中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.18 / 掲載日:2018.11.02

クルマを『買って・乗って・愉しむ!』 購入完全攻略術

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アナタの「いつかは◯◯」を今こそ実現する時!

クルマを購入してからカーライフをどう楽しむかまで完全サポートする本誌だが、今回は、その中核を担うパート“購入方法”について徹底解説する。まず、購入の基礎知識については、ユーザーが辿るであろう順を追いながら各段階のポイントを紹介。さらに、昨今の購入最新事情や、クルマのプロによる提言なども盛り込み、購入全般についてわかりやすく紹介する、中古車購入パーフェクトガイドをお届けしていこう!
(掲載されている内容はグー本誌2018年10月号の内容です)

「えっそうなの?」 カーユーザー最新事情

隣の芝生は青く見えるというが、クルマ好きたるもの、隣の家のクルマ事情はやはり気になる! では、昨今のユーザーのクルマ購入状況は果たしてどうなっているのか!?

※データはすべてプロトコーポレーションによるアンケート調査の数字。

◆乗り換えを検討した時期は「3から5年」が増えている!
 愛車を乗り換えるにあたって、ユーザーが前の愛車の乗り換えを検討したタイミングについて調査すると、「3年未満」、「4年未満」、「5年未満」と回答したユーザーが増加傾向にあり、「2年未満」と答えたユーザーは減っているという結果に。また、「10年以上」というユーザーも増えており、近年の愛車の長期保有化がデータから顕著に見られることとなった。

◆次に検討しているクルマは「ハイブリッド」が増加中!
 次回購入を検討しているクルマのエンジンタイプについて調査。一位は例年どおり「ガソリン車」で約60%を占めたが、近年注目の「ハイブリッドカー」は約18%。昨年と比較すると、ガソリン車は約2%減っており、ハイブリッドカーは約2%ほど上がっている。ちなみに、「電気自動車(EV)」はほぼ変わらず、「クリーンディーゼル車」は微減傾向にある。

◆購入における平均予算額がやや上昇傾向にある!
 次回の愛車を購入する際の予算について調査すると、例年どおり「100万から200万円」というユーザーが最も多く、約35%を占めていた。また、「50万円未満」というユーザーが減少気味、「50万から100万円」も同じく減少、しかし「100万から200万円」というユーザーは微増傾向にあり、多少なりとも購入予算を多めに設定するユーザーが増えていることがわかる。

まずはクルマ選びの基本からチェック!

 中古車を購入する最初の段階として、どんなクルマを選ぶのかという大テーマが存在する。ジャンルごとの性格や物件の状況判断については後述するが、まずは何をおいても、自分の購入目的を明確にするのが大切である。たとえば、
「お買い得な物件が見つかったので」
「家族が増えたので」
「仕事や趣味で必要だから」
など、それぞれの目的に沿って考えることで、自分にふさわしいクルマが見えてくるはずだ。

新技術の搭載で注目度急上昇中の大人気ミニバン

 抜群の使い勝手を誇るセレナが、電動パワートレインの『e-POWER』搭載グレードを追加。モーターで走行するEV同様の走行フィーリングは魅力的だ。e-POWERはまだ高価だが、それ以外のグレードは人気が下がり、逆に狙い目となりつつある。

  • icon 日産 セレナ(現行型)

    日産 セレナ(現行型)の画像

  • icon 日産 セレナ(現行型)

    新車販売時期 2016年8月から
    新車価格帯 244万から385万円
    中古車中心相場 210万から350万円
    ベストセラーモデルにも輝いた5ナンバーサイズミニバンで、現行型は5代目。登場時に同一車線内自動運転技術「プロパイロット」の搭載で話題となる。2.0L直4エンジンはCVTとの組み合わせ。

フルモデルチェンジしたばかりの国産最高峰サルーン

 トヨタのフラッグシップサルーン・クラウンがこの夏、フルモデルチェンジを敢行。圧倒的な人気を誇る同車だが、すでに納車も始まっており、街でちらほら見かけることもある。そこで狙い目となってくるのが、先代&先々代モデルである。クラウンオーナーは新型が発売されると早めに乗り換える傾向にあり、程度の良い物件を探すなら早く動き出すに越したことはない!

  • icon トヨタ クラウン(先代型)

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  • icon トヨタ クラウン(先代型)

    新車販売時期 2012年12月から2018年7月
    新車価格帯 353万から618万円
    中古車中心相場 150万から500万円
    14代目モデルの一番の特徴は、縦長の大型グリルが採用された堂々としたスタイリング。威厳のあるルックスで正統派の高級車であることをアピールする。今後、流通量も増えてきそう。

  • icon トヨタ クラウン(先々代型)

    トヨタ クラウン(先々代型)の画像

  • icon トヨタ クラウン(先々代型)

    新車販売時期 2008年2月から2012年12月
    新車価格帯 345万から567万円
    中古車中心相場 50万から310万円
    “ゼロクラウン”の次の型としてデビューした13代目モデルは、先代型のスポーティな雰囲気をキープしつつ、圧倒的な高級感をプラス。初期型なら100万円以下の物件も増えてきた。

今、最新の購入方法はこれだ! 変化する中古車の買い方

時代が変われば中古車の買い方も変わる。アナタのカーライフをより充実したものにするためにも、まずは愛車を入手するための方法の何がアップデートされているかを知っておこう。

膨大な情報をいかにして整理するかが成功のカギ
 中古車の購入に関する今昔を考えた時に、最も大きく変化したのは、やはり「情報」だ。特に情報の「量」と「質」が飛躍的に向上し、買い方はもちろん、中古車に対するイメージをも激変させた。
 車両情報を入手する手段は、グーネットを筆頭とした中古車検索サイトが主流。販売店も自社でウェブサイトを展開し、インターネット上で検索&購入できるシステムを構築するなど、「中古車をネットで買う」という手法が確立されつつある。
 かつて中古車に対して不安を抱く人は多かった。それを払拭するべく、中古車の販売現場ではさまざまな試みがなされてきた。それが情報の量と質を高めることに繋がり、今どきの中古車購入における変化をもたらしている。

中古車検索サイ トの画像

グーネットなどのウェブサイトには多数の写真が並んでおり、物件の細部まで確認できる。問い合わせも簡単だ。

物件の探し方

かつては…
中古車探しの主な手段といえば、本誌をはじめとした中古車情報誌だった。写真が掲載されているカラーページよりも、文字とアイコンだけで構成されているインデックスページから目当てのクルマを検索するのが定石。

現在
より多くの情報がどこにいても入手可能
グーネットをはじめとした中古車検索サイトの利用が主流となる。車両に関する情報や掲載写真の点数、更新される頻度も高い。また物件探しだけでなく、在庫確認や見積もり依頼ができたり、店舗の評判まで確認できるなど、ユーザーの不安を払拭するための気配りが行き届いている。もちろんスマホにも対応しているので、外出先でも物件探しが可能だ。

車両コンディション

かつては…
車両の状態は明らかにされておらず、車齢を重ねることで生じる劣化や消耗の度合いなどを見分けるのは、ユーザーの目利きがすべて。素性がわかりにくいうえに、コンディションの判断が難しいことが不安を助長していた。

現在
車両の履歴や状態の開示は当たり前
車両の状態を開示する販売業者が増えている。査定時のチェックシートをベースに、コンディションの評価をすべて細かく記載した「車両状態評価書」などの書類で素性を明らかにすることによって、ユーザーの不安を払拭するのが狙いだ。マイナス要素も包み隠さず明記されているので、中古車の目利きに自信がなくても納得して購入できるようになった。

試乗の仕方

かつては…
中古車探しの主な手段といえば、本誌をはじめとした中古車情報誌だった。写真が掲載されているカラーページよりも、文字とアイコンだけで構成されているインデックスページから目当てのクルマを検索するのが定石。

現在
リスクを負っていることを肝に銘じること
中古車でも試乗するということが一般的になり、試乗させてもらえる=良心的な店舗、試乗できる=良質物件という判断材料として定着した感がある。ただし、試乗する車両が商品であるという点はかつてと同様。販売店がリスクを負ってでも客の要求に応えてくれているのだから、確認事項を明確にしたうえで、細心の注意を払って運転しよう。

契約手続き

かつては…
契約した後のトラブルを避けるためにも、見積書をもう一度よく確認し、諸費用を含めた支払総額、支払い方法、保証内容などに疑問点はないかをしっかりと確認する。必要書類の準備など、やることはたくさんあった。

現在
通販型の中古車購入が増える傾向もあり
インターネットの普及により、販売店とメールや電話のやり取りだけで契約を進められるようになった。契約に必要な書類一式が販売店から郵送され、それらを返送して手続きを進めることになる。中古車購入に慣れた人向けの方法だが、現在ネットで物を買うことに抵抗感がなくなったことを考えると、今後はこうした買い方が増えていく可能性もある。

【購入基礎知識01】 “後悔しないこと”が車種選びの鉄則!

安い物件を買うとしても、購入後に悔いることがないよう愛車選択における方法論はしっかりと確立しておくべきだ。そこで車種を絞り込む段階で、忘れてはいけない要素についてクローズアップしてみよう。

自分の生活に即したジャンルを選ぼう!

  • icon 軽自動車

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  • icon 軽自動車

    日本独自のスモールカー
    税金が安く低燃費なので、維持費を抑えたい人に最適。人気車種が多く、相場は高値安定傾向にある。

  • icon コンパクトカー

    コンパクトカーの画像

  • icon コンパクトカー

    経済面でもメリット多し
    日本の交通環境に適したサイズで、実用性も兼ね備えた実力派が揃う。流通台数が多く選びやすい。

  • icon ミニバン

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  • icon ミニバン

    家族にピッタリの実用車
    多人数乗車が可能なファミリー車の定番で、実用性の高さが持ち味だ。人気はスライドドア車に集中。

  • icon ハイブリッド・EV

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  • icon ハイブリッド・EV

    エコカー普及の立役者
    動力にモーターを活用して排出ガスを抑制できる(EVはゼロ)。高額だがリセールもまずまず。

  • icon セダン

  • icon セダン

    コンサバだけど安心感絶大
    年配ユーザーに好まれがちだが、スポーツ性がウリのモデルが存在するなど、バリエーションも豊富。

  • icon クーペ

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  • icon クーペ

    走り重視のユーザーに最適
    走行性能に特化したジャンルで、運転する楽しさが満喫できる。趣味性の高さで値落ちしにくい。

  • icon ステーションワゴン

    ステーションワゴンの画像

  • icon ステーションワゴン

    ハイレベルな実用性がウリ
    積載能力に長けた実用車だが、走りの良さも兼ね備えている。国産車は人気薄で意外に安く買える。

  • icon SUV

    SUVの画像

  • icon SUV

    多彩な用途に使える実力車
    日常的な用途からレジャーまで幅広い対応力を誇る。車種数が多く、個性を主張するモデルが揃う。

  • icon オープンカー

    オープンカーの画像

  • icon オープンカー

    一度は所有したい憧れの的
    ルーフが開閉できる機構を備え、爽快なオープンエアドライブが楽しめる。実用性や居住性は期待薄。

  • icon 商用車

    商用車の画像

  • icon 商用車

    ビジネスに欠かせない相棒
    バンやワンボックスなどのビジネスカーで、室内や荷室のスペース効率に優れるモデルが多い。



走行距離と年式の考え方について

走行距離と年式の画像

理想の物件は走行距離が少なく高年式であることだが、クルマを安く購入できるという中古車の本質を鑑みると、重視するのは年式あるいは距離のいずれか一方に絞るのが得策だ。燃費や安全といったクルマ本来の性能にこだわるなら高年式車を選ぶのがベター。一方、走行距離は年間5000km程度を目安にして年式に相応の距離数なら、購入候補にしてもいいだろう。

有益なオプションとは?

オプションの画像

オプションが充実している車両は満足度が高いかもしれない。しかし、それらが必要か否かはしっかりと吟味してほしい。どういった用途でクルマを使うのかを考えれば、自分にとって有益な機能や装備は何かが判断できる。オプションを取捨選択するときは、安全運転支援機能やエアバッグ、寒冷地仕様といった、後付けできない機能を優先して考えるといい。

【購入基礎知識02】物件確認のカギは“人を見ること”にあり!

物件確認のイメージイラスト

良質な物件を見抜くために押さえておきたいことがある。狙っている車両をチェックするだけでなく、販売している店舗やスタッフの状況を見ることも、中古車購入を成功させるためのカギとなるのだ。

最重要ポイントは店員と販売店!  では、なにをチェックする?

初めての店だと緊張してしまいがちだが、他愛もない会話から販売店の雰囲気を察することはできる。

 店舗へ出向いたら、まず店構えをチェックしよう。規模の大小を問わず、クルマが整然と並び、お店の外も中もキレイに掃除されている販売店は信頼したくなる。さらに商品である物件が、いずれもキレイな状態に保たれているならなお良しだ。展示車が複数台あれば、手入れする手間も時間もかかるわけだが、それを怠っていないというのは好印象な要素になる。
 また、展示車がキレイなのは、在庫車の回転が速いことの証でもある。つまり、ユーザーから確かな信頼を得ている店だと判断できる。それから、自動車公正取引協議会といった各種団体に加盟していることも、中古車への不安を払拭するファクターとなるだろう。
 店舗のスタッフについては、質問に対して真摯に答えてくれるかがポイントとなる。身なりの印象も大事だが、応対の態度も参考にしたい。

物件確認時に大切なのは細部より全体像!

外装
細部よりもまず全体を見渡して塗装のムラや大きな凹みがないかを確認しよう。中古車なので小さなキズが付いていたり、洗車がされていないこともあるが、それらが許せる範疇にあるか否か考えよう。外装のチェックは晴れた日に行うのが鉄則だ。

内装
内装は使用感が如実に現れるだけに、その状態で前オーナーの扱い方が判断できる。汚れやシミ、ヘタリ具合など見るべきポイントは多々あるが、ドアを開けて最初にチェックするのは臭い。タバコやペットの臭いなどが染み付いていないか確認しよう。

機関
バッテリーが弱っていると始動がもたつくことがある。エンジンがスムーズに始動し、異音や不快な振動がなくアイドリングが安定していれば問題なし。エンジンをかけたついでにライトなどの電装系やエアコンの冷え具合、臭いも併せて確認しよう。

試乗に関して忘れてはいけない3つのこと

 試乗の目的は性能を試すためではなく、車両の状態を把握することが大前提。しかもクルマは商品なので、「急」のつく操作が厳禁なのは言わずもがな。扱いには細心の注意を払うべきだ。また、販売されている車両には任意保険がかけられていないので、万が一事故を起こした場合の修理費用などは運転者が負担することになる。さらに、ナンバーが付いていない、あるいは車検が切れている場合、原則的に試乗はできない。トラブルを避けるためにも自分本位な考えや行動は慎もう。人を見る以前に、自分自身も見られていることを意識したい。

【購入基礎知識03】油断大敵の契約手続き

契約のイメージイラスト

契約は愛車を手にするための最終段階だ。ゴールは間近だからこそ油断は禁物。愛車とのカーライフを早く満喫したい気持ちはわかるが、最後まで気を抜くことなくしっかりと攻略しよう。

契約前に済ませておくべき時短につながるポイント

支払い方法
支払い方法を考えておくのは必須。現金一括払いや販売店が用意したローンを利用するなら時間を要しないが、銀行などでローンを組む場合は、申し込みや審査などを済ませておこう。

自動車保険
クルマを所有するなら、万が一のことを考えて任意保険に加入する必要がある。加入は登録後となるが、時短や維持費の節約を考慮するなら、見積もりを取り寄せて比較検討しておきたい。

駐車場
保管する場所がないと車庫証明が発行できず、登録業務が滞って納車が遅れてしまう。条件に合った駐車場を見つけるには時間がかかるので、事前に検討しておくことをおすすめする。

販売店と仲良くなっておくべき、これだけの理由!

契約時のイメージ画像

 カーライフを充実させるうえでは、メンテナンスや車検、故障やトラブルが生じたときにサポートをしてくれる人の存在は不可欠だ。だからこそ、販売店とは良好な関係を築いておくべきなのだ。
 販売店と仲良くなることで得られるメリットはいろいろある。日常的なメンテナンスだけでなく、クルマを乗り換えるときに、有益な情報が得られたり、サービスが受けられたりする可能性も高まる。
 いいお客さんぶる必要はないが、商談時に値引きやサービスを無理に要求したり、不遜な態度で接するのは厳禁。販売店のスタッフは、クルマに関してあなたの力になってくれる人たちなのだから、あらゆる場面で大人の対応を心がけるべきである。

最後まで気を抜けない契約書類の見るべきところ

 購入が決まり、販売店との交渉がひと通り終わると、スタッフが最終的な見積書に沿って「注文書=契約書」を発行する。これにサインして契約は成立となるわけだ。契約書は、取り引きを行ううえで重要なものなので、しっかり見ておきたい。
 細かい文字でいろいろ書かれているが、ポイントは、購入する車両に関する情報が整合していることと、車両価格以外の支払い金額の内訳である。特に税金(自動車取得税や自動車税)は、どのクルマも一律ではないため間違いが生じやすい。
 また、本体価格以外にも整備費用や法定費用などの諸費用がかかる。それぞれどういう目的でどんなことをするのかを確認しておけば、その金額が妥当であることがわかり、納得してサインができるだろう。

契約書
契約書でチェックするのは、車両や金額に関する情報だけではない。特約事項と呼ばれる、売買契約について特別な約束事も重要な確認事項となる。かなり細かい内容だが、契約の成立の時期、申込金や手付金の定義などが書かれている。

保証内容
保証については、内容はもちろん、期間がいつスタートし、いつまでかといった条件まで確認しておこう。また、対象となる部品や消耗品の範囲も重要だ。保証があるからと安心していると、実は保証対象外だったということもよくある。

【まとめ】最高の一台を手に入れるために 後悔しない買い方を知っておく

 中古車との出会いは一期一会。必要に迫られて物件を探している人もいるだろうが、たまたま販売店やネットで見つけた一台に心を掴まれてしまうことだってある。そんな時、スムーズかつお得に購入を進めるためにポイントとなる部分をここまで紹介してきた。自分にとって最良の一台を探し出し、後悔のない購入をし、最高のカーライフを送ろう。

【Column.1】クルマのプロが選んだ現代の中古車3傑作(オールジャンル)とは?

すでに購入車種を決めた人にも、いまだに絞りきれていない人にも、オススメのモデルを紹介していこう。クルマのプロである自動車評論家が太鼓判を押す、今こそ中古車で狙うべき注目の3台とは?

車高の低さが生み出す魅力

ホンダ・オデッセイ(先代型)の画像

中古車相場価格 20万から130万円

4代目モデルのオデッセイは、車高が低いことの価値を教えてくれる。車高が低いからこそ、ここまで走りを極めることができたわけだし、車高が低いおかげで駐車場のことを心配せずに出かけることもできる。こんなクルマ、今の新車で選ぶことはできないし、この先出てくるかどうかもわからない。車内が狭そうな気がするかもしれないけど、そんなことはない。3列目だって外見から想像するよりもずっと広くて使いやすい。
 パッケージングの似た3代目という手もあるが、マルチビューカメラシステムや後期型に採用されたLEDランプなど、4代目のほうが装備はずっと現代的でオススメだ。興味はあるけど乗ったことのない人にもぜひ乗ってみてほしい。その走りに驚かされるはずだ。

icon ホンダ オデッセイ(先代型)

3代目モデルに引き続き、低床・低重心のパッケージングを採用。全高は1545mmで立体駐車場にも収めることができる。2.4L直4エンジンにCVTを組み合わせ(4WDは5速AT)、いい意味でミニバンらしくない走りを味わえる。

ひとクラス上のラグジュアリー感

エクストレイルの画像

中古車相場価格 120万から380万円

エクストレイルといえば、かつては四角いフォルムが人気の理由だった。そこで評判の良い先代型も、そろそろ程度のよい個体が狙えるラストチャンスかと思って調べると、現在、現行初期型がとてもお買い得なことが判明したので、そちらをオススメしたい。 現行型も新型へのモデルチェンジまでもう少し時間がかかりそうで、新型が出るまでの間は古臭く見えることもないだろう。当面は現役モデル気分を存分に味わうことができ、さらにリーズナブルに手に入れる最高のタイミングだ。
 先代型に比べてハードとしては間違いなく進化しているし、もちろん装備も充実している。同車初となる3列シート車やハイブリッドが選べるのもありがたい。流通量もそれなりに豊富なので選び放題だ。

icon 日産 エクストレイル(現行型)

初代、2代目とキープコンセプトだったスクエアな形状を一新。3代目モデルは流麗なスタイリングをまとって登場した。4WDシステムを進化させながら、安全装備や快適装備も充実化。7人乗りの3列シート車も設定された。

堂々たる内外装のフルサイズセダン

レクサス・LSの画像

中古車相場価格 40万から850万円

日本を代表する高級車をリーズナブルに入手できるチャンス到来だ! 新型が登場して全体的に相場が下がりつつあり、特に初期型に関しては、時にビックリするほど安い個体も見受けられる。
 先代型をオススメしたい理由は価格だけではない。実はレクサスの醍醐味をより堪能できるのは、現行型より初代モデルのほうだったりするのだ。スポーティになった新型より、乗り心地がよく静かでスムーズ。現行型よりレクサスのフラッグシップらしかったという声も少なからず聞かれている。そもそもエンジンだって新型はV6だが、先代型はV8である。
 新型が少々違った雰囲気で登場したことで、初代モデルの魅力があらためて感じられる今こそ、まさに狙いどきだ!

icon レクサス LS(先代型)

2006年に発売されたレクサスのフラッグシップサルーン。グローバルで通用するラグジュアリーさを備え、乗員に最高のくつろぎを味わわせてくれる。およそ10年間販売され続けていたことから、その相場には大きな幅がある。

モータージャーナリスト
岡本幸一郎
アラフィフになっても自動車メディア業界では若手に属する(?)、カーマニア系モータージャーナリスト。チューニングや旧車にも精通している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

【Column.2】中古車購入の勘どころ

中古車を買う、中古車に乗る、これらはどういうことなのか。
中古車を買って乗るということはどういうことだろう。いったいどんな楽しみがあるのか。実際に中古車を数十台購入してきた経験を持つ筆者からの提言をお届けしよう。

現行型ステップワゴンの画像

現行ステップワゴンは3年落ちの中古車が存在するが、古く感じないし、今も現行型だ。それが半額で買える!

 中古車を買うということは、小さな冒険です。新車と違って中古車は、1台とて同じクルマは存在しないので、スーパーでダイコンを買うようなわけにはいかないからです。
 それが原因で、中古車を買うという発想が存在しない人も、けっこういっぱいいます。中古車なんてどれを買ったらいいかわからないから、クルマ=新車以外に考えられない、と。私に言わせれば、世間知らずもはなはだしいですが。
 中古車を買うヨロコビ。その最大のものは、「新車より断然安い」ということです。これはもう間違いない。3年落ちくらいなら、クルマの状態だって新車同然なんだから。それが新車の半額くらいで買えた日には、「やったあああああああ!」と雄叫びくらい上げたくなります。
 そのかわり、グレードやボディカラーや装備などは、希望通りのタマに出会うのが難しい場合があります。しかしそれは、恋愛も同じ。寸分違わず希望通りの条件の相手と結婚できることなんて、まずないですよね? いや、結婚に比べたら、中古車はとってもラクです。かなり希望通りの相手が見つけられるし、デートなどの複雑怪奇な手順を踏まなくても、お金さえ払えば確実にゲットできるので。
 ただ、中古車選びは、年式が古くなると、タマ選びが難しくなります。やっぱり歳を取ると、人もクルマも病気になりやすいじゃないですか。
 でもね、中古車の場合は、「古くなるほど安くなる」という、巨大なメリットがあるんです。仮に買って間もなく不治の病にかかっても、安ければ損害額は小さいので、「次、行こう!」と思えます。結婚だとこうはいきません。
 中古車の場合、販売店が千差万別というのも、新車とまったく違うポイントです。つまり結婚相手の親御さんみたいなものですね。ご両親が気難しければ、結婚生活にも暗い影が差します。
 でも中古車の場合は、そんなに心配いりません。だって、親御さんと気が合わなければ、こっちから縁を切ればいーんですから! もうその店には二度と行かなくても、メンテナンスはディーラーとか大手カー用品店とか町の修理工場とか、どっかで見てもらえば大丈夫。簡単に駆け落ちできるんです。私も、最初から駆け落ちするつもりで中古車を買ったことが多々あります。それでまったく問題ないんです!
 つまるところ、中古車購入に際しては、ある程度の割り切りが重要です。新車を買う時みたいな、うやうやしい接客はあまり望めないし、完璧に希望通りの相手には出会えないかもしれないし、一生面倒を見てくれる保証もありません。
 でも、とにかく新車より断然安い! そのお値段は、「神の見えざる手」(市場原理)が決めているので、神を信じれば大損することはありません。なにせ神様が見守ってくれているので、結婚に比べたら、そりゃもうメチャメチャ安心安全です。
 それでいて、ちょっとだけ冒険の要素もあってワクワクできる。一度中古車を買ったらもう、新車なんて画一商品、つまんなくて買ってられませんよ。ダハハハハ!

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    中古車である以上、どこかにキズなどが付いていても当然のこと。それに見合うだけのお値打ち価格なのだから。

    自動車ライター
    清水草一
    自動車専門誌や一般誌、週刊誌など様々な媒体に連載記事を持つ人気自動車ライター。趣味は「クルマを買うこと」で、軽自動車からフェラーリまで幅広く中古車を購入してきた。

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    中古車である以上、どこかにキズなどが付いていても当然のこと。それに見合うだけのお値打ち価格なのだから。

(掲載されている内容はグー本誌2018年10月号の内容です)

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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