中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.28 / 掲載日:2016.07.08
マツダ アクセラスポーツ(2015年8月~)中古車購入チェックポイント
マツダ アクセラスポーツ (2015年8月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:20S ツーリング L パッケージ[DBABMEFS]
初度登録:2015年8月
追加装備:〈メーカーオプション〉CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)、Boseサウンドシステム+9スピーカー〈ディーラーオプション〉ナビゲーション用SDカード
■全体のチェックポイント
2013年11月に発売した3代目は、マツダの新世代”スカイアクティブ”技術と”魂動(こどう)”デザインを全面採用した、スポーツコンパクトを打ち出しているのが売り。参考車両は、2015年8月の一部改良で安全装備の機能を充実したモデル。オプションを追加して”マツダコネクト”の機能を拡充しているところも注目ポイントだ。
走行機能や安全装備機能のダメージにも注意する
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に歪みや塗装の異常などがないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどをチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷にも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバーなどに損傷がないか見て、立て付けもチェック。下にあるタイヤディフレクターの破損にも注意。同時に、アッパーグリル、ボンネット、ヘッドランプなどもチェック。フェンダーは、ホイールアーチの縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェック。
3.関連部の状態もチェック
3.関連部の状態もチェック
ドアは、外面だけでなく、内側(特に縁のパネル接合部)も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないかヒンジ部をチェック。車体側のドアキャッチ(ロックの受け金具)やピラー(柱)なども、慎重にチェック。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、カバーがあるが、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、固定状態もチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるシュラウド(ラジエターサポート)および関連部品なども、要チェックポイントだ。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどに異常がないかチェック。ナンバープレートを脱着(バックドアを修理/交換)した形跡、下側のマフラーカッターの損傷などにも注意。 バックドアは、開閉具合とダンパーロッドの効き具合をチェックし、内側やヒンジ部もチェック。開口部も、溶接やシーラー、塗装の異常などに注意しながら修理/交換跡などがないかチェックする。
6.下側にチェックポイント
車体側面下部は、床下側も覗いて、サイドシル(車体の梁)に損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。判断は難しいかもしれないが、下に突き出ているパネル接合部の修理/交換跡に要注意。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)もチェックする。
7.損傷の程度も確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などにも注意しながらチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。 左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理跡などがないかチェック。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。 アルミホイールは、塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。 タイヤ/ホイールの状態によっては、直進性や安定性が悪化するほか、車両安定制御DSC などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
9.床下の様子も覗いてチェック
9.床下の様子も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
★損傷の有無と修理・交換歴を確認
「アクセラスポーツ」は、5ドアハッチバックの作り。LEDドアミラーウインカー付電動格納式ドアミラー、LEDハイマウントストップランプ付リアルーフスポイラー+リアサイドスポイラー、シャークフィンアンテナなどを全車標準装備。床下には、フロント/リアタイヤディフレクター(タイヤ前空気整流板)やアンダーカバーなどの空力パーツ。フロントグリル後側のラジエター前には、自動開閉式エアシャッターなどもある。
「ツーリング」仕様車と「XD」は、ディスチャージヘッドランプ&シグネチャーLEDランプ(車幅灯)、フロントフォグランプ、LEDブレーキ/テールリアコンビネーションランプ&シグネチャーLEDランプなどを標準装備。フロントグリルMAZDA エンブレム裏側にフロントレーダーセンサー(*1/*4/*5共用)、フロントガラス上部にフォワードセンシングカメラ FSC(*8/*9共用)+近赤外線レーザーセンサー(*2/*3共用)、リアバンパー左右内側リアコンビネーション下側にリアレーダーセンサー(*6/*7共用)が付いている。
衝撃吸収構造にも注意したいところだが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能にダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理していれば修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している個所がないか販売店に聞いてみよう。
衝突回避支援/被害軽減機能 *1:スマートブレーキサポート[SBS] *2:スマートブレーキサポート 前進時[SBS F]・*3:AT 誤発進抑制制御 前進時(AT車) 運転支援機能 *4:マツダレーダークルーズコントロール[MRCC] *5:車間認知支援システム[DRSS]危険認知支援機能 *6:ブラインドスポットモニタリング[BSM]・*7:リアクロストラフィックアラート[RCTA] *8:車線逸脱警報システム[LDWS] *9:ハイビームコントロールシステム[HBC]
室内の状態と装備機器類の作動具合を確かめる
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやポケットなどは、中の状態も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。内装パネルの損傷。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意しながらチェックする。 前席周辺だけでなく、後席も、6:4分割シートバックの折り畳みなども試しながら、シートからドア、床、天井まわりまでチェック。後部ラゲッジスペース周辺も、傷みなどがないかチェック。
2.追加装備の機能も確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ミラー、テール/ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備。キーレスエントリーの機能および各ドアの解錠・施錠具合などもチェック。 フルオートエアコンの自動調整と各種調整・設定、”マツダ コネクト”の通信・接続なども、それぞれ機能およびスイッチ操作など関連機能の具合をチェック。 参考車両は、ナビゲーション用SD カードを追加しているので、ナビ機能が使える。オプション装備を装着している車両は、追加した装備の仕様と機能を確認し、連携機能なども正常か確認したい。
★細部は販売店で調べてもらう
「15C」以外は、アドバンストキーレスエントリーシステム、フルオートエアコン(運転席/助手席独立コントロール機能)、レッドステッチ本革巻ステアリングホイール&シフトノブ&パーキングブレーキレバー、マツダコネクト・7 インチセンターディスプレイ&コマンダーコントロール・Bluetooth・ハンズフリーマイク・USB/AUX/ナビゲーション用SD カード専用スロットなどを標準装備。「20S ツーリング L パッケージ」と「XD」は、運転席6ウェイ電動シート、運転席&助手席シートヒーターを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのDVD+地デジTV、Bose サウンドシステム+ 9 スピーカーとディーラーオプションのナビゲーション用SD カードPLUS、バックモニターカメラ、ETC なども追加装備している。いずれにしても、チェックする現車のグレードと装備内容を販売店でまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細かいところは販売店で調べてもらおう。特に電装機器に異常がないか注意したい。
走行機能と安全装備機能の具合を必ず確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、アドバンストキーレスエントリーシステムおよびプッシュボタンスタートシステムの機能を確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイなどの表示も見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
マニュアルモード付6速ATは、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時のオートマチック動作と自動シフト制御、マニュアルモードのシフトアップ・ダウンと各ギヤの制御、アイドリングストップi-stopのエンジン自動停止・再始動、減速エネルギー回生i-EROOP、上り坂発進補助HLAなどの作動具合もチェック。 ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど各走行機能および制御機能のほか、車両安定制御DSC&TCSの作動具合などもチェック。プリクラッシュセーフティ機構(衝突回避・被害軽減自動ブレーキ)やアクティブセーフティ機構(運転支援機能・危険認知機能)を備えた安全装備の機能もすべて正常か確認したい。 とはいっても、異常や故障などを判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

参考車両は、「20Sツーリング Lパッケージ」6AT・2WD車。2.0Lガソリンエンジン(PE-VPR型・直列4気筒DOHC16バルブ・ミラーサイクル・筒内直接噴射・可変バルブタイミング)、マニュアルモード付6 速AT(ロックアップ機構付トルクコンバーター・アクティブアダプティブシフトA AS・キックダウンスイッチ)・ステアリングシフトスイッチ、減速エネルギー回生i-ELOOP、アイドリングストップi-stopを搭載し、安全装備(衝突回避支援/被害軽減機能*1/*2/*3、運転支援機能*4/*5、危険認知支援機能*6/*7/*8/*9/*10)、アクティブドライビングディスプレイ、アドバンストキーレスエントリーシステム+プッシュボタンスタートシステム+エンジンイモビライザーなども装備している。ヒルローンチアシスト HLA、電動パワーステアリング、電子制御制動力配分EBD付4輪アンチロックブレーキ4W-ABS+ブレーキアシスト、横滑り抑止DSC&空転抑止 TCS、マルチインフォメーションディスプレイ、インテリジェントドライブマスター i-DMなどは全車標準装備。 各機構の構造などはともかく、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルームの様子だけでも見て、走行関連各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
衝突回避支援/被害軽減機能 *1:スマートブレーキサポート[SBS] *2:スマートブレーキサポート前進時[SBS F]・*3:AT誤発進抑制制御 前進時(AT車) 運転支援機能 *4:マツダレーダークルーズコントロール[MRCC] *5:車間認知支援システム[DRSS]危険認知支援機能 *6:ブラインドスポットモニタリング[BSM]・*7:リアクロストラフィックアラート[RCTA] *8:車線逸脱警報システム[LDWS] *9:ハイビームコントロールシステム[HBC] *10:アダプティブライティングシステム[AFS]
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」のほか、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2013年11月に発売した3代目「アクセラ」。5ドアハッチバック「アクセラスポーツ」は、1.5Lガソリンエンジン(G1.5)・マニュアルモード付6速AT(6AT-M)/6速MT・2WD(FF)/4WD、2.0Lガソリンエンジン(G2.0)・6AT-M・2WDを設定。◇2014年1月:2.2Lディーゼルエンジン(D2.2)・6AT-M/6MT・2WD車「XD」を発売。◇2014年4月:G2.0・6MT・2WD車を発売。◇2014年9月:一部改良。G1.5/G2.0車の装備設定を変更。D2.2車は変更なし。◇2015年5月:マツダコネクトの機能を更新。●2015年8月に一部改良。安全装備に側方・後方危険認知支援機能を追加。G1.5・6AT-M・2WD車はAT制御を改良し、燃費を向上している。「15C」は、ハロゲンヘッドランプ、マニュアルエアコン、電波式キーレスエントリーシステム、16インチスチールホイールなどを装備したベーシックタイプ。「15S」は、ピアノブラック塗装フロントグリル、16インチアルミホイールなどを標準装備したスタンダードタイプ。「15S ツーリング」は、ディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、ステアリングシフトスイッチ(AT車)などを装備し、安全装備(衝突回避・運転・危険認知支援機能)を搭載。「20S」は、15S ツーリングとほぼ同等の装備のほか、クルーズコントロールや18インチアルミホイールなどを標準装備。「XD」は、専用フロントグリル、LEDフォグランプ、電動スライドガラスサンルーフ、Bose サウンドシステムなどを標準装備。「20S ツーリング/20S ツーリング L パッケージ/XD」は、15S ツーリングの装備に加えて、車線逸脱警報システム、ハイビームコントロールシステム、アクティブドライビングディスプレイなどを搭載。「20S ツーリング L パッケージ/XD」は、運転席6ウェイパワーシート、運転席&助手席シートヒーターなども標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
15C | DBA-BM5FS | 6AT-M/6MT | FF |
DBA-BM5AS | 6AT-M | 4WD | |
15S | DBA-BM5FS | 6AT-M/6MT | FF |
DBA-BM5AS | 6AT-M | 4WD | |
15S ツーリング | DBA-BM5FS | 6AT-M/6MT | FF |
DBA-BM5AS | 6AT-M | 4WD | |
20S | DBA-BMEFS | 6AT-M/6MT | FF |
20S ツーリング | DBA-BMEFS | 6AT-M/6MT | FF |
20S ツーリングLパッケージ | DBA-BMEFS | 6AT-M/6MT | FF |
XD | LDA-BM2FS | 6AT-M/6MT | FF |