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故障・修理
更新日:2024.02.14 / 掲載日:2024.02.14

ブレーキパッドにおすすめのグリス5選!効果や選び方、手順を解説

ブレーキをかけたら「キーキー」という異音がする……このような異音が聞こえた場合、故障したかもしれないと心配になる人は多いでしょう。

この異音は、ブレーキをかけたときの振動によって発生している可能性があります。この振動を抑えるには、ブレーキパッドとシムの間にグリスを塗るのが有効です。

この記事では、グリスの効果や選び方、おすすめ商品を紹介しています。さらにグリスの塗り方や注意点も解説していますので、参考にしてください。

1.ブレーキパッドにグリスを塗るとどんな効果が得られる?

ブレーキパッドに塗るグリス(パッドグリス)には、ブレーキ鳴きを抑える効果があります。

ブレーキ鳴きとは、ブレーキパッドがディスクローターを挟み込んだときの振動がキャリパーピストンに伝わることで発生する「キーキー」という異音のことです。

キャリパーピストンとは
ブレーキキャリパー内にある、ブレーキパッドをディスクローターに押し付ける部品。ブレーキをかけるとキャリパーピストンがブレーキパッドの裏側を押し込み、ディスクローターを挟みこむことで車を徐々に停止させる。

ブレーキパッドとシム(ブレーキパッドの背面につける部品)の間にグリスを塗布することで振動が抑えられ、ブレーキ鳴きを防ぎます。

また、ブレーキパッドとキャリパーブラケット(ブレーキパッドを取り付ける箇所)の接触面にグリスを塗布することで、ブレーキパッドのサビによる固着を防げます。固着は、ブレーキの引きずり(ブレーキがかかったままの状態になること)やブレーキパッドの早期摩耗の原因になります。

塗布したグリスは、時間が経つと劣化により効果がなくなるため、以下などのタイミングで再度塗布しましょう。

・塗布してから12カ月経過したとき
・ブレーキパッドを交換したとき
・車検を受けるとき
・ブレーキ鳴きが再発生したとき

グリスを塗布しても、ブレーキ鳴きが止まらない場合は、ほかの不具合の可能性があります。たとえば、ブレーキパッド自体の残量が少なくなっており、交換時期を知らせる警告音かもしれません。

下記の記事では、ブレーキパッドの交換時期を知らせてくれる「パッドウェアインジケーター」について解説しています。こちらの記事もぜひご覧ください。

2.ブレーキパッドに塗るグリスの選び方

ブレーキパッドに塗るグリスの選ぶポイントは以下の3つです。

1.グリスのタイプから選ぶ
2.耐熱温度から選ぶ
3.ブレーキパッド用のグリスを選ぶ

順にご紹介します。

(1)グリスのタイプから選ぶ

ブレーキパッドに塗るグリスには、ペーストタイプとスプレータイプがあります。

タイプメリットデメリット
ペースト・半固形で必要な箇所にだけ塗布できる
・粘土が高く、長期間効果を保てる
指などで塗り広げる必要がある
スプレー・手軽に作業できる
・広範囲へ均一に塗布できる
噴射した際に不要な箇所に塗布する可能性がある

基本的な性能は同じため、扱いやすさなどをもとに自分に合ったグリスを選びましょう。

(2)耐熱温度から選ぶ

ブレーキパッドに塗布するグリスは、商品によって耐熱温度が異なります。

グリスはブレーキをかけた際の摩擦熱によって高温になるため、その温度に耐えられなければ、グリスが溶けて流れ出る恐れがあります。そのため、車の用途に合った耐熱温度からグリスを選ぶことが重要です。

一般走行用の耐熱温度の目安は300度以上です。しかし、サーキット走行用の車は高速走行中に何度もブレーキをかけるため、ブレーキパッドの温度が非常に高くなります。

そのため、サーキット走行用の車には、最低でも耐熱温度800度以上を目安としたグリスを選びましょう。

(3)ブレーキパッド用のグリスを選ぶ

ブレーキパッドに塗布するグリスは、必ずブレーキパッド用を使用してください。

ブレーキパッド用以外のグリスを使用した場合、耐熱温度が足りずにグリスが流れ出てしまう可能性があります。ブレーキパッド周辺の部品に付着し、ブレーキが利かなくなる危険性があるため、必ずブレーキパッド用のグリスを使用しましょう。

3.ブレーキパッドにおすすめのグリス5選

ブレーキパッドにおすすめのグリス5選をご紹介します。

(1)DIXCEL|ブレーキパッド グリース

出典:ブレーキパッド グリース|DIXCEL
ブレーキパッドの背面に塗布することで、ブレーキ鳴きを抑えられます。効果を持続させるグラファイト(黒鉛)を含んでいます。

(2)WAKO’S|ディスクパッドグリース

出典:製品一覧ページ/エアゾール他/ディスクパッドグリース p.8|WAKO’S

耐熱性や耐久性、耐水性を兼ね備えているのが特徴です。ブレーキ時の振動を抑え、長期間にわたりブレーキ鳴きを防ぎます。

  • ・ディスクパッドグリースの公式ページ(製品一覧ページから「エアゾール他(P.7-8)」を選択)

(3)KITACO|ブレーキパッドグリス

出典:ブレーキパッドグリス|KITACO

ブレーキパッドの裏面とシムに塗ることで、ブレーキ鳴きや制動ムラを抑えられます。また、耐熱性にも優れています。

(4)イチネンケミカルズ|NX28 ディスクパッドグリース

出典:NX28 ディスクパッドグリース|イチネンケミカルズ

ディスクブレーキの鳴き止め防止剤を添加したグリス。耐熱性に優れており、ブレーキ鳴きや焼付きを防いでくれます。

(5)ダイゾー|NR-05 ディスクガード

出典:NR-05 ディスクガード|ダイゾー

高い粘着力によって、ブレーキ鳴きの原因である微振動を吸収します。ディスクパッドのガタつきが多い車に最適なグリスです。

4.ブレーキパッドにグリスを塗る手順

ブレーキパッドにグリスを塗るのに必要な道具と手順をご紹介します。

(1)必要なもの

交換に必要な主な道具は、以下の7つです。

道具詳細
ジャッキとジャッキスタンド車を持ち上げてホイールを外すために使う
レンチやスパナホイールやブレーキキャリパーのボルトの取り外しや取り付けに使う
長く大きめのS字フック長く大きめのS字フックを使い、キャリパーが脱落しないように使う
ブレーキパッドのクリーニング用具ブレーキディスクやブレーキキャリパーの汚れを落とすために使う
ブレーキパーツクリーナー古いブレーキグリスやキャリパーのブレーキダストを清掃するときに使う
グリス、パッドグリスブレーキパッドをキャリパーに取り付けるときに塗布する
作業手袋安全性の確保と油汚れなどを防止するため、作業するときに着用する

(2)ブレーキパッドにグリスを塗る手順

ブレーキパッドとシムを交換する手順を概説します。

1.安全な場所で作業開始

ジャッキアップ(イメージ)

車を平坦で安全な場所に駐車したあと、車をジャッキアップしてください。車が動かないようにジャッキスタンドで車体を支え、作業中の安全を確保します。また、ジャッキアップする前にホイールナットをレンチで軽く緩めておくと、次の作業でタイヤを外しやすくなります

2.ホイールの取り外し

タイヤを取り外す(イメージ)

ホイールナットをレンチで緩め、ホイールを取り外してください

3.キャリパーの取り外し

キャリパーの下側のボルトをレンチやスパナで外します。ボルトを外したら、キャリパーを下から上に取り外します。
このとき、キャリパーのブレーキホースが無理に引っ張られていないか注意しながら取り外しましょう。もしブレーキホースが無理に引っ張られているようであれば、下側だけでなく上側のボルトも外してからキャリパーを取り外します。キャリパーを取り外したら、脱落しないようS字フックなどで吊り下げておきましょう

4.ブレーキパッドを取り外す

キャリパーブラケットからブレーキパッドを取り外してください

5.ブレーキパーツの汚れを落とす

ブレーキパッドやキャリパーに付着した汚れをパーツクリーナーや布できれいに取り除きましょう。あわせて、ブレーキパッドからシムを取り外し、古いグリスやブレーキダストなどの汚れを落とします

6.ブレーキパッドの背面にグリスを塗布する

赤い丸の部分にグリスを塗布(イメージ)

ブレーキパッドの背面に適量のグリスを均一に塗布し、ブレーキパッドの背面(ディスクローターを挟み込む面の裏)に再度シムを取り付けます。ブレーキパッドにシムのつめを引っ掛けるように取り付けましょう。
またキャリパーブラケットとの接触面(ブレーキパッドの両端)にもグリスを塗布しましょう

7.キャリパーの取り付けと組み立て

ブレーキパッドを取り付けたあと、キャリパーを元の位置に戻し、ボルトを締め付けます。その後、ホイールを装着してホイールナットをレンチで軽く締め付けます

8.ジャッキダウンとブレーキ復帰

ジャッキダウンし、ホイールナットをレンチで本締めします。その後、ブレーキフルードの量を確認します。エンジンを掛けずに30回ほどブレーキペダルを踏み、ピストンがブレーキパッドを確実に押せる状態になるのを確認してください

(3)業者に依頼する場合の相場

ブレーキパッドにグリスを塗布するには、ブレーキパッドを一度取り外す必要があります。ブレーキパッドを取り外す道具や知識がない場合は、専門業者に依頼しましょう。

専門業者に依頼した場合の相場は、2,000〜5,000円程度です。定期点検や車検などと同時作業であれば、費用を抑えられるかもしれません。

車種やグリスの種類などによっても価格が変動するため、必要に応じて複数の業者に見積もりを依頼してください。

業者を決定するときは交換費用だけでなく、今後も車全体のメンテナンスを依頼できるか、口コミサイトやレビューサイトに悪評がないかを確認しましょう。

5.ブレーキパッドにグリスを塗る際の注意点

ブレーキパッドにグリスを塗る際の注意点は以下の2つです。

1.ブレーキパッドの表面に塗らない
2.グリスがはみ出たら拭き取る

順にご紹介します。

(1)ブレーキパッドの表面に塗らない

グリスはブレーキパッドの表面(ディスクローターを挟み込む面)、およびディスクローターそのものに付着しないように注意してください。

これらにグリスなどの油分が付着すると滑ってしまうため、ブレーキが利かなくなります。もし、付着してしまった場合はすぐにパーツクリーナーや布などを使い拭き取ってください。

(2)適量のグリスを塗布する

グリスを過剰に塗布すると、ブレーキパッドにシムを取り付けたときに溢れ出るかもしれません。

溢れたグリスがブレーキパッドの摩擦面やディスクローターに付着すると、ブレーキの利きが悪くなる危険性があるため、注意してください。

さらに、溢れたグリスはブレーキパーツやホイールに黒い粉状のダストを付着させる原因にもなります。

塗布後、余分なグリスが溢れ出た場合は、すぐにパーツクリーナーや布などを使って拭き取りましょう。

6.ブレーキに関することはグーネットピットにお任せください

ブレーキをかけた際に「キーキー」という異音が鳴る場合、ブレーキパッドにグリスを塗ることで抑えられる可能性があります。

しかし、グリスを塗るには、ブレーキパッドを一度取り外さなければいけません。さらに、取り外しには専門的な道具や知識が必要になることから、業者に依頼するのもひとつの方法です。

もし、業者に依頼したい場合は、専門知識や経験が豊富なグーネットピットにお任せください。ブレーキパッドの取り外しからグリスの塗布、ブレーキ関連のトラブル解消まで丁寧に対応いたします。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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