中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.08 / 掲載日:2013.11.01
スバル サンバー バン (2005年11月~2009年9月) 中古車購入チェックポイント
スバル サンバー バン (2005年11月~2009年9月) 中古車購入チェックポイント
EBD-TV1
参考車両:トランスポーター 2WD・3AT
初年度登録:2009年7月 (2005年11月)
■全体のチェックポイント
1999年2月から発売していた新規格「サンバー」シリーズが、2008年7月に一部改良した時期の「バン」。もともとが軽貨物車だが、車両の使い方によって傷みに差があることを念頭に細部まで念入りにチェック。過去の使用状況を販売店に聞いてみるのもいいだろう。走行機構の状態にも注意したいが、いずれにしても、整備付・保証付の車両を選ぶのが賢明といえる。
関連部や隣接部など周辺の状態も慎重にチェック
1.車体の様子を観察する
1.車体の様子を観察する
まずは、車体全体を見ながら外装にずれや歪みなどがないか探ってみる。車体の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、グリル、フロントカバー、ヘッドライト、コーナーパネルなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.スライドドアをチェック
2.スライドドアをチェック
リア左右スライドドアは、開閉具合とスライドする動き、閉めた時の収まり具合をチェック。
ドアの内側も、損傷や修理跡がないかチェック。同時に、ブラケット(ドアを支えている金具)やローラー、ドア開口部の上下と車体後部側面にあるレール(スライドさせる溝金具)などの状態も調べる。
3.周辺の状態もチェック
3.周辺の状態もチェック
フロントバンパーは、角と側部、下部や下側のエアダムに損傷がないかチェックし、ずれていないか立て付けも見る。同時に、バンパーに連なるドアやフェンダーも損傷や修理跡などがないかチェック。
4.下側に要チェックポイント
車体側面は、フェンダーやドアの状態に注意するだけでなく、サイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食(錆)、修理跡などがないか慎重チェック。
判断は難しいかもしれないが、交換した形跡がないか、パネル接合部もチェック。スライドドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も必ずチェックする。
5.関連部も慎重にチェック
フロントドアは、修理跡がないか内側もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも見る。開口部のピラー(柱)、フェンダー部およびタイヤハウス内などもチェック。車体左側は、フューエルリッドや給油口周辺も調べる。
6.リアゲートを開閉してみる
後部も、バンパー、リアゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。
「サンバー」のリアバンパーはエンジンフードを兼ねているので、取り付け状態とロックや開閉の具合をチェック。ヒンジや車体側のパネルも、錆、損傷、修理/交換跡がないかチェック。
リアゲートも、外面と内側をチェック。開閉具合をチェック。同時に、開口部も慎重に調べる。
★車両の使い方や走り方も注意ポイント
シャシーフレーム付ボディ(サスペンションを組み込んだフレームの上にボディを載せている)やRR(リアエンジン・リアドライブ)といった車体構成も念頭に置いてチェックしたい。事故だけでなく、商用か、趣味やレジャーか、使用状況によっては車体やフレームの疲労などにも注意。使用歴やユーザー歴を販売店に聞いてみたい。
車両の使用状況にも注意しながらチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態も確認。ボックスやなどは、内部の状態もチェック。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
シート表皮は、染み、擦れ、破れにも注意。フロントシートリクライニング&運転席シートスライドや一体可倒リアシートの折り畳み具合も試してみる。
2.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ブレーキランプなど保安装置。ウインドウ開閉、ドアロック、室内ランプの点灯など基本的な部分の作動状態をチェック。
エアコンは、特に冷房の効き具合に注意し、風量なども調整操作してみる。送風の臭いにも注意。
3.荷室も念入りに調べる
荷室は、内装材やカーゴルームマットなどのほか、ドアや車体パネルの傷にも注意。積載物によっては改装することもあるので、不可解な穴が開いていないかチェック。室内の様子から車両がどのように使われていたか推測してみる。
★細部は販売店で調べてもらう
装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合などがないかは販売店で点検してもらうようにしよう。
★仕様装備を確認する
「トランスポーター」は、ハイマウントストップランプ、フロントドアパワーウインドウ・反転機能付、アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック・ハザード&オフディレイルームランプ連動、集中ドアロック、CDプレーヤー&AM/FMラジオ一体オーディオ・2スピーカー/時計機能付、塩ビフロントフロアマット、塩ビカーゴルームマット・防音材付、全ドア&リアゲート連動ルームランプ、スライドドア&リアゲート連動カーゴルームランプ、UVカット機能付濃色ガラス・スライドドア/リアクォーター/リアゲートなどが標準装備となっている。車両をチェックする際は、仕様グレードと装備内容を販売店で確認しよう。
走行機構全般の調子と整備状況を必ず確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合をチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や表示なども見る。スターターモーターの勢いなどにも注意。エンジンがかかったら、アイドリング回転や排気ガスの色などもチェックしたい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.変速動作もチェック
2.変速動作もチェック
3速ATは、エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、セレクトレバーを切り替えながら操作具合をチェック。可能なら試乗して、オートマチック動作をチェック。[D][2][1]の機能も走行時にチェックする。とはいっても、異常や不具合を判断するのは難しいので、販売店で点検してもらうほうがいい。
3.床下の様子もチェック
下まわりも覗いてみよう。車体パネルやフレーム、補強部材などのほか、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態をチェック。整備状況とも関わる油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の破損などにも注意したい。
4.ホイールとタイヤをチェック
4.ホイールとタイヤをチェック
スチールホイールは、錆や損傷がないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)も、欠損や曲がりがないか調べる。
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不具合やフレームの歪みなども考えられるので要注意。標準は商用タイヤだが、乗用タイヤに換えると操縦性に影響することにも注意。
タイヤもホイールも、縁石などに接触して削ったようなダメージ痕にも注意したい。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
点検整備記録を参照し、オイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺をチェック。助手席床下の冷却水やバッテリーなど日常点検項目も見てみたいところだが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認する。車両の購入を決めるなら、エンジンやトランスミッションはもちろん、ブレーキ、サスペンション、ステアリングなど走行関連機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!

「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
1999年2月のモデルチェンジで新規格(軽4輪自動車規格1998年10月~)に適応した「サンバー」シリーズ。その後、毎年改良を重ながら仕様装備やグレード設定などを変更。2005年11月の改良で、軽貨物車「トラック/パネルバン/バン」と軽乗用車「ディアスワゴン」をラインアップ。
●2008年7月には、仕様装備を一部変更している。「バン」の作りは、5ドア・2列シート2/4人乗り・リア左右スライドドア・積載量350kgが基本。仕様グレードの「VB」は、ベーシックタイプ。「VB 2シーター」は、2人乗り仕様の積載優先タイプ。「VB クリーン」は、排出ガス基準に適合した環境対応タイプ。「トランスポーター」は、装備を充実して利便性やセキュリティ機能を高めたタイプ。「ディアス」は、快適装備なども加えた乗用ワゴンに近いマルチユースタイプとなっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
VB | EBD-TV1 | 5MT/3AT | RR |
EBD-TV2 | 5MT | S.4WD | |
EBD-TV2 | 3AT | F.4WD | |
VB 2シーター | EBD-TV1 | 5MT/3AT | RR |
VB クリーン | GBD-TV1 | 5MT/3AT | RR |
GBD-TV2 | 5MT | S.4WD | |
GBD-TV2 | 3AT | F.4WD |
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
トランスポーター | EBD-TV1 | 5MT/3AT | RR |
EBD-TV2 | 5MT | S.4WD | |
GBD-TV2 | 3AT | F.4WD | |
ディアス | EBD-TV1 | 5MT/3AT | RR |
EBD-TV2 | 5MT | S.4WD | |
GBD-TV2 | 3AT | F.4WD |