車のエンタメ
更新日:2023.12.27 / 掲載日:2023.12.27

はたらくクルマ図鑑「昭和飛行機工業のタンクローリー」のヒミツ4

クルマに乗っている人(EVを除く)であれば、ほぼ確実にお世話になっている、はたらくくるまがタンクローリーだ。燃料をガソリンスタンドに運ぶ、はたらくくるまのタンクローリーは、どのような構造、そして仕組みになっているのか?その秘密を紹介しよう!

●文:鈴木ケンイチ ●写真:鈴木ケンイチ/昭和飛行機工業(株) ●取材協力:昭和飛行機工業(株)

大きなアルミタンクに液体燃料を満載して走る、街で見かけることも多いはたらくクルマについて詳しく知ってみよう!

タンクローリーができるまでを順を追って見て行こう!

 昭和飛行機工業は、アルミ板からタンクを作り、それにサブフレームや様々な装置を追加。

 タンクの水圧検査を実施した後に、車軸やシャシーと合体させる。

 その後、塗装を行い、車体の完成検査までを実施する。トラクター部やシャシーは、外部OEMから購入している。

 完成までかかる時間は3か月ほど。年産200台ほどで、ほとんどが受注生産となっている。

昭島市にある昭和飛行機工業の生産工場。この地にてタンクから車体製造、検査までを行う。
タンクローリー製造の工場内。アルミを板から筒状に加工し、サブフレームに取り付ける。
用途に合わせた様々な厚みのアルミ板を、ウォータージェット加工でカットしてゆく。
カットされたアルミ板はローラーを使って丸められ、溶接で楕円の筒状に加工される。
筒状になったタンクが胴板と呼ばれる。胴板の中に仕切板、前後に鏡板を溶接してタンクとしてゆく。
タンクの特殊な断面を維持しながら組み立てる。四角い楕円が最近の主流の形だ。
タンクに装着する前に、床部分のサブフレームを製作。アルミを手作業で溶接してゆく。
完成したタンクを上下逆にピットに設置してサブフレームを溶接しているところ。
タンクとシャシーを合体させた後、周辺部を製造中。この後、塗装や検査が行われる。
●今回取材でお世話になったのは……「昭和飛行機工業株式会社」

 国内のタンクローリーの大手メーカーとなるのが昭和飛行機工業だ。会社名からもわかるように、もともとは飛行機を製造する会社として1937年に設立。

 戦前はDC3型輸送機などをライセンス製造していた。戦後は、飛行機製造で培ったアルミ加工技術を元に、給油車や特殊トレーラーなどを手掛けるように。

 燃料を運ぶタンクローリーだけでなく、小麦などの粉粒体を運ぶバルク車も製造。小麦粉運搬用バルク車に限っていえば国内シェアは100%だ。

昭和飛行機工業の本社がある昭島市。その北工場にてタンクローリーは製造されている。
第二次世界大戦期まで昭和飛行機工業がライセンス生産していた「DC3型輸送機」。
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内外出版/オートメカニック
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