッケージ」は難しく、狙うならスタンダードな「XD」または「XDツーリング」となる。しかし、新車時価格のおおよそ4割減と考えれば、十分納得のいく買い方と言っていい。ただし150万円前後の物件はかなり少なめだから、じっくり探す必要がありそう。

 後者の探し方、つまり最新バージョン(後期型)を狙う大きな理由は、なんと言ってもクルマの完成度が飛躍的に上がっているから。デビューから3年が経ち、初期型とは乗り味が大きく異なるのである。もし乗り比べが可能なら、数十万円の差なら最新型を選びたい…と考えるひとは決して少なくないはずだ。内外装の質感も一目瞭然で上がっているし、何より走りが上品。しかし、残念ながら後期型の中古車はまだ出回っていないようだ。今すぐ中古車を探すのは難しいが、今年後半から来年前半にかけて少しずつ車両が増えるはず。ボディカラーやグレードが自分の好みとマッチすれば、新車よりもお得なケースが多いため、こまめに動向をチェックしておきたい。

マツダ CX-3のグレード別中古車相場をチェック!

 次に、グレード別の中古車平均価格を見ていこう。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
20S プロアクティブ204万円
XD188万円
XD プロアクティブ220万円
XD ツーリング191万円
XD ツーリング Lパッケージ204万円
※中古車平均価格はグーネット2018年8月28日現在のデータによる。

 CX-3のグレードは、大きく分けるとガソリンの20S系とディーゼルのXD系が設定される。デビュー当初は、これらの上級グレードとして「ツーリング」が設定され、こちらにはクルーズコントロールなどが備わっていた。2016年10月以降、「ツーリング」が廃止されて新たに「プロアクティブ」というグレードが登場。「ドライバー・アテンション・アラート」や「アダプティブLEDヘッドライト」などの先進装備が充実するのが、標準グレードとの違い。また「ツーリング」と「プロアクティブ」は、合成皮革内装の最上級版「Lパッケージ」も選ぶことができる。

マツダ CX-3のベストバイグレードは「XDツーリング」

 エンジン別、そしてパッケージ別のグレード違いを含めたら、CX-3はかなり豊富なラインアップを誇る。しかし、中古車市場はガソリン車の割合が少なく、「20S プロアクティブ」以外のグレードはほとんど流通していない。一方ディーゼル車は物件のボリュームがあり、とくに「XD ツーリング」が市場の中心となっている。見た目の豪華さでは「Lパッケージ」装着車に目が行くが、こちらは相場が少し高め。となると、狙い目は「XD ツーリング」ということになるだろう。

まとめ

 総合すると、現段階でCX-3を狙うなら、3年落ちの最初期型が現実的なライン。しかし、冒頭でも述べたように、CX-3は年次改良(しかも、機関系にまで手が入る大掛かりな変更)が行われるから、購入するタイミングが少し難しい。最初期と最新型では、かなり乗り味も異なっている。マツダは他車種についてもこの方針で行くようで、今後は最新のマツダは最良のマツダ…という状況になっていくだろう。

 CX-3に限って見ると、今年でデビューから丸3年が経過した状態で、次期型はベースとなるデミオのフルモデルチェンジ以降と予想できる。2014年に登場したデミオの次期型は、おそらく早くても2019年以降。次のCX-3が登場するのはさらに先だと予想されるため、あと3年は現行型が販売されるはず。そんななか今年に大幅改良が行われたこともあり、前期型は近々相場が下がっていくと考えてよい。もし前期型がほしいなら、買いのタイミングは相場が下がる今年後半から来年にかけてだから、もう少しだけ待ちだ。ちなみに後期型の相場は当分のあいだ下がらないから、欲しい時が買い時になる。

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