中古車購入ガイド
更新日:2022.01.08 / 掲載日:2022.01.08

いつが買い時? 中古車市場解体新書

相場値上がりは本当か?

新型コロナウイルスの流行による半導体不足の影響で、新車販売が打撃を受けている。逆に中古車販売は好調だが、市場は在庫不足、価格高騰といった状態に。このような状況はいつまで続くのか、気になる疑問を解説していこう。

POINT TO KNOW ABOUTUsed Car Market

現在の中古車市場を知るためのポイント
コロナ禍で中古車がこれまで以上に注目を集めている。しかも、注目度に比例して相場は高騰の動きを見せていて、市場は変化を余儀なくされている。まずは、そんな中古車市場の“今”を知るための情報を整理してみよう。

そもそもコロナ禍でクルマが売れるのはなぜ?

予算を抑えられることと納期の早さが支持を得た
 コロナワクチンの接種率が70%台を超え、さまざまな感染対策を講じてきた効果もあって、生活は次第に落ち着きを取り戻しつつある。しかし、いまだに予断を許さない状況であることに変わりはない。そうした状況のなか、家族や友人と出かける場合でも、できる限り公共交通機関の利用を避けたいと考える人たちが、感染リスクを回避できる可能性が高い移動手段としてクルマに注目した。これがコロナ禍で自動車販売が好調だった最たる理由として挙げられる。
 特に中古車に注目が集まったことは、さまざまなメディアでも報じられていた。こちらの理由も明快で、新車より購入予算が抑えられること、そして納車までの期間が基本的には新車よりも短く、「今、欲しい」というニーズに対応できるからだ。中古車は、コロナ禍でいち早くクルマが欲しい、そして出費は抑えたい、というニーズに最適だったのだ。

需給バランスが崩れて相場は高止まり。良質な物件を手にするための競争が厳しくなるなど、中古車好きにとっては不本意な状況かも……。

ていうか半導体ってなんなんだ?

サプライチェーンの寸断と混乱によって、半導体だけでなく、ワイヤーハーネスや各種電装品の供給まで滞っている。今のところ半導体不足は好転の兆しが見られない状況だ。

電子化が進むクルマに欠かせない重要な部品
 エンジンやブレーキなどの走りを制御するコンピューターをはじめ、カーナビやメーターなどの情報系機器、電動ミラーやパワーシートなどなど、車載の電子部品には必ず半導体デバイスが使われている。
 半導体デバイスは、自動車の進化に伴ってその数が増加。特にハイブリッドカーや電気自動車といったクルマの電動化をはじめ、安全運転支援や車車間通信といった、クルマに新たな価値を与える技術の進化、普及という点においても、半導体デバイスの役割は大きくなっている。
 21年初頭から話題になり始めた半導体不足は、予想以上に長期化しており、いまだ自動車産業に深刻な影響を与えている。

なるほど新車と中古車の需給関係

需給バランスが崩れて相場は軒並み高騰
 半導体不足が長期化したことで、新車を購入したくても納車の目処が立たない状況が続いている。そのため、クルマをすぐに欲しい人は、納期が長引く新車を避けて中古車を選んでいるわけだが、新車の需要は大半が乗り換えに基づくものだから、新車の納期が滞れば中古車として流通する車両も減る。これが中古車の品不足に拍車をかけた。
 中古車の相場は、市場の需給バランスが大きな影響を及ぼす。需要が高くて供給不足なら相場は上がり、供給が行き届いていても需要が低ければ相場は下がるというのが基本的な原理となっている。
 しかし、先述のような品薄が依然として続いているため、オークションでの中古車の平均落札価格は17ヶ月連続で前年同月を上まわっている状況だ。

’80-’90ネオクラスポーツの今

1000万円超えもあり!? まだ買えるの?

高騰の流れは止まらず、市場在庫は減っている
 近年、「ネオクラシック」とも呼ばれる80〜90年代の国産スポーツ
カーの相場が高騰していることはよく知られているが、その一番の理由となるのが、「25年ルール」だ。
 これは簡単にいえば、北米では製造から25年が経過したクルマは(関税や排ガス規制などの面で)輸入しやすくなるというもの。これに加えて、ゲームの「グランツーリスモ」や映画「ワイルドスピード」などの影響を受けて現地で日本車の人気が高まっていることもあって、日本車需要が増えている。
 たしかに当時はバブルで景気がよかった影響もあり、国産車の開発にかなりの資金が投入されていた、国産スポーツカーの黄金期といっても間違いない。キラ星のごとく素晴らしいモデルが生み出されたが、現在その多くの中古車価格が高騰。一部は1000万円を超えている。
 また、スポーツカーということもあって多少なりとも荒く乗られていた物件が多く、経年とともに流通台数が減ってきていることも相場を高める要素となっている。さらには、まだ25年経っていないモデルに関しても、投機目的で売買されるケースが増えているという。
 素晴らしいレジェンドモデルが海外へ流失してしまうことは日本人にとって残念な話であるがどうしようもない。なるべく高騰していない物件を早めに探して手に入れたい。

今後25年を迎える注目モデル

[ホンダ]S2000
FRの2シーターオープンで、99年に同社の創立50周年記念車として誕生。2.0ℓ(のちに2.2ℓ)の直4VTECエンジンは9000回転まで回すことができる。
中古車中心相場 250万〜360万円

[日産]シルビア(S15型)
99年登場の最終型は、歴代最高スペックが与えられたFRスポーツとして今も語り継がれるモデル。すでに高コンディション物件は高騰し始めている。
中古車中心相場 160万〜270万円

「聞かせて! 現場の声」
オークション会場は史上空前の価格高騰中だった!?

 前頁で紹介したとおり、新車と中古車の市場とは密接に関係している。新車の納車待ちが長くなった影響を受け、中古車の相場が上がっているというのは、中古車人気が高くなっていることの証明でもある。
 今回は、個人で中古車販売業を営みオークションにも参加しているIさんに、オークションの現状について話を聞いた。
「ウチで販売しているクルマは大半がオークションで入手していましたが、落札価格は、昨年と比べて2割から3割くらい高くなっている気がしますね」
 それがそのまま店頭価格に反映されているということか?
「ずっとコロナが続くわけじゃないので、個人的にはなるべく値上げは避けたいと思っていますが、利益ゼロの価格付けをするわけにはいきませんし。あとは他店との駆け引き次第じゃないでしょうか……」
 結局、市場原理から考えても相場の値上げは仕方がなく、販売店側も値付けに苦慮しているようだ。
「最近のオークションでは、ただ高価なだけじゃなく、品薄という問題もあります。物件を店頭に並べられなくなって開店休業状態だと、立ち寄ってくれるお客さんもいなくなってしまいますから困りますよ」
 では、物件入手方法に関してどう対策しているのか?
「常連のようなお客さまから具体的な物件の注文があれば、多少強気の価格でもオークションで落札します。なるべくお客さまからの下取りを増やすよう努力したり、知り合いの業者から回してもらったりしていますが、どうしても取扱物件数は減ってしまっています」
 中古車相場の値上がりには、ユーザーだけでなく、仕入れる側にもいろいろと悩みが生じているようだ。

中古車の価値が見直されることはいいことだが、値上がりはユーザーとしても望むものではない。売買する両側が、早く通常の市場に戻ることを望んでいる。

注目モデル、ここ1年の相場の動きを斬る!

ここからは注目車をピックアップして、実際の相場の動きをチェックする。はたしてこの1年の間で、どのクルマも値上がりしているのか、値上がり幅はどうか、さらに、ジャンルによって違いはあるのだろうか?

日産 ノート(先代型)
中古車中心相場 40万円〜150万円
トヨタ ノア(現行型)
中古車中心相場 110万円〜240万円

[こんなクルマ]
誰でも扱いやすい機能が備わり、e-POWER搭載車なら先進性と優れた経済性が手に入る。日常の足として利便性や経済性を重視するユーザーにオススメの選択だ。
[市場のようす]
e-POWERの人気は依然として高め
市場での流通台数は多いが、人気車なうえに需給バランスが保たれていることから相場への影響は意外に少ない。相場価格はe-POWER車とそれ以外で若干の差がある。
[相場動向]

新型が発売されて約1年が経過した。先代型はe-POWER人気が高く、相場もそれほど大きくは下がっていないが、良物件を探してみる価値はある。

ホンダ ヴェゼル(先代型)
中古車中心相場 110万円〜220万円

[こんなクルマ]
コンパクトSUV特有の運転のしやすさや、ホンダ独自の技術により実現した実用性の高さがセールスポイント。1.5ℓガソリンとハイブリッド仕様をラインアップ。
[市場のようす]
コンディションのいい車両がねらえる
新車販売が好調だったことから中古車の流通台数が豊富で、良質な車両が見つけやすい。新型の登場が相場に与える影響は今のところ小さく、今後の動向を注視したい。
[相場動向]

先代型同様、2代目モデルとなる新型も2021年の発売以来、新車販売が好調だ。一方、先代型の中古車は相場が下落中。今こそねらい目となっている。

三菱 アウトランダーPHEV(先代型)
中古車中心相場 170万円〜290万円

[こんなクルマ]
三菱が培ってきた電動化技術と4WD技術を結集して開発されたプラグインハイブリッドSUVだ。前後に高出力モーターを備え、パワフルな走りを実現する。
[市場のようす]
相場価格は年式相応で推移
SUVならではの機動力の高さだけでなく、優れた経済性も相まって相場は年式相応となっている。初期型よりも改良が実施された2018年以降のモデルがオススメだ。
[相場動向]

12月に新型が発売された同モデル。新型は性能、スタイルともに評価が高く、乗り換えるオーナーが多数いると予想される。相場は下落が続くか。
トヨタ 86(先代型)
中古車中心相場 110万円〜230万円

[こんなクルマ]
「直感ハンドリングFR」をコンセプトに開発された2ドアクーペ。クセのないハンドリングやハード過ぎない足まわりの設定で、普段使いでも不満を感じない。
[市場のようす]
走りに影響する部位の状態を要確認
相場価格は年式相応だが、2016年以降のモデルはやや高めの傾向にある。購入時は、タイヤや足まわりの状態など、走りに影響する部位をしっかりと確認しよう。
[相場動向]

2021年10月に新型「GR86」が発売。あらゆる面で先代型を超えたとされるが、従来型は軽快さとシャープなスタイルが魅力。相場は値上がり傾向だ。

ホンダ オデッセイ(最終型)
中古車中心相場 130万円〜280万円

[こんなクルマ]
風格のあるスタイリングや、3列ある席のどこに座っても心地よく乗車できる、優れた快適性が持ち味。低重心設計がもたらす走りのよさもセールスポイントだ。
[市場のようす]
上級ミニバンでも値ごろ感は強め
5年落ちの初期型なら100万円台で購入できるなど、上級ミニバンでも値ごろ感が強い。ガソリン仕様が中心で、ハイブリッドは台数が少ないうえに相場が高めとなる。
[相場動向]

2021年で新車販売終了となったが、それに呼応するかのように相場も下がってきている。ミニバンとしては優秀なモデルだけにねらい目だ。

[こんなクルマ]
兄弟車のヴォクシーとともにMサイズミニバンの中核を担ってきた人気車。低床かつフラットなフロアによって実現した優れた居住性と実用性が、ファミリー層に好評。
[市場のようす]
定番の選択ゆえに相場は高値安定
ミニバンクラスにおける定番の選択であることから堅調に売れている。登場から7年が経過し、流通台数が多いわりに値落ちが少ないという傾向は今後も続くと見られる。
[相場動向]

執筆時点ではまだ現行型の3代目(1月の新型登場はアナウンスされている)。相場は横ばいだが、新型の登場で一気に下がることもあり得る。

スズキ アルト(先代型)
中古車中心相場 30万円〜80万円

[こんなクルマ]
リーズナブルな価格と燃費のよさを追求したシンプルな軽自動車だが、質感とプロポーションにこだわった個性的なスタイルとすることでチープな印象を払拭している。
[市場のようす]
低価格ゆえに安定した相場を維持
もともと低価格をウリにしているクルマで、日常の足として選択するユーザーが多いことも影響して値落ちしにくい。価格だけでなく装備内容を加味して選択したい。
[相場動向]

新型が発売されたのは2021年12月。上記期間の相場にはまだ影響が出ていないようだが、これから動きが見られる可能性大。要チェックだ。

ホンダ S660
中古車中心相場 160万円〜250万円

[こんなクルマ]
MRレイアウトを採用し、スポーツカーの醍醐味である操る楽しさを満喫できる本格派。贅沢な造りがなされており、走りも質感も軽自動車の枠を超越している。
[市場のようす]
今後も高値安定傾向は継続
すでに新車での購入が難しい状況で、7年間生産された割に中古車の流通台数が希少なことも影響し、相場は高騰気味となっている。今後もこの傾向は続くとみられる。
[相場動向]

2021年春に「2022年3月をもって生産終了」とアナウンスされると、中古車相場も急上昇。しばらく手が出せない状態になってしまった。
日産 リーフ(現行型)
中古車中心相場 190万円〜280万円

[こんなクルマ]
日産の技術力の高さを象徴するモデルで、100%電気で走る電気自動車だ。標準仕様に加えて、オーテックやNISMOなど多彩なバリエーションから選択できる。
[市場のようす]
最新鋭のモデルで相場は高めに推移
中古車の流通台数はまだ少なく、最新鋭の技術を数多く搭載していることもあって相場は高めに推移している。年式が新しいので状態のいい車両が探しやすくなっている。
[相場動向]

現行型はすでに発売から4年が経過して、初期モデルが市場に多く出回っている時期だが、EVの注目度が高まるのに合わせて相場は上昇中。

トヨタ クラウン(現行型)
中古車中心相場 280万円〜390万円

[こんなクルマ]
国産高級サルーンの代表格で、BMWやメルセデス・ベンツ、アウディといった欧州のプレミアムブランドに比肩する、質の高い運転感覚を持ち味としている。
[市場のようす]
国産セダンの定番らしく相場は安定
依然としてセダン需要は減少傾向だが、そのなかでもまずまずの人気を維持している。生産中止の噂も出ているが、まだそれが相場に与える影響はそれほどないようだ。
[相場動向]

次期型の噂がちらほら聞こえてきたが、SUVモデルが登場するという話もある。まだ具体的な部分がわからないだけに、相場も横ばいが続く。

ジャンルで異なる!? 市場概況と相場の動き方

中古車相場はつねに変動しているが、ジャンルによって相場の動きは若干異なる。どういうときに上がり、下降するかを把握しておけば購入に際して絶好のタイミングがつかみやすくなる。

コンパクトカー

人気モデルは高値安定傾向、手頃に買うなら不人気車
 コンパクトカーは日常の足として重宝されてきたが、今どきは同価格帯に軽自動車やコンパクトSUVが存在するため、新車、中古車市場ともに、明確な付加価値を持った車種以外は販売は低調気味となる。こうした車種は流通台数が多いわりに相場が下がりにくく、繁忙期にはさらに上昇する。購入予算を抑えたいなら人気薄をねらうのが賢い選択となる。

スポーツカー

相場の変動は他ジャンルと異なる傾向が見られる
 スポーツカーは所有するまでのハードルが高い。なぜなら需要に対して供給量が少ないことや、予算内で状態のいい車両を見つけることが難しいケースもあるからだ。相場の動きとしては新型が登場したときは上昇するなど、他ジャンルとは異なる傾向が見られる。また、年数を経ることで価格が高騰するケースがあるというのも、スポーツカーならではの特徴だ。

軽自動車

全体的に値落ち率が小さく高値安定傾向
 軽自動車は低コストで所有できて、扱いやすく、初めての愛車としては格好の選択だが、新車時価格が安いため中古車の値落ち率は全体的に小さい。特にベーシックなハイトワゴンタイプ、ミニバンタイプのスーパーハイトワゴンは人気が高く、いずれも高値安定傾向にある。予算を抑えたいと考えるなら、需要が高まる決算期を避けるのが賢明といえそうだ。

セダン

相場は低めに推移するが流通台数は全体的に少なめ
 車種数は多いが、市場でのニーズは年々減っており、ジャンル全体が不人気と言わざるを得ない。そうした市場概況が影響し、セダンクラスでは、人気車種についても相場は低めに推移している。ただし、人気ジャンルに比べると需要が大幅に減っていることから、流通台数は全体的に少なく、予算に合わせて良質な個体を探すのは難しい状況となっている。

ミニバン

需給バランスが崩れず相場は安定して推移
 実用系車種を求める人の多くがSUVに流れた影響で、ミニバンクラスは新車で購入できる車種数が減少。しかし中古車なら、ハイルーフタイプはもちろん、ワゴン的に使えるロールーフタイプも選べる。人気はセレナやヴォクシーといったMサイズクラスに集中しており、いずれも市場の需給バランスが大きく崩れることがなく、相場は年式相応で推移している。

SUV・ワゴン

多目的に使える能力で幅広い層から支持される
 ワゴンやSUVはオールマイティに使えるクルマとあって、幅広いユーザーから支持されているカテゴリー。特にSUVは中古車市場でも人気が高く、相場は通年で高値を維持し、レジャーシーズン前にはさらに上昇することがしばしばある。一方ワゴンはニーズが減っていることから車種数が少なく、売れ筋モデルを除けば、相場はおおむね下落傾向にある。

もし相場が高めでも後悔しない物件を選ぶために……こだわりを捨てない買い方指南

たとえ価格が高くなっていても、欲しい物件が見つかったそのときに手に入れなければ、もう手に入らないかもしれないのが中古車だ。しかし、高いなら高いなりに自分を納得させる“何か”があってほしいもの。その“何か”を考えてみたい。

オプション装備にこだわりたい!

一定の車種にまで絞り込めている状態なら、そのモデルのグレードや装備にはこだわりたい。ただ、グレードの場合、エンジン排気量などの違いで数十万円変わることもあるが、装備なら価格にそれほど大きく差がつくことは少ない。こだわるなら、ディーラーオプションではなく、後付けできないメーカーオプション。サンルーフや革シート、安全運転支援装備などはこだわりがいのある装備だ。
【メーカーオプションだった装備を見つけたい!】

新車時は数十万円したオプション装備も、中古車では(車種にもよるが)新車時ほど高くならないことが多い。
整備履歴にこだわりたい!

信頼性の高さを重視して車種選びをした人ならば、整備履歴にもこだわりたい。あまり物件の価格に影響しないが、(紛失してしまったなどの理由で)整備記録簿が付いていない車両もある。しかし記録簿はクルマに
とって大事な履歴書。中身も記載されていれば過去のコンディションやトラブルも把握できる。記録簿が付いていることと、しっかりメンテされてきたことがわかれば万全だ。
【クルマの履歴を知って安心して乗りたい!】

記録簿に記載さえあれば、メンテナンス履歴と同様、修復歴の有無についてもわかり、安心して乗れる。

販売店にこだわりたい!

新車ほどではないにしても、中古車だってこだわっておいて損はない、というのが販売店選びである。それなりの金額を出すにあたって、気持ちよくやり取りをしたいし、販売店を信用して手続きをしたい。購入後、メンテナンスや数年後の買い替えなどで、その販売店との関係を続けることだってあるだろう。まずは、信頼できる販売店を探すのが中古車購入のこだわりの第一歩ともいえる。
【いい店に出会うことは物件探し並みに重要だ!】

販売店を訪れてみたり、店員と話をすることで、その販売店が見えてくる。HPにも同店を知る要素はある。

走行距離にこだわりたい!

中古車購入に慣れた人は、走行距離を重視しがちである。クルマは耐久消費財であるため、乗れば乗るほどその価値は減っていくもの。そのため、よりコンディションがいい可能性が高い、走行距離の少ない物件を探したくなる。購入後に長く乗りたい人も同様だ。基本的に、1年に1万㎞以下なら走行距離は少なめといわれることから、こだわるなら、「年1万㎞以下」の物件をねらいたい。
【1年1万㎞以下の物件なら低走行車といえる!】

かつては走行距離メーターを戻すなんていう悪い業者の話も聞かれたが、最近はすっかり減っている。

ボディカラーにこだわりたい!

色の好みは人それぞれとはいえ、ボディカラーは自分のアイデンティティが発揮される部分だし、毎日のドライブ時のテンションだって変わってくる。流通量が少な過ぎて色の選びようがないなんてこともあるが、それなりに流通しているモデルを購入するのであれば、こだわりたいポイントだ。せっかくそれなりの金額を支払うのであれば、鮮やかな色、目立つ色を買うのもおすすめだ。
【好みの色は愛車に乗る楽しみを増してくれる!】

人気の白や黒はリセールが高めというメリットも! 新車時に特別設定されためずらしい色なども同様だ。

クルマのプロの参考例
「こだわり買いは、自分を納得させる言い訳にもなる」

クルマのプロ=清水草一さん
ベテラン世代の自動車評論家。新車、中古車問わず購入経験が豊富で、2021年の夏には軽トラックを購入している。

 中古車相場が高騰している。そんなときに中古車を買うのはソン! と思ってしまうかもしれないが、市場原理は神の見えざる手。逆らっても意味がない。自分を納得させる言い訳を見つけるのが吉だ。
 たとえば、「これだけは譲れない!」というこだわりを持って中古車を選んだらどうだろう。車種にこだわるのはもちろんだが、それだけでなく、たとえば「車種はともかく絶対に自動ブレーキ付き!」とか、「エンジンは〇〇でボディカラーは絶対に赤!」とか。そういうこだわりを持って中古車を選ぶと、多少値段が高くても、自分を納得させることができる。このクルマを買ったのは運命の赤い糸だと思うことだってできるだろう。
 買い物は、実用だけじゃない。ココロの満足を得るためにするもの。つまり、実用とココロを満たすことができれば、多少高くても大満足できるのだ!

筆者が過去に購入したBMW3シリーズ。「ACCが搭載されている」ことにこだわって同車を選んだという。
「ディーゼルエンジン」にこだわって購入したランチア・デルタ。2.0ℓではなく1.6ℓだったこともこだわり。

ウィズ・コロナ時代におけるクルマの買い方

●密をなるべく避けて買う
 まず、日頃から気にして、あるいは気にされているのが「密を避ける」ということ。緊急事態宣言が収束し、いったん落ち着いたようにも思えるが、これから状況がどう変化するかは予測がつかない。
 では、これがクルマの購入にどう影響を与えるかといえば、まず買い方の変化がある。コロナ禍で、スーパーなど生活必需品を購入する店舗と比べて、贅沢品を購入する店では客足が激減した。クルマは後者に属するが、地域や人によっては生活必需品である。どうしてもクルマを買わなければいけない人がいる状況下にあって、対策も練られている。
 まずはリモートショッピングだ。コロナ前から環境は整いつつあったが、グーネットをはじめ、各店舗などでウェブを介してユーザーとのやり取りができるようなシステムを用意していることが多くなった。衣料品や日用品のように配送業者によって届けられるものではないが、なるべく店舗に足を運ばず、その回数を減らすような買い方ができる環境が整いつつある。

グーネットならオンライン商談が可能。ネット上で都道府県、メーカー、車種などを選択すればオンライン商談の対象車を探すことができる。
どんなに広いクルマであっても、車内では乗員同士が近くなってしまう。試乗時にそれほど飛ばす必要はないので、なるべく窓を開けて走りたい。

●店員とは距離をとりながら接する
 同様に、販売店を訪れてからも考えることがある。それは店員との接触の仕方である。
 店員側としては積極的に客と話をしたいだろう。なぜなら客ともっと親密になりたいからだ。客側もそれは同じことで、店員と話をすることで、どんな店かの判断がしやすくなる。会話をする際は、マスク着用はもちろん、ある程度距離をあけて話すこと。そして、なるべくなら事前にメールや電話などのやり取りで、長くなりそうな話、疑問などを解消しておくことをおすすめしたい。
●試乗をするならマナーを守って
 店を訪れる機会が減るとなると、販売店の雰囲気もつかみづらい。最も痛いのが、実車を見る機会が減る、あるいは試乗ができないということ。
 コロナ前から「リモート買い」をするユーザーは増えていたものの、クルマはそれほど安い買い物ではないし、できる限り実車は見たい。そして可能な限り試乗もしたい。
 もちろん、本当に信頼できる販売店さえ見つかれば、それは必要ないのかもしれない。かつて購入した店や知人からの紹介など、信頼するに足る理由があればそれもいいだろう。しかし、中古車を購入する多くの人が、初めての店での購入である。
 試乗するにあたって、必ず隣に座るであろう販売店の店員にも迷惑をかけないようにしたい。それは、換気のために窓を開けるとか、マスク装着必須だとか、なるべく発言を控えるなど。どれもマナーのレベルだが、店員だって人、人対人の対等の立場であることを忘れなければ、もし試乗した後そのクルマを買わないことになっても、お互いに気持ちよく交渉ができるだろう。

特集総括

クルマ好きのクルマ愛はコロナに負けず!
 コロナ禍にあって、仕事の面では環境を整えた企業がテレワークを開始し、緊急事態宣言解除後も、テレワークを続ける人が増えている。現状、クルマの購入においては、すべてがウェブ上で完結しない場合が多いが、近い将来、現車確認から交渉、手続き、納車まですべてリモートでできるようになるかもしれない。
 人々の消費行動が減ったことで景気が悪くなってしまったし、ドライブする人も一時的に減った。しかし、緊急事態宣言が解除されると、毎週のように週末の高速道路は大渋滞している。
 結局のところ、我々はクルマを買ったし(買うし)、カーライフを楽しみたかったのである。さらに相場が落ち着いてくれば、この動きはさらに活発化するに違いない。

半導体不足でも新車は発表される。そしてまた、魅力的な中古車が市場で見られるようになる。
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ