タイヤ交換
更新日:2025.07.29 / 掲載日:2025.07.28
タイヤ交換時にバルブ交換は必要?費用や交換方法を徹底解説

タイヤのバルブは、空気圧を適切に保つうえで重要な部品です。しかし、ゴム部分は経年劣化しやすく、定期的に点検・交換する必要があります。
劣化したバルブをそのまま使い続けると空気漏れを起こし、燃費悪化やタイヤの偏摩耗、最悪の場合はバーストなどの危険なトラブルの原因になります。
この記事では、バルブ交換の必要性や交換時期、費用の目安や自分で作業する際の注意点までをわかりやすく解説しています。
安全で快適なドライブのためにも、ぜひ最後までご覧ください。
1. タイヤのバルブとは

タイヤのバルブの役割と、バルブの種類についてご紹介します。
(1) バルブの役割
バルブは、タイヤに空気を充填するための重要な部品です。さらに、空気の充填だけでなく、空気圧を一定に保ち、タイヤ内の空気が外に漏れないよう、逆止弁としての役割もあります。
構造はシンプルで、ホイールのバルブホールに取り付けられている「バルブ本体」、空気の逆流を防ぐ「バルブコア」、水やホコリの侵入を防ぐ「バルブキャップ」の3点から成り立っています。
(2) ゴムバルブと金属バルブの違い
バルブには、主に「ゴムバルブ(スナップインバルブ)」と「金属バルブ(クランプインバルブ)」の2種類があります。
ゴムバルブは、多くの純正ホイールに採用されており、安価で取り付けも簡単です。大部分がゴムでできているため、柔軟性があるため多少の衝撃にも耐えやすい一方、経年劣化が早く、定期的な交換が必要です。
一方、金属バルブは、全体が金属でできており、見た目のスタイリッシュさや耐久性から、社外ホイールでよく使われています。ただし、ゴムバルブより価格が高く、衝撃や振動に弱いのがデメリットです。
2. 定期的なバルブ交換が必要な理由
バルブは使い続けるうちに少しずつ劣化し、ひび割れや亀裂が入ることがあります。そのまま使用し続けるとエア漏れし、以下の3つのトラブルが発生する可能性があります。
1. 燃費の悪化や走行性能の低下
2. 偏摩耗や損傷、タイヤの寿命を縮める
3. バースト(破裂)の発生
順にご紹介します。
(1) 燃費の悪化や走行性能の低下
エア漏れによりタイヤの空気圧が不足すると、タイヤと地面との接地面が広がるため、走行中の抵抗が増加して燃費が悪化してしまうのです。さらにタイヤの変形も大きくなるため、ハンドル操作が重くなり走行性能にも悪影響を与えます。
(2) タイヤに偏摩耗や損傷、タイヤの寿命を縮める
タイヤの空気圧が不足すると、タイヤの特定部分だけが過剰に接地しやすくなり、偏摩耗が進行します。
そのまま走り続けるとトレッドの剥離や内部の損傷が起こりやすくなり、タイヤそのものの寿命を大きく縮めてしまいます。
(3) バースト(破裂)の発生
エア漏れし、空気圧が不足したまま高速走行を続けると、タイヤが波打つように変形する「スタンディングウェーブ現象」が発生します。
この現象が進行するとタイヤが過熱し、最悪の場合はバースト(破裂)してしまう危険性があります。バーストするとブレーキやハンドル操作が利かなくなるため、車両を制御できなくなります。周囲の車両を巻き込む事故につながる恐れがあるため、とくに注意が必要です。
ゴムバルブの交換は一般的に2〜3年が目安と言われています。金属バルブであってもホイールと接する部分にゴムパッキンが使われているため、ゴムバルブと同様2〜3年の交換が目安です。
上記のトラブルを未然に防ぎ、安全なカーライフを送るためにも、定期的なバルブの交換を心がけましょう。
3. タイヤのバルブを交換するタイミングと理由

では「どのタイミングでバルブを交換するのが良いの?」と思う人もいるでしょう。結論からいうと、タイヤ交換時にバルブも同時交換するのがもっとも効果的です。
理由は以下の2つです。
1. 作業の手間や工賃を節約できる
2. 予防整備になり、エア漏れするリスクが減る
(1) 作業の手間や工賃を節約できる
バルブのみ交換するときは、タイヤをホイールから取り外す必要があるため、タイヤ交換時と同じ工賃がかかります。そこで、バルブもタイヤと同時交換することで、作業の手間や工賃を節約できます。
(2) 予防整備になり、エア漏れするリスクが減る
タイヤ交換時にバルブに異常がなかったとしても、そのまま使い続けると、ほどなくしてバルブからエア漏れする可能性があります。予防整備としてバルブも同時交換することで、エア漏れするリスクも減り、安心してタイヤを使用できるでしょう。
ただし、タイヤ交換の有無に関わらず、すでにバルブに亀裂やエア漏れが発生している場合は、すぐに点検・交換しましょう。
4. タイヤのバルブ交換を業者に依頼する場合
バルブ交換にはタイヤの脱着作業が必要なため、専門的な知識や技術が求められます。交換に自信がない場合は、無理にDIYせず、専門業者に依頼することを強くおすすめします。
ここでは、業者に依頼する際の費用をご紹介しましょう。
(1) バルブの部品代と工賃の目安
タイヤ交換時にバルブを同時交換する場合、タイヤ交換の工賃のなかにバルブ交換費用も含まれていたり、無料で交換できたりすることがほとんどです。ただし、店舗によって対応が異なるため事前に確認しておきましょう。
バルブの部品代は、ゴムバルブなら4本1,600円前後、金属バルブは4本4,000円程度が相場です。
交換はディーラーやカー用品店(オートバックスやイエローハットなど)、タイヤ専門店、ガソリンスタンドなどで対応してもらえます。
(2) タイヤ交換せずにバルブだけ交換する場合
バルブだけを交換する場合でも、タイヤを一度ホイールから外す必要があるため、タイヤ交換と同程度の工賃が追加で発生します。タイヤの脱着作業に10,000〜20,000円ほどかかるケースもあります。
そのため、バルブ交換はタイヤ交換と同時にするのがもっとも効率的です。作業も一度で済み、無駄な手間や費用を抑えられます。
5. 自分でタイヤのバルブを交換する場合
バルブ交換は、業者に依頼せず自分でも交換できます。ただし、タイヤをホイールから外す必要があるため、専用の道具や技術、経験が必要です。
ここでは、バルブ交換に必要な道具や作業手順、注意点を紹介しましょう。作業に自信がない場合は、無理に自分で交換せず、専門業者に依頼してください。
(1) 自分でバルブ交換する方法
自分でバルブ交換する際に必要な道具と手順をご紹介します。
① バルブ交換に必要な道具
自分でバルブ交換する際は、次のような工具が最低限必要です。
・輪止め:作業前に車両が動かないようタイヤを固定するために使います。
・ジャッキ:車体を持ち上げるための基本的な工具
・レンチ:ホイールナットを緩めたり締めたりするのに使う
・トルクレンチ:ナットの締めすぎや緩みを防ぐため、規定トルクで確実に締め付けるために使う
・タイヤレバー:ホイールからタイヤを外す作業に必要
・ビードワックス:タイヤの脱着時に、ホイールとの滑りを良くする潤滑剤
・ムシ外し:バルブコア(ムシ)を取り外すための専用工具
・ビードブレーカー:タイヤとホイールを分離するために使う
・ニッパーやカッター:古いバルブを切断するために使う
・バルブインサーター:新しいバルブを取付けするために使う
・コンプレッサー:タイヤに空気を充填するために使う
作業をより安全・正確に進めたい場合は、追加で専用の機器や補助具をそろえる必要があります。そのため、一度きりの作業であれば業者に依頼したほうが安く済む可能性が高いでしょう。
② バルブ交換する手順
バルブを交換する際は、基本的にタイヤ交換と同じような工程が必要になります。流れは以下のとおりです。
1. ジャッキで車体を持ち上げ、タイヤとホイールを取り外す
2. ホイールからタイヤを慎重に外す
3. 劣化したエアバルブを取り除く
4. 新しいバルブをホイールにしっかりと装着する
5. タイヤをホイールへ戻し、空気を充填させビードを密着させる
6. タイヤ・ホイールを再び車体に取り付ける
一見シンプルな手順ですが、実際の作業には時間と手間がかかります。とくにホイールからタイヤを外す作業は、技術や経験がないとケガやタイヤを破損させるリスクがあります。
タイヤの脱着作業については、こちらの記事で解説しています。
(2) 自分でバルブ交換する際の注意点
自分でバルブ交換する際に、もっとも重要なのは作業中の安全確保です。
まず、ジャッキで車を持ち上げてタイヤを取り外す工程では、ジャッキのかけ方や作業環境が不安定だと非常に危険です。万が一、車体が落下すれば大きな事故につながります。
加えて、ホイールを再度取り付ける際にナットの締め付けが甘いと、走行中にタイヤが外れる恐れもあります。小さなミスが大きなトラブルを招くため、各工程を確実にこなすことが求められるのです。
また、バルブ交換するためにビードブレーカーなどの専用工具(タイヤとホイールを分離する)が必要になり、高度な技術も求められます。
無理に作業を進めると、タイヤやホイールを傷つけてしまうリスクもあるため、少しでも不安がある場合は、専門の業者に依頼するのが無難です。
6. バルブ交換はグーネットピットにお任せください
タイヤに取り付けられているバルブは、空気圧を適切に保つための重要なパーツです。ゴムの劣化などで空気が漏れてしまうと、燃費の悪化やパンクの原因になります。
そのため、タイヤ交換する際は、忘れずにバルブも点検しましょう。ひび割れや劣化が見られる場合は、早めに交換することをおすすめします。
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