輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.10.10
【ボルボ V60】100万円台前半の予算でOK!? 先代V60の賢い選び方

ステーションワゴンづくりに定評のあるボルボは、先日新型V60を発表した。旗艦モデルであるV90やXC90と共通のデザインアイコンを持ち、内外装のクオリティも洗練された、まさに次世代のボルボを担う主力モデルだ。一方、先代V60は新型よりも小ぶりなボディで使いやすく、モデルチェンジの影響で今後相場も下がっていくと予想される。新型はボディサイズがひとまわり大型化したため、使い勝手にこだわるなら、あえて先代を選ぶケースもありうる。物件の豊富さ、グレードの幅広さなどを考えると、これからが買い時と言っていいだろう。今回は先代V60に注目し、どの年式、グレードが買いなのか、相場データをもとに考えていこう。
ボルボ V60ってどんなクルマ?
ボルボにおける「V」という文字は、ステーションワゴンを意味する言葉として使われてきた。2011年6月に登場したV60は、それまで上級ワゴンとして存在していたV70の弟分のような存在で、Dセグメントと呼ばれるミディアムクラスに位置している。全長が4800mmオーバーのV70に対し、先代V60は4630mmだから、ボルボとしては比較的コンパクトなクルマ。ちなみにメカニズムのほとんどを共有するセダンバージョンのS60というモデルも存在する。
また、保守的なイメージのV70に対し、S60やV60は若々しくスポーティなデザインが与えられたのも見どころ。ルーフラインの後端にかけての滑らかなラインはクーペを思わせるもので、ボルボが持つ無骨で質実剛健なイメージを覆すものだ。それに加え、幅広いエンジンラインアップも注目のポイント。なかでもモデルライフの途中で加わったディーゼル搭載車は、低燃費とスポーティな走りを両立。こちらは現行型では選べないから、先代ならではの特徴だろう。
先代ボルボ V60の年式別中古車相場は?

ボルボ V60が登場したのは2011年6月。当初のエンジンラインアップは1.6L 4気筒ターボ(180馬力)を積む「ドライブe」、3.0L 6気筒ターボ(304馬力)を積む「T6 AWD」でスタートした。なお、後に「ドライブe」は「T4」へと呼称が変わっている。2013年8月にはマイナーチェンジを受け、2014年モデルが国内で発表となった。このタイミングで外観デザインが大幅リニューアルを受け、よりシンプルなフェイスとなったのが大きな特徴。安全面では衝突回避軽減ブレーキ「シティセーフティ」において、作動速度が30km/hから50km/hに拡大されたほか、自転車を検知するサイクリスト検知機能も加わった。そのほかにも安全装備が大幅に進化しており、商品力が大きく高められた。
2014年2月には、新世代パワートレーンとして245馬力を発揮する2.0L 4気筒ターボ「T5」シリーズが登場。こちらは燃費優先の走行モード「ECO+」を採用するなど、走りと環境性能を両立したモデルとなっている。また8速ATを採用したことも話題となった。2014年10月に発表された2015年モデルでは、それまでオプション扱いだった「セーフティパッケージ」の内容にリヤビューカメラを加えた安全の総合的アプローチ「インテリセーフ10」が全車標準装備となり、安全性を大幅に向上。
遍歴はさらに続く。2015年7月、2.0L 4気筒ディーゼルターボ(190馬力)の「D4」が追加されると同時に、「T4」のエンジンが従来の1.6L 4気筒ターボから新開発2.0L 4気筒ターボ (190馬力)へと変更される。またデュアルクラッチ式トランスミッションから一般的なトルコン6速ATとなり、燃費性能がアップしたのもトピックだ。同年10月には車高を高めて SUVライクに仕立てたクロスカントリーが登場。こちらは前述のディーゼルエンジンに加え、2.5L 5気筒ターボ(254馬力)も選べた。
2016年2月には一部改良が行われ、「T6」シリーズのエンジンが3.0L 6気筒ターボから2.0L 4気筒スーパーチャージャー(306馬力)へと変更。同時に1.5L 4気筒ターボ(152馬力)を積む「T3」も加わった。またこの際「T4」はラインアップから外れている。2017年8月には最後の改良が行われ、装備充実の「タック」や「クラシック」など、ボルボ恒例のファイナル仕様が設定されている。それを踏まえ、年式別の中古車平均価格をチェックしてみたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2011年式 | 104万円 |
2012年式 | 133万円 |
2013年式 | 158万円 |
2014年式 | 199万円 |
2015年式 | 267万円 |
2016年式 | 309万円 |
2017年式 | 365万円 |
2018年式 | 377万円 |
「インテリセーフ10」が標準装備の2015年モデルがオススメ!
V60は2013年モデル以前の前期型、2014年モデル以降の後期型に大別できるが、物件が豊富なのは後者である。前期型の相場は非常に下がっており、100万円台前半という安さが魅力だ。たとえば5年落ち(2013年式)の場合、走行距離5万km前後ならば、およそ130万円~150万円が予算の目安となっている。しかし、この辺りの年式は「シティセーフティ」がオプション設定となるので、中古車を選ぶ際は注意しよう。
そこで、今回オススメしたいのが3年落ちの2015年モデル。「インテリセーフ10」が全車標準装備となり、安全面では盤石。中古車平均価格は前期型よりも100万円ほど高いが、それを補ってあまりある装備内容が魅力だ。この条件でグーネットを検索すると、走行距離2.8万kmの「T4」で、198万9000円という物件が存在していた(2018年10月5日現在)。新車時の価格が400万円超えだったから、3年で半額にまで下がっている。
なお、ここで言う「○○年モデル」と「○○年式」は厳密には異なることに注意。輸入車の多くはモデルイヤー制を採用するメーカーが多く、登録年とモデルイヤーがずれている場合がある。今回のV60を例に挙げると、13年8月に14年モデルが発表されているため、2013年8月から12月に登録された個体は、「13年式」だが「14年モデル」ということになる。
先代ボルボ V60のグレード別中古車相場は?

先代V60のグレードは、エンジン別に分けると「T3」、「T4」、「T5」、「T6」、「D4」が存在する。先にも述べたが、途中で「T4」が1.6Lターボから2.0Lターボに、「T6」は3.0Lターボから2.0Lスーパーチャージャーに変更されている。これに、装備充実の「SE」、スポーツサスペンションやエアロパーツなどがパッケージされた「Rデザイン」などの仕様が組み合わされ、数多くのグレードが存在する。また、価格は高いがスポーツモデル「ポールスター」も選べる。
グレード | 中古車平均価格 |
T3系 | 298万円 |
T4系 | 166万円 |
T5系 | 267万円 |
T6系 | 176万円 |
D4系 | 335万円 |
ポールスター | 521万円 |
価格重視なら「T4」が狙い目
多彩なグレードを誇るV60だが、中古車は「T4」系が中心。これには「T4」、「T4 SE」、「T4 Rデザイン」など異なる仕様があるが、もっとも手頃な価格で物件豊富なのはスタンダードな「T4」。また、スポーティな「T4 Rデザイン」も数が揃っており、装備内容の割に相場も低め。これらは200万円以下の予算なら、かなり幅広い物件から選べるはずだ。一方、エントリーモデルながらも新世代エンジンを搭載する「T3」系は、高年式に偏るため相場が高め。ハイパフォーマンスな走りが楽しめる「T6」系は、改良前(3.0Lターボ)がほとんどで、価格も意外と安いから走り重視なら探してみるのもあり。ただし物件数は少ないから、根気よく探す必要がある。一方ディーゼルの「D4」系は高年式かつかなり高額なので、こだわりがなければ無理に狙う必要はなさそうだ。
先代ボルボ V60中古車相場のまとめ

デビューから7年が経ち、先代V60は非常に買いやすくなったと言えよう。その気になれば100万円台前半の予算からでも狙えるのが大きなポイント。ガソリン、ディーゼルの双方が選べ、予算に応じたクルマ選びができるのが魅力だ。また、少々高額だがポールスターと呼ばれるスポーツ仕様は走りの完成度が高く、後々まで価値を維持できそうなクルマなので、興味があれば調べて見て欲しい。BMWやメルセデスにはない独自のデザインや価値観に共感するなら、V60は賢いチョイスと言っていいだろう。