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更新日:2023.01.28 / 掲載日:2023.01.28

車のダイナモ(オルタネーター)の故障時はどうすればいい?原因や対処法を解説

車のダイナモが故障する原因とその対処法について知っておこう

ダイナモは発電機のことで、車を動かす際の重要な動力源のひとつです。現在はダイナモではなく「オルタネーター」が使われていることが多いですが、発電機としての役割は変わりません。

このダイナモ(オルタネーター)も故障することがあります。最も多い原因は経年劣化ですが、他にも故障する要因は様々です。不具合を起こしたら、速やかに修理や交換を行わなければなりません。

この記事では、ダイナモ(オルタネーター)が故障してしまう原因や修理・交換はどのようにするといいのかを解説します。

ダイナモとは?

最初にダイナモとオルタネーターの概要を確認しましょう。両者ともに、バッテリーを充電するための発電機です。

性能的にはダイナモよりもオルタネーターのほうが優れており、新しい車には主にオルタネーターが使われています。

ダイナモは現在のオルタネーターと同じ役割

車のダイナモは発電機のことを指し、最近の新しい車種に搭載されているオルタネーターと同じ役割を担うものです。

ダイナモは使い勝手が悪いため、今は利便性が高いオルタネーターに取って代わられています。そのため、ダイナモを装備している車は、かなり古い車がほとんどです。

ダイナモとオルタネーターの違い

車の発電機として捉えればダイナモもオルタネーターも同じものですが、その構造は大きく異なります。

ダイナモが発生させるのは直流電流ですが、オルタネーターは交流電流で、高回転にも対応した造りになっています。

車のバッテリーの充電には直流電流を必要としますが、オルタネーターは整流器によって交流電流から直流電流に変換するという仕組みです。

つまり、ダイナモは整流器とワンセットになっていないオルタネーターだと言えます。また、オルタネーターはダイナモよりもシンプルな構造です。

ダイナモの短所とオルタネーターの長所

旧来のダイナモには、直流発電機ゆえに発電効率が良くないという短所がありました。その一方、オルタネーターは電流を出力してバッテリーに蓄電できるシステムなので、アイドリング中でも充電できる点が長所です。

オルタネーターはエンジン回転のパワーによって同時に回転して発電し、車へ供給あるいは充電に電流を用いるという仕組みです。そのため、現在出回っている新車にはほぼ全てにオルタネーターが使われています。

さらに、新車のオルタネーターには「ICレギュレーター」が搭載されており、これによってオルタネーターが発電した電圧は一定に保たれます。電圧が上がり過ぎるとバッテリーの故障につながるため、そこで電圧を調整するのがICレギュレーターです。

つまり、ICレギュレーターのおかげでオルタネーターは存分に力を発揮でき、バッテリーも安心して蓄電できるわけです。こうした機構によって、車のオルタネーターは成り立っています。

ダイナモ(オルタネーター)の寿命

ダイナモ(オルタネーター)は使い続けると劣化していきます。そのため、車の走行距離が10万キロに達したタイミングで交換するのが一般的です。

とはいえ、最近のオルタネーターは初期のものと比べてかなり性能が良く、優れた耐久性を持つものも多くあります。走行距離が20万キロを超えた車でも、問題なく使われていることも珍しくありません。

そのため、交換時期の目安である10万キロという数字は必ずしも真に受ける必要はないでしょう。走行距離10万キロで車が寿命を迎えるという考え方は昔ながらのもので、現在はこの数字が独り歩きしているところがあります。

昔から車は「登録から10年、走行距離10万キロが寿命」と言われ、使用される消耗部品などもその期間にあわせて生産終了することがありますが、走行距離10万キロという数字は、あくまでも目安として考えましょう。

ダイナモ(オルタネーター)が故障する原因

ここまでで、ダイナモとオルタネーターの概要と相違点を解説しました。それぞれ機能的には同じもののオルタネーターのほうが総合的に見て優れているということが分かりましたね。

では、オルタネーターが故障する主な原因はどんなものがあるのでしょう?

以下で詳しく説明していきます。

様々な要因が考えられる

オルタネーターで用いられているパーツは、水分や高熱に弱いものが多いです。

例えば、前述した電圧の調整器であるレギュレーターに水が入るとショートします。普通の雨程度なら問題ありませんが、大雨などで冠水しそうな状況下で走行する際は注意しましょう。

また、夏場にエンジンをかけると暑い外気に加えてオルタネーターも作動して熱が発生するので、高温により負荷がかかります。他の部品の故障による発熱が影響することもあるので、これも注意が必要です。

また、劣化したバッテリーは満タンまで充電しきれませんが、オルタネーターはそれでも充電させようと発電し続けます。これによってオルタネーターに負荷がかかって故障につながることがあります。

さらに砂地や埃っぽい場所では、車両内部にゴミが溜まって部品の摩耗が進み、オルタネーターの故障につながることがあります。

このようにオルタネーターは非常に繊細なところがあるので、定期的なチェックは欠かせません。以下では特に故障しやすいオルタネーターの部品を3つ紹介します。

故障しやすい部品①カーボンブラシ

オルタネーターはカーボンブラシという部品が組み込まれており、これには電流を伝える役割があります。回転する部分に接触して、滑らせて動かす動作を通して通電する仕組みです。

そのため、長い間使い続けたカーボンブラシは必ず摩耗していきます。上記のように滑らせて動かす動作を摺動(しゅうどう)と言いますが、ブラシの摩耗が進むとこの摺動がうまくいかなくなり、不具合が発生します。

故障しやすい部品②レクティファイヤー(変圧器)

変圧器であるレクティファイヤーという部品が、水分や高熱によって故障することもあります。

レクティファイヤーは、オルタネーターが生み出した交流電流を直流電流に変える装置で、「変圧器」とも呼ばれます。

レクティファイヤーは繊細で、車両内部で発生する水蒸気や、浸水・冠水が原因で水をかぶって故障するケースが多いです。

単体で交換してオルタネーターが復旧することもありますが、多くの場合、レクティファイヤーが故障したらオルタネーター全体を丸ごと交換することになるでしょう。

故障しやすい部品③ICレギュレーター(整流装置)

ICレギュレーターは「整流装置」とも呼ばれ、オルタネーターから発せられる電圧を常に一定に保つための装置です。

このICレギュレーターが正常に作動しないと、電圧の制御が効かず、不具合を起こすことがあります。電圧の制御ができないと、車は高電圧の状態に陥ります。

例えば、バッテリーが過電流によって不具合を起こすなど、様々な機器に悪影響を及ぼしかねません。この高電圧の状態は、電装品全般にとって好ましくないとされています。

夏は特に故障しやすい

オルタネーターが最も故障しやすいシーズンは、気温が上がる夏場です。猛暑によって高温にさらされると、特に経年劣化が進んでいるオルタネーターの場合は不具合が起きやすくなるので注意しましょう。

そもそも、オルタネーターはエンジンの回転を利用して発電するものなので、普通はエンジンに組み付ける形で装備されます。しかし、回転しているエンジンは高温になるものなので、どうしても影響を受けやすくなります。

これに加え夏場ともなると暑さが厳しいので、オルタネーターはエンジンと外気による高温というダブルパンチを受けることになるのです。走行距離が長い車の場合、夏場に酷使した後で不具合が見られたらオルタネーターの故障を疑ってみてください。

ちなみにJAFが公表しているデータによると、夏場にオルタネーターの故障による救援依頼が来るケースは、冬場の3倍以上だそうです。走行中のトラブルを防ぐためにも、定期的な状態チェックを忘れないようにしましょう。

ダイナモ(オルタネーター)の故障時の症状

ここまでで、ダイナモとオルタネーターの特徴と違い、そしてオルタネーターが故障する主な原因を解説しました。

では、ダイナモやオルタネーターなどの発電機が故障すると、具体的にどのような症状が出てくるのでしょう?

以下で詳しく見ていきましょう。

警告灯が点灯する

オルタネーターに異常が起きると、メーターパネルに設置されているバッテリーの警告灯が点灯します。オルタネーターが故障すればバッテリーの充電もうまくいかず、電力が十分に維持できず不安定になるからです。

バッテリーの警告灯が点灯すると、単純に電力不足か劣化を考えるかもしれません。しかし、オルタネーターの不具合が原因の場合は、バッテリーだけを交換してもまた充電の不具合が起きることになります。

そのため、一人で処理しようとせずに専門家の点検を受るようにしましょう。

エンジンが不安定になる

前述した通り、オルタネーターに不具合が生じると、バッテリーへの充電がスムーズに行われません。その結果、セルモーターを回すための電力供給が不安定になってしまいます。すると、エンジン動作の不安定さ、最悪の場合はエンジン停止につながっていくことになります。

オルタネーターが不具合を起こしていてもバッテリー内に電力が残っていれば、不安定であってもしばらくの間はエンジンがかかります。しかし、いつストップしてしまうか分からない状態です。

バッテリーの警告灯の点滅とエンジンの不安定さが同時に来たら、早めに運転をやめて専門家の点検を受けましょう。

異音がする

オルタネーターは様々なパーツによって成り立っています。そのため、それらのパーツもずっと使っていれば経年劣化を起こし、異音を発することがあります。

オルタネーターが正常な状態なら音がすることはないので、異音は故障のサインと考えましょう。もちろん、異音がしたからといってオルタネーターの故障とは限りません。

以下では、音によって故障しているパーツを判別する方法を紹介します。

音による故障内容の判別

オルタネーターが故障すると異音が発生することがありますが、この異音の種類によって故障内容が判別できることもあります。

例えば「キュルキュル」「キーキー」という音がしたら、ベルトの劣化によるベルト鳴きかもしれません。この場合のベルトというのは「Vベルト」を指し、回転したエンジンの動力をオルタネーターに伝える役割を負っています。

しかし、Vベルトはゴム製です。そのため、経年劣化で硬化したりひび割れたりたるみがあったりすると、こうしたベルト鳴きが起きます。

他にも「カリカリ」「カラカラ」という音の場合は、オルタネーター内で発電するプーリーというパーツが摩耗していることが考えられます。プーリーの中心軸が劣化することで、うまく回転せず異音が生じます。

また、「ウイーン」という異音の場合は、プーリーの軸の軸受けにあたるベアリングが劣化しているかもしれません。

このように、異音の種類によって故障しているパーツやその症状は様々です。

電子機器が不具合を起こす

車に搭載されている電子機器には、カーナビやオーディオ、エアコンなど様々なものがあります。これらの機器がうまく動かない場合は、電力供給の大元であるオルタネーターに不具合が起きていることが考えられます。

もちろんオルタネーターに限らず、バッテリーなど電力供給に関わる部品が故障していることもあるでしょう。

電子機器以外にも、ライトにちらつきがあったり、全く点灯しなくなったりするといった異常が見られたら、やはりそうした部品の不具合を疑ってください。

バッテリー不良と間違いやすい

オルタネーターが完全に故障し、発電と電力供給がままならなくなれば、エンジンがかからなくなります。電力供給に関する異常というと、すぐにバッテリー上がりなどを連想するかもしれませんが、ここでバッテリーだけを交換しても、オルタネーターが故障している限りエンジンはまた止まります。

まずは専門家に見てもらうのが一番ですが、とりあえずバッテリーを交換したなら、またすぐに異常が生じないか確認しましょう。

バッテリーが新品なのに電力供給面で異常があるようなら、オルタネーターの故障を疑って下さい。

ダイナモ(オルタネーター)の修理について

ここまでで、ダイナモやオルタネーターといった発電機が故障するとどのような症状が見られるのかを見てきました。

最後にダイナモやオルタネーターが故障してしまった場合は、どのように修理や交換するといいのか、自己修理で費用を安くすることはできるのか、などについて見ていきましょう。

修理するか交換するか

オルタネーターが故障した場合、修理するか交換するか、どちらかを選ぶことになります。多くの場合、オルタネーターは経年劣化によって故障するため、修理するよりも交換するケースが多いです。

ただし、中古品は既にある程度使い込まれているので、交換後にまたすぐ不具合を起こしてしまい、何度も交換しなければいけなくなる可能性があります。その結果、新品と交換した場合と同じくらいの費用になったというケースもあります。

交換する場合は、できるだけ新品かそれに近い品質のリビルト品を選ぶといいでしょう。

自分で修理する場合

オルタネーターの修理・交換にかかる工賃をできるだけ抑えたい場合は、自分で修理を行うこともできます。

オルタネーター内の細々した部品も含めて丸ごと交換するのであれば、作業もさほど難しくはありません。ただ、細かい部品の修理は素人には難しいでしょう。

また、オルタネーターは重要部品なので、交換する際に間違って取り付けるとまた不具合が起こる可能性もあります。そうなるとかえって費用がかさむだけなので、自信がなければ専門業者に依頼するのが堅実です。

業者に修理を依頼する場合

専門業者にオルタネーターの交換依頼をした時にかかる時間は、車種にもよりますが大体は半日〜1日もあれば終了するでしょう。

車種によって修理時間が異なるのは、ボンネットを開けるだけで作業できるものもあれば、バンパーまで取り外さないと作業ができないものもあるからです。

例えば、国産車のオルタネーターの修理・交換の場合、バッテリーターミナル、カバー、B端子、コネクター、そしてアイドラプーリー、ブラケットの順に取り外して、ようやくオルタネーター本体に行きつきます。

単純にオルタネーターの交換といっても、これくらいの手間がかかることは覚えておきましょう。

費用はいくらかかるのか

オルタネーターを交換した場合の費用は、部品代+工賃の金額です。

工賃の相場は約1万円で、新品のオルタネーターに交換するとしたらトータルで5万~10万円は見ておいたほうがいいでしょう。

新品ではなく、中古品やリビルト品であれば工賃は1万~1万5000円、工賃を含めたとしても5万円程度になることがあります。

ただし、中古品に交換するとあまり間を置かずにまた不具合を起こす恐れがあるので、注意しましょう。

メンテナンス・点検方法

オルタネーターの故障について、様々な角度から解説してきましたが、不具合を予防するために細かなメンテナンスが必要だと感じた方もいるのではないでしょうか?

しかし、オルタネーターはさすがに日常的な点検までは不要で、法定点検のタイミングできちんとチェックしてもらえば十分です。

ただし、2000年以前に製造された古い車の場合、オルタネーターも最新のものほど耐久性が高くないので、寿命は短くなっています。

また、旧来の「ダイナモ」を使っている車の場合も、できればこまめに点検しましょう。

オルタネーターの状態は自分でチェックすることも可能です。その場合は、カー用品店やホームセンターで2,000円程度で購入できる「オルタネーター・チェッカー」を使いましょう。これは、オルタネーターに流れる電流を確認できるアイテムです。

オルタネーター・チェッカーには、直結して電圧を確認するタイプや、シガーソケットへ挿入するタイプがあります。確認作業は簡単にできますが、作業時は感電防止のためのゴム手袋をつけて行いましょう。

まとめ

  • ①車のダイナモは発電機のことで、最新の車はオルタネーターに取って代わられている
  • ②ダイナモもオルタネーターも役割は同じ
  • ③ダイナモ(オルタネーター)が故障する原因は様々だが、経年劣化であることが多い
  • ④ダイナモ(オルタネーター)が故障すると警告灯の点灯、エンジンや電子機器の不具合が起きる
  • ⑤異音の種類によって故障内容の判別ができる
  • ⑥自力での修理や交換も可能だが、素人にはややハードルが高いため、専門業者に依頼したほうが安心
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