中古車購入ガイド
更新日:2022.07.15 / 掲載日:2021.09.02

ハイブリッド車? 軽自動車? 維持費が安い車とは

 

車を検討する際、見積書に記載されないということもあって車の維持費についてはつい忘れがちです。しかし、実際にどれくらいの出費があるのか把握していなければ、思わぬ出費が発生する場合があり、注意が必要です。車種によって維持費は異なりますが、維持費のかからない車とはどのような特徴があるのでしょうか。この記事では維持費の内訳や、維持費が安い車の特徴について、はじめて車を検討する方にもわかりやすく解説します。

 

維持費は車を持っているとかかる

はじめて車を検討している方に、ぜひ忘れないでいただきたいものが維持費です。維持費は車を持っていることでかかる費用で、車の見積書には記載されません。支払いできるギリギリのラインでローンを組むと、維持費の出費が上乗せされて生活が苦しくなってしまう場合があります。そうならないように維持費分の出費について考慮しましょう。

次に維持費とは一体どのようなものがあるのか順番にご紹介します。

自動車保険料(任意保険)

 

車の維持費の中でも大きなものは自動車保険です。自動車事故の際に自賠責だけでは不足する分が補償されます。例えば、自分や相手の車の修理代、自分のケガの治療費などが対象となります。若い方やスポーツカーなど、事故率が高い車種ほど料金が高くなる傾向にあります。

支払い方法は月払いや年払いなどがありますが、月払いを選ぶ方が多いです。

自動車税

 

自動車税とは、毎年4月1日時点で車の所有者に対してかかる税金です。軽自動車は軽自動車税です。

自家用乗用車と自家用乗用軽自動車では金額が異なり、排気量が少ないほど安くなります。

納税通知書という書類が5月上旬に自宅へ郵送され、金融機関やコンビニなどで支払います。5月末までに支払わなくてはなりません。自動車税は年一回ですが、大きな出費となります。

燃料費

 

燃料費はガソリン代とも呼ばれ、走行すればするほどかかる費用です。

燃費が良い車ほど燃料費がかからないため、低燃費車は維持費が安く注目されています。

燃料の種類(ハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油)によっても金額が異なり、ハイオクよりもレギュラーが約10円/L安く、レギュラーより軽油の方が約20円/L安い傾向があります。

車種によって燃料の種類は指定されているため把握しておく必要があります。

メンテナンス費用

 

安心・安全なカーライフを実現するためには、定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンス費には、点検費用や消耗品の部品交換代などさまざまな種類がありますが、ほかの費用同様にコンパクトな車種ほど費用がかからない傾向にあります。

ここではメンテナンスの主な内容・内訳について紹介していきます。

車検費用

 

車検費用は、検査にかかる費用と、自賠責保険および重量税、法定24か月点検費用などが含まれます。

日頃からあまりメンテナンスをしていないと交換部品が多くなり、高額になる傾向があります。車検は、新車では初回が3年後、その後は2年ごとに必ずあり、大きな出費となるでしょう。そのため、車検月がいつなのかを把握しておく必要があります。

定期点検費用

 

1年点検や半年点検など、定期的な点検が、安心・安全のカーライフを実現します。

特に1年点検は、法定12か月点検ともいわれるように、法律で義務付けられた点検のため必ず受けるようにしましょう。

1年点検は12,000円前後ですが、メンテナンスパックなどに加入しておくことで忘れていても急な出費に驚くことはありません。

タイヤ交換費用

 

タイヤは、走行すればその分摩耗して、ゆくゆくは交換が必要になります。走り方にもよりますが、5,000kmにつき1mm摩耗すると言われています。

タイヤは4本同時に交換すると非常に大きな出費となります。コンパクトカーのように直径の小さい車種ほど価格が安く、大きくなるほど高くなることが多いでしょう。

また、冬には地域によっては積雪対策として、スタッドレスタイヤの購入費用も発生し、大きな出費になるので注意が必要です。

オイル交換費用

 

車の血液ともいえるエンジンオイルは、エンジンを守るために定期的な交換が必要です。

使用状況やエンジンの種類などによっても交換タイミングは異なり、およそ5,000kmごと、もしくは半年点検ごとに交換するパターンが多いでしょう。

オイルグレードによっても、また車の大きさによっても、入る量が異なるため金額が変わり、コンパクトな車ほど費用を抑えることができます。

バッテリー交換費用

 

バッテリーは、エンジンの始動からエアコンやナビ、ランプの点灯など、車に必要な電気を供給する重要な部品です。

車のバッテリーは2~5年で寿命を迎えますが、ランプの消し忘れなどでバッテリーが上がってしまうと、交換時期を早めてしまうことがあるので注意が必要です。

バッテリーの大きさは車の大きさに比例することが多く、こちらもコンパクトな車ほど費用を抑えることができます。

駐車場代

 

駐車場代は、車種による違いはほぼなく、「維持費が安い車」とは直接関係ありませんが、毎月かかる費用です。

自宅に駐車スペースがない場合は、駐車場を借りなくてはなりません。駐車料金は地域や施設によってまちまちで、月額3万円以上かかる場所もあれば、3千円程度の場所もあります。

自宅から直線距離で2kmでなければ車庫証明が取得できませんので、料金だけでなく利便性なども考慮して選ぶようにしましょう。

維持費が安い車

 

ここまでコンパクトな車の方が維持費が安いと説明してきました。例えば、軽自動車はとても維持費が安い訳ですが、小さいがゆえに万人向けの車種とは言えないでしょう。

そこで、単にコンパクトな車という視点ではなく、車の使用用途や減税度合まで考慮した方が良いでしょう。最近ではエコカー減税という制度により税金面で優遇される場合があります。

ここでは、はじめて車を検討する方にもわかりやすいよう維持費が安い代表的な車のタイプについて詳しく解説していきます。

軽自動車

 

とりまわしの良さが人気の軽自動車は、維持費が安いことでも有名です。

車重1t未満が多い軽自動車は、軽量であるため、燃費の良い車種がほとんどです。車検時の自動車重量税や自動車税も、同じ車重の普通車に比べて半分以下となります。また、任意保険についても車種別での料金設定が存在しないため安くなるでしょう。そして、タイヤ代などメンテナンス費用も非常にリーズナブルという特徴があります。

車体が小さいため、自宅の駐車スペースが狭くても駐車できたり、高速料金も普通車に比べて割安などのメリットがあったりと、まさに維持費の安い車の代表例です。

軽自動車の例としてホンダ・N-BOX(グレードG/FF・CVT)をご紹介します。
(2021年8月時点の数値です)

【自動車税】
年額 10,800円

【自動車保険】
・自賠責保険 19,730円(2年)
・任意保険 月々2万円程度
(車両保険付、6S等級、23才、運転者限定なし、通勤、免許グリーンの場合)

【自動車重量税】
2年 6,600円

【燃費】
21.2km/L(WLTCモード)

【その他】
メンテナンス費用:安い

コンパクトカー

 

コンパクトカーは軽量で排気量も小さいため低燃費な車が多いことが特徴。タイヤも小さめなので交換費用が抑えられます。

軽自動車ほどではありませんが、とりまわしの良さや維持費が安いところが人気です。

コンパクトカーは燃費の良い車種がほとんど。排気量が小さく重量も軽いため、車検時の自動車重量税や自動車税についてもお得です。任意保険についても事故率が少ない場合が多いため金額が安い傾向にあります。またタイヤやバッテリーなどが小さい車種が多くメンテナンス費用もリーズナブルという特徴があります。

コンパクトカーの例としてスズキ・スイフト(グレードRS/FF・CVT)をご紹介します。
(2021年8月時点の数値です)

【自動車税】
年額 30,500円

【自動車保険】
・自賠責保険 20,010円(2年)
・任意保険 月々23,000円程度
(車両保険付、6S等級、23才、運転者限定なし、通勤、免許グリーンの場合)

【自動車重量税】
2年 16,400円

【燃費】
20.0km/L(WLTCモード)

【その他】
メンテナンス費用:比較的安い

ハイブリッド車

 

ハイブリッド車か、そうでないか、車を検討する時にこの二択で悩まれる方も多く、それほどハイブリッド車の燃費の良さは人々に浸透しています。

ハイブリッド車は、信号や交差点がある市街地など停止・発進が多い場所でも、低速で燃費があまり落ちません。渋滞の多い都会で乗車する方にぴったりの車です。

一概に安いとはいえませんが、維持費が高い傾向にある大型の車両もハイブリッド化されているため、燃費を抑えることができるでしょう。

また、維持費についてはエコカー減税など税金面でもメリットを受けられる場合が多く、お得と言えます。

ハイブリット車の例としてトヨタ・アクア(グレードG/E-CVT)をご紹介します。
(2021年8月時点の数値です)

【自動車税】
年額 30,500円

【自動車保険】
・自賠責保険 20,010円(2年)
・任意保険 月々18,000円程度
(車両保険付、6S等級、23才、運転者限定なし、通勤、免許グリーンの場合)

【自動車重量税】
初回車検 2年 0円(エコカー減税)

【燃費】
33.6km/L(WLTCモード)

【その他】
メンテナンス費用:安い
※駆動用バッテリーが保証期間後に寿命を迎えて交換が必要になった場合、初代アクアでも15~17万円程度の交換費用が必要になるといわれています。

クリーンディーゼル車

 

燃費の良さと力強い走りが人気のクリーンディーゼル。レギュラーガソリンよりも軽油のほうが20円ほど安いというメリットから、近年の燃料高騰で注目を集めています。

ディーゼル車には、コンパクトカーから大型の車両まで用意されており、燃費を除く維持費については一概に安いとは言えません。大きな駆動力を伝えるためにタイヤが大きく、維持費が高くつく傾向にあるのでモデル選びを慎重に行いましょう。

燃料高の今、給油のたびに軽油の安さを実感することができます。

ディーゼル車の例としてマツダ・mazda2(グレードXD/FF・6AT)をご紹介します。
(2021年8月時点の数値です)

【自動車税】
年額 30,500円

【自動車保険】
・自賠責保険 20,010円(2年)
・任意保険 月々19,000円程度
(車両保険付、6S等級、23才、運転者限定なし、免許グリーンの場合)

【自動車重量税】
2年 24,600円

【燃費】
21.6km/L(WLTCモード)

【その他】
メンテナンス費用:普通

電気自動車

 

次世代自動車(電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車)の位置づけである電気自動車。

環境問題を解決する手段として以前から注目されていましたが、走行距離が少ないなどのデメリットからなかなか普及しませんでした。しかし、近年になり車やバッテリーの進化によって走行距離が飛躍的に増加しています。充電スポットも増えていて再注目されています。日産ディーラーでは、定額で充電できるプランもお得なものも登場しています。

車両本体価格は、一般のガソリン車に比べてまだまだ高い電気自動車ですが、次世代自動車のためエコカー減税やグリーン化特例の恩恵を受けられます。またエンジンがないことでエンジンオイルやそのほかの交換部品が必要なくなるメリットもあります。

電気自動車の例として日産・リーフ(グレードX/40kWh)をご紹介します。
(2021年8月時点の数値です)

【自動車税】
翌年度 6,500円(グリーン化特例)
通常年額 25,000円

【自動車保険】
・自賠責保険 20,010円(2年)
・任意保険 月々36,000円程度
(車両保険付、6S等級、23才、運転者限定なし、通勤、免許グリーンの場合)

【自動車重量税】
初回車検 2年 0円(エコカー減税)

【燃費】
155 Wh/km
電気とガソリンは単純比較はできませんが、ハイブリッドより少し良いレベルといわれています。

【その他】
メンテナンス費用:安い(エンジンがないため、エンジンオイルや冷却水、ベルトなどの消耗品がない)

エコカー減税とは

 

排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車は、エコカー減税の対象になります。購入時や次回車検時などに重量税が軽減されます。

対象となる基準は年々厳しくなっており、現在では2030年度燃費基準120%達成車、次世代自動車(電気自動車・ 燃料電池自動車・ プラグインハイブリッド自動車)のみ、初回車検時の重量税の減税があります。

グリーン化特例とは

 

グリーン化特例とは、環境性能の高さに応じて自動車税が減税される特例措置です。

対象は限られていて、次世代自動車(電気自動車・燃料電池自動車・プラグインハイブリッド自動車)が75%減税、2030年度燃費基準90%達成で概ね75%、70%達成で概ね50%減税となります。

なお、クリーンディーゼル車は2021年4月30日まで、エコカー減税において次世代自動車に分類されていましたが、2021年5月から除外されてしまいました。ヨーロッパのディーゼル規制もあり、将来のディーゼル車がどのような扱いになってゆくのかはっきりしない一面があります。

維持費を減らす方法

 

維持費について解説してきましたが、実はほんの少しの工夫でも減らすことができます。ここでは具体的な方法について解説します。

【自動車保険】
ディーラーのような代理店で契約するのか、ネット保険を使うかでも金額が変わります。ネット保険の方が安くなりますが、事故の際に電話がつながらないことがあり、一長一短と言えるでしょう。なお、同居の親族が11等級以上の自動車保険を持っている場合、6Sではなくひとつ上の7S等級から契約スタートでき、お得になります。

【燃料費】
走る道や運転の仕方によって燃費は変わってきます。燃費を良くするためにも「急」のつかない運転を心がけましょう。ガソリンが安いときに満タンにすることも有効です。スタンドによって金額に差があるため、日頃からチェックしておくと良いでしょう。

【メンテナンス費】
ディーラーでメンテナンスするより量販店やガソリンスタンドなどを利用した方が安くなる傾向にあります。しかし現在の車は電子制御が多く、ディーラーでなければ点検できない箇所もあります。また、タイヤなどはネットの方が圧倒的に安く手に入りますが、取り付けが個人では難しく、ディーラーに持ち込むと工賃が通常よりも高くなる場合があるので注意しましょう。

なお、ディーラーでもメンテナンスパックなどを利用すると点検費用を抑えられることがあるので要検討です。

【駐車場代】
自宅の敷地内に停めることができれば費用はかかりませんが、他所に駐車する場合はどうしてもかかってしまう費用です。同じような距離にあっても施設が新しいか、入りやすいかなどによっても金額が変動するので、一度じっくり探してみると良いでしょう。

中古車の維持費は新車よりも高い?

 

中古車は、購入時こそ新車より安くなりますが、一度使用された車であるため消耗品の交換時期が近かったり、部品の保証期間が切れていて修理が有料になったり、思わぬ出費が発生する場合があります。燃費についても新車の方が良いでしょう。

税金面では、ガソリン車は新車登録から13年超(ディーゼル車は11年超)で自動車税が概ね15%増税されます。

中古でなければ手に入らない車も多いですが、中古車を検討する際は維持費のことも考慮しつつ選択していきます。

なお新古車のように新車に近い中古車なら、維持費が高くつくリスクは低いでしょう。

まとめ

 

維持費が安い車について解説してきました。

ここまでの内容を簡単にまとめると以下のようになります。

1.車の購入を検討する時は維持費も考慮しよう
2.若いドライバーは自動車保険料が高め
3.自動車税は一年に一度、5月の支払い
4.駐車場代は地域によってまちまち
5.低燃費車を選ぼう
6.小さい車の方が維持費は安い傾向にある
7.電気自動車はメンテナンス費用が安い
8.維持費は工夫すれば減らせる
9.中古車より新車の方が維持費が安い

見積書に出てこない維持費は、はじめて車を検討する方にとっては未知の領域といえます。

この記事をきっかけとして維持費まで考慮した車選びをしていきましょう。

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グーネットマガジン編集部

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