中古車購入チェックポイント
更新日:2022.03.20 / 掲載日:2022.03.20

中古車購入時に必要な委任状の書き方のポイントと注意点について解説

中古車を購入するにあたって様々な事務手続きを済ませないといけません。書類を作成したり、必要書類を準備したりする必要があります。

ディーラーや中古車販売店で中古車を購入する場合、名義変更などの手続きはお店に代行をお願いできます。この時必要になるのが、今回紹介する委任状です。

この記事では、委任状の書き方で押さえておきたいポイントや作成時の注意点についてまとめました。

これから初めて中古車を購入する人は、参考にしてみてください。

中古車購入時に委任状が必要な理由

ディーラーや中古車販売店で中古車を購入する際には、ほぼ確実に委任状が必要です。

では、なぜ委任状が必要なのでしょう?

ここからは、委任状の必要性について見ていきます。併せて委任状とはそもそも何かという点についても紹介します。

そもそも委任状とは?

委任状とは、誰かに何かをしてもらう、委任するための書類です。

中古車購入の際、購入者はいろいろと届け出の手続きをしなければなりません。しかし、自分で行わずに代理人にお願いする場合は、委任状を作成する必要が生じます。代理人は委任状を提示して、初めて手続きを代行することが可能です。

もし委任状なしで「自分が代理人である」という自己申告だけで代行を認めてしまうと、なりすまし行為が可能となってしまいます。そのような行為を成立させないために委任状の提出が必要です。

委任状には、この人に委任する旨を明記します。その上で、購入者当人の署名や押印があることで効力を発揮します。

委任状は名義変更手続きの際に必要

中古車を購入する場合は名義変更の手続きが必須です。これは車検証の名義欄を購入者にするための手続きとなります。

通常であれば、購入者本人が出向いて手続きをします。普通車を購入した場合は陸運支局、軽自動車を購入した場合は軽自動車検査協会が受付窓口です。

しかし、陸運支局や軽自動車検査協会はいずれも公的機関なので、平日の日中しか受付対応していません。土日祝日は原則休みになります。

普段仕事をしている方の場合、平日なかなかスケジュールが取れないという方も多いでしょう。自分で手続きができない場合、ディーラーや中古車販売店に手続き代行する形になります。そのときに委任状が必要となります。

委任状は新車購入時でも必要

中古車購入時に委任状が必要と紹介しましたが、新車を購入する際は委任状が必要なのでしょうか?

新車購入時には、中古車の時のように名義変更手続きは必要ありません。しかし、新車の場合は車の新規登録手続きが必要です。

この新規登録手続きは、名義変更同様に普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で受付ています。本来であれば、購入者自ら手続きを行います。

新車登録手続きが済むと、車検証やナンバープレートが交付されます。プレートは、封印を使って新車に取り付けなければなりません。

しかし、こちらもスケジュールの関係で、自分で受付窓口に赴いて手続きをするのは厳しいという方もいるでしょう。その場合にはディーラーや販売店などに委任状を渡して、手続き代行をお願いすることになります。

自分で手続きを行う場合は委任状を用意する必要なし

中古車を購入する際に絶対に委任状が必要かというと、そうではありません。中古車を購入して名義変更手続きを自分で行う場合は委任状を作成する必要はありません。

もし運輸支局や軽自動車検査協会に自ら赴き名義変更手続きをするのであれば、その旨をディーラーや中古車販売店のスタッフに伝えてください。そうすれば、委任状を渡されることもありません。

ただし、自分で行う場合は手続きが煩雑なので注意しましょう。

また、名義変更手続きをする際には必要書類がいくつか出てきます。書類に不備があるとやり直しとなってしまうかもしれません。

そして、名義変更手続きの受付は平日日中だけである点にも注意が必要です。

通常、ディーラーや中古車販売店で手続き代行をお願いする場合、手数料が10,000〜30,000円程度かかります。自分でやる場合は、この手数料が発生しないので中古車の購入費用を少し節約できます。

委任状には印鑑を押印する

委任状を作成するにあたり、名前と押印する箇所があります。そのため、名義変更手続きをお店にお願いする場合、印鑑を持参する必要があります。

印鑑は購入した車両が普通自動車か軽自動車かによっても変わってきます。普通自動車の場合は実印を用意しなければなりませんが、軽自動車の場合は認印でも構いません。

普通自動車の場合、持参した印鑑が実印であることを証明するために印鑑登録証明書も必要です。

印鑑登録証明書は、お住まいの市区町村役場で印鑑登録をしてから交付してもらえます。

軽自動車の場合は認印で大丈夫なので、印鑑登録証明書は必要ありません。その代わり、現住所を確認するため住民票を必要書類として提出します。

中古車購入時の委任状の書き方

中古車を購入する際、名義変更手続きの代行をお願いする場合は委任状が必要です。ところで、この委任状はどのように作成すればいいのでしょう?

ここからは、委任状の書き方について押さえておくべきポイントを詳しく見ていきます。どこで入手すればいいのか、どんな項目を盛り込めばいいのかについてまとめました。

委任状の入手方法

ディーラーや中古車販売店で中古車を買うと、ほとんどのケースでお店側が委任状を用意してくれます。そのため、お店で購入した場合は自分で委任状を作成する必要はほとんどありません。

しかし、店舗の中には一部、委任状を用意していないところもあるので、購入する際に確認を取っておきましょう。

また、ネットオークションなど個人間で売買する場合は自分で用意しなければなりません。

もし自分で委任状を用意するのであれば、国土交通省のホームページからダウンロードする方法がおすすめです。

委任状を国土交通省のホームページからダウンロードする手順

1.国土交通省のホームページのトップページの中に「自動車」という項目があるので、こちらをクリックします。

2.中に「自動車ユーザー向け情報」というメニューがあるので、こちらにアクセスします。

3.「自動車の登録」メニューを選択すると、ダウンロード画面にジャンプできます。

委任状の必要事項

委任状の様式は決まっています。必要項目もいくつかあるので、自分で準備する際にはきちんと盛り込まれているかどうか確認しましょう。

まずは、受任者と委任者の氏名と住所です。購入者は委任者に自分の住所と氏名を記入します。もしディーラーや中古車販売店に委任する場合は、受任者として店の住所と担当者の名前を記入する形になります。

その他に委任者と受任者それぞれ押印しなければなりません。

申請の種類についても記載します。今回は中古車に購入に伴う名義変更なので「移転登録」と記入します。

次に、車台番号も記載します。車検証に記載されていますが、店舗で購入する場合はお店のほうで記載してくれるでしょう。

これらが必要項目になります。

委任者当人が記載する

委任状を記載する場合、委任者当人が署名捺印をしなければなりません。そうでなければ、なりすまし行為を抑止できないからです。

中には委任者ではなく、その配偶者や子供など家族が代筆しようとする場合もあるかもしれません。しかし、たとえ家族でも他人が代筆すれば委任状の効力がなくなります。

また、委任者が不在だったので販売店のほうで委任者の欄も代筆してしまうということも考えられますが、これも赤の他人の署名になってしまうので、委任状は無効となります。

委任状を作成する場合、購入者本人が店舗に出向いてください。家族に手続きを任せると、かえって手続きが煩雑になってしまいます。

捨印を押しておく

委任状に捨印を押す必要があるのでしょうか?

しばしば議論になる問題ですが、捨印は必要と考えてください。

そもそも捨印とは何かというと、書類に何かしらの訂正箇所があった場合に押しておく予備の印鑑です。もしこの捨印がないと、書類に何らかの誤りがあると書類を持ち帰って、委任者の印鑑を再度もらわないといけません。

捨印があれば、第三者が変わって訂正しても問題ないということになります。印鑑を押し直す手間が省けるわけです。

捨印は、書類の余白部分に押すのが基本です。どこに押せばいいか分からないという場合は、お店の担当者にアドバイスをもらうといいでしょう。

お店が用意するフォーマットには捨印を押す場所が明記されている場合もあります。

中古車購入時の委任状の書き方の注意点

委任状の作成ですが、いくつか注意しなければならないポイントがあります。もし注意点を踏まえずに委任状を作成すると、やり直しになってしまうこともあります。

また、委任状を悪用されるかもしれないと心配な方もいるかもしれませんが、基本的に悪用されることはありません。その根拠についてもここで紹介します。

必ず手書きで作成すること

委任状を作成するにあたり、委任者と受任者の氏名と住所については必ず手書きで記載する必要があります。

その他の項目については国土交通省などのホームページからダウンロードして、プリントアウトしたもので構いません。

しかし、住所と氏名は手書きで作成しないと委任状の効力が失われます。特に自分で委任状を作成する場合には注意してください。

手書きで作成する際には、文字が消えたり書き直したりできるものは避けましょう。例えば鉛筆などは簡単に書き換えられますし、最近使われることが多くなってきた消せるボールペンで書いた場合も委任状は無効になります。

委任状はインクが消えない黒のボールペンなどで作成するのが一般的です。

お店で作成する際は、お店のほうで筆記用具は準備してくれることが多いので、持参する必要はないでしょう。

普通紙を使用すること

委任状を作成する際は、普通紙を使用する決まりもあります。

普通紙ではなく感熱紙を使った委任状は無効になる可能性が高いので、注意が必要です。感熱紙は委任状の他にも譲渡証明書など、車のやり取りに関する書類としては不適切だとされています。時間が経過すると印字が徐々に薄くなり、いずれは消える恐れがあるためです。

感熱紙は、普通紙と比較すると薄いのが特徴です。レシートやFAXで使われています。

お店が用意してくれる場合は、きちんと普通紙で用意してくれるはずです。自分で作成する場合には注意しましょう。

悪用される可能性はないの?

委任状というとドラマや映画の世界でしばしば登場するので、目にしたことがある方もいるでしょう。

もし自分の住所と氏名の記入、押印だけされた白紙の委任状は契約上は問題です。この場合、委任状を受け取った人がどのようにも使えてしまいます。

しかし、中古車購入の世界で委任状が悪用されることはまず考えられません。

委任状は受任者への受任確認が義務付けられています。中古車購入の委任状は用途が「移転登録」と明記されているはずです。そのため、車の名義変更手続きにしか委任状は使えません。

悪用される心配はまずないと思って、安心して委任状を作成してください。

不要になった委任状は返却してもらう

当初は名義変更を自分で行えなかったけれども、時間ができて自分で手続きできるようになったというケースもあるかもしれません。この場合、委任状は不要になります。

また、委任状の予備を準備していたという場合も使わなかった委任状があれば返還を求めましょう。

委任状は当人に代わって手続きや登録ができる、非常に強い効力を持った書類です。不要になった委任状がどこかに流出すると、悪用される危険性もゼロではありません。

悪用されなくても、委任状には名前と住所、押印と重要な個人情報がいろいろと記載されています。こちらも悪用される恐れがあります。

返却してもらって破棄するなど、使えないようにしておくのが最も安全です。

中古車購入時に必要な書類について紹介

中古車購入時には委任状の他にも、いろいろと必要書類があります。

委任状以外の必要書類を紹介しますので、購入する前のチェックリストとしてお使いください。

お店で用意してくれるものもあれば、自分で手配しなければならないものもあります。何を準備すればいいのか、ここで見ていきましょう。

譲渡証明書

中古車を購入する際、委任状の他にも譲渡証明書を作成する必要があります。

譲渡証明書は、対象の車両が誰にいつ譲渡されたのかを証明するための書類です。車名、型式、車体番号、エンジン型式などの車両情報が記載されています。

そして、譲渡人と譲受人の住所と氏名も記載します。前所有者の譲渡人の住所と氏名については販売店で購入する場合、すでに記入されていることが多いです。

個人売買の場合、売り手に住所と氏名を記入してもらわないといけません。譲渡人は住所と氏名の他に押印する必要があります。購入者である譲受人は住所と氏名の記載だけで、押印する必要はありません。

印鑑証明書

普通自動車を購入する場合、委任状などに実印を押さなければなりません。そのため、お手持ちの印鑑が実印であることを証明する印鑑証明書を準備する必要があります。

印鑑証明書を発行するには、お住まいを管轄している役所で登録手続きを行わないといけません。登録手続きを行っていなければ、印鑑証明は取れないので注意してください。

実印は、印影の形状や大きさなどに決まりがあります。実印にできる印鑑のルールは、自治体によって異なるのであらかじめホームページなどで確認しておきましょう。

印鑑登録をした同日に印鑑証明を取得できる場合もあります。ただし、手続きをするのが当人であること、身分証明書を持っていることなどいくつか条件があります。

車庫証明書

車庫証明書も、中古車購入する時に必要になるかもしれません。

車庫証明書は警察署で取得可能です。

車庫証明の交付を受けるためには、いくつか必要書類があります。それは「自動車保管場所証明申請書」「保管場所標章交付申請書」「所在図・配置図」などです。

これらの書類は警察署でも用意されています。もしくは警視庁のホームページからダウンロードすることもできます。

車庫証明書を自分で取得する場合には、早めに手続きを進めましょう。申請から交付までは3~7日程度かかります。

また、申請すると警察のほうで駐車場を確認します。この時、十分なスペースが確保できていないと判断されると証明書の発行はできません。余計なものが置いてあるのなら、すべて撤去するといった対策を講じましょう。

自賠責保険証

中古車購入時には、自賠責保険証も必要です。

自賠責保険は別名「強制保険」と言いわれていて、公道を運転する際に必要です。

自賠責保険は保険会社やその代理店で手続きすることができます。その他にディーラーや中古車販売店が代理店を兼ねている場合も多いです。

保険会社の代理店であれば、車を購入するお店で自賠責保険の加入手続きができます。お店で手続きして、保険証を取得しておきましょう。

自賠責保険はあくまでも対人賠償に補償範囲は限られます。対物や運転手自身の損害は補償の対象外です。いざというときのために自賠責保険の他にも、任意保険にも加入することをおすすめします。

まとめ

①中古車を購入する際に手続きを業者に任せる場合は、委任状を作成する必要がある

②委任状は販売店が用意してくれる場合が多いが、国土交通省のサイトからダウンロードすることもできる

③中古車購入時には委任状以外にも必要書類があるので準備しておこう

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グーネットマガジン編集部

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